オール電化の電気代が高い!エコキュートなど、オール電化の節約術
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近年の電気料金単価の値上がりで、オール電化のご家庭からは、「電気代が高い!」という不安や、「もっと安く節約できる方法はないの?」とお悩みの声が聞こえてきます。
ここでは、高い電気代に頭を痛めるオール電化の皆さんへ、オール電化の電気代を安くする方法をご説明します。オール電化で電気をたくさん使う、エコキュートや蓄熱暖房機、セントラルヒーティング、IHクッキングヒーターなど設備ごとの電気代節約ポイントもあわせて説明していきます。
また、2016年4月の電力自由化以降のオール電化向けの電気料金プランについては、「[エリア別]電力自由化、オール電化向け電気料金プランの特徴と選び方まとめ!」にて詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
18,000円安くなります。
そもそもなぜオール電化の電気代は高くなっているの?
オール電化のご家庭の電気代がだんだんと高くなってきているのは、「燃料費調整制度」によって電気料金の請求額に反映される燃料費調整価格が年々上がってきていることが原因のひとつです。
「燃料費調整制度」については、以下の記事で詳しく説明しています。
値上がりしているのはオール電化の電気代だけではなかった
しかし、値上がりしているのはオール電化の電気料金だけではありません。ガスを作るための原燃料(液化天然ガス、液化石油ガス)も長期的な統計をみると、同じくじわじわと上がってきています。そのため、電気料金のみならず、ガス代も高くなっています。
「ガス併用よりも電気一本にしたほうが光熱費は安く抑えられる」という望みでオール電化にした方は、電気代が毎年高くなっていく現在の状況にがっかりしてしまっているかもしれませんが、ガス代も電気代同様値上がりを続けているので、オール電化のご家庭が一方的に損をしている、というわけではありません。
しかし、年々高くなるオール電化の家庭の電気代、どうにか安くしたいものですよね。
オール電化の電気代を安くする、2つの節約方法
電気料金を今より安くするためには、まずはご契約されているプランの、電気料金が安くなる時間帯と高くなる時間帯をしっかりと把握することが大切です。
1)電気料金が安い時間帯を上手に利用する
オール電化向けプランには、オール電化住宅に設置されているエコキュートや電気温水器、蓄熱式暖房機など、安い深夜電力を利用してお湯を沸かしたり蓄熱をするために、夜間の電気料金単価が安いという特徴があります。
オール電化向けのプランは、電気温水器や蓄熱暖房機の電気代のみが安くなる深夜電力プランとは違い、夜間時間帯は家庭で使用する全ての電気に安い深夜料金単価が適用されます。この、電気料金が安い時間帯を上手に利用してしまいましょう。
2)電気を使う時間帯をずらす
ご家庭で日中使っている電気の使用時間を、電気料金単価が安くなる夜間にずらすことができます。炊飯器・ホームベーカリー・洗濯機・洗濯乾燥機などタイマー機能付きのものは、夜間時間のうちに完了してしまうようにタイマーを使うことで、使用時間帯をずらせます。
寝る前にタイマーをセットし、洗濯から乾燥までを夜中に済ませてしまう、早朝にご飯が炊きあがるように、もしくはパンが焼きあがるようにしておくことで、安い深夜料金で家庭の家事も行ってしまいましょう。
このように、電気を使う時間をずらすと電気代が年間で2万円以上節約できる場合があります。
電気を使う時間を安い時間帯にずらすことで2万円以上節約が可能な詳細について、以下の記事で説明しています。
エコキュートや蓄熱暖房機などオール電化の設備ごとの電気代節約ポイントは?
上記でご説明した「オール電化の電気代を安くする2つの節約方法」を基本としながら、エコキュートや蓄熱暖房機、セントラルヒーティング、IHクッキングヒーターなど、オール電化の設備ごとの電気代節約ポイントを抑えることで、オール電化の電気代はさらに節約しやすくなります。それぞれの設備ごとの節約ポイントは以下のようになります。
エコキュートの6つの電気代節約ポイント!
エコキュートの平均電気代について、詳しくは以下の記事で説明しています。
1)季節によってモードを使い分ける
エコキュートはメーカーごとのおすすめ省エネモード設定がいちばん省エネとなります。でも、もし省エネモード設定で日中頻繁にお湯が足りなくなりタンクの沸き増しが必要な場合は、省エネモードの設定よりも多めにお湯をわかしておく設定に切り替えたほうがよい場合があります。
冬と夏では使うお湯の量も変化するため、季節ごと最適な設定を見極めて切り替えていきましょう。
2)その日にお湯を使わない時は昼間沸き上げを停止する
タンクの湯量が少なくなると自動で日中に沸き増しをする「自動沸き増し機能」を設定している場合は、もうお湯を使わないという日はその日の昼間の自動沸き上げを停止しましょう。
3)ピークカット設定をきちんとする
エコキュートなどに最適な夜間の電気の単価が安い電気料金プランは、日中の単価が高い時間帯があります。お使いの電気料金プランの日中の単価が高くなる時間帯を把握し、ピークカット設定ができるエコキュートはきちんと設定をしましょう。
ピークカット設定がない場合は、いつもよりお湯を多く使いそうな日にはピーク時間(電気代の高い時間帯)前に湯残量を確認し、沸き増しが必要な場合はピーク時間を除いた時間帯に沸き上げを行うようにしましょう。
4)追い炊きよりも高温足し湯が省エネになる
お風呂のお湯は、「追い炊き」や「自動保温」をするよりも「高温足し湯」を使ったほうが省エネです。追い炊きや自動保温は、ぬるくなったお風呂のお湯を循環させて、タンク内の熱を使うことであたためなおしているため、その分タンク内の熱がなくなってしまいます。
でも、高温足し湯はタンク内の熱いお湯をそのまま足すので、高温足し湯のほうが省エネなんですよ。同じ理由で、前日のお湯を沸かし直すよりも再度お湯はりをしたほうが省エネです。
5)休止モードを使う
数日間または長期間家を空けるような場合は忘れずに休止モード設定をしましょう。
6)夜間の時間設定を確認・プランの見直しをする
お使いの電気料金プランごとに、安い夜間電力が使える時間帯が異なります。エコキュートの夜間時間の設定が違っていると電気代がたくさんかかってしまう恐れがあります。しっかりと時間帯設定を行いましょう。また、ご家庭の生活スタイルの変化で最適な電気料金プランが変わる場合があります。定期的に電気料金プランの見直しをしていきましょう。
エコキュートの電気代節約方法について、さらに詳しくは以下の記事で説明しています。
蓄熱暖房機の5つの電気代節約ポイント!
- 2kW
(4~7畳位)- 4,000円程度
- 3kW
(6~11畳位)- 6,000円程度
- 4kW
(8~15畳位)- 8,000円程度
- 5kW
(10~18畳位)- 10,000円程度
- 6kW
(12~22畳位)- 12,000円程度
- 7kW
(14~26畳位)- 14,000円程度
出典:よくある質問 蓄熱式電気暖房器|オルスバーグジャパン株式会社
みなさんのご家庭と比べてどうですか?もし、蓄熱暖房機の電気代が極端に高い場合などは、使い方や正しい設定のしかたを知ることで電気代を節約できる場合があります。蓄熱暖房機の電気代を節約するための5つのポイントは以下のようになります。
1)最適な蓄熱量を設定する
蓄熱暖房機で一番電気代が高くつき、損をしてしまうのが前日の蓄熱量設定が低すぎて日中熱切れを起こしてしまった際の日中の追い焚きです。
蓄熱暖房機ごとに季節ごとの設定蓄熱量の目安が記載されているので、それを目安にお住まいの地域の気候にあわせて微調整していきながら、日中の追い焚きをしなくて済むように適切な蓄熱量を設定していきましょう。
シーズンセンサーがついている蓄熱暖房機は、「蓄熱量の下限値」「最大蓄熱時の外気温度」「蓄熱開始時の外気温度」が手動で調節できるので、秋口などは蓄熱開始時の外気温設定を低くしたり、部屋が暑すぎると感じた場合は最大蓄熱時の外気温設定を低くするなど調整することで、無駄な電気代を節約することができます。
2)時刻設定を確認する
蓄熱暖房機は、「現在時刻」「通電開始時間」「通電時間」を設定しますが、その設定がズレてしまっていると安い夜間電力時間外に蓄熱をしてしまうことになり、無駄な電気代がかかってしまう恐れがあります。
シーズン初めに設定を確認するとともに、シーズン中も月に一度くらいは時刻設定にズレがないかを確認しましょう。
3)ファンは必要な時だけ回す
ファン付の蓄熱暖房機は、必要な時だけファンを回しましょう。ファンを回しているとそれだけ熱が放出されてしまうので、室内が十分に暖かい時などはファンを停止しましょう。
蓄熱暖房機機種によって、室内温度が設定温度より低い時だけファンがまわる設定や、設定した時間の間だけファンを運転する設定ができる機種もあるので、上手に使っていきましょう。
また、夜間の通電時間中にファンが動いてしまっていると、蓄熱量が少なくなってしまい翌日の蓄熱量が不足してしまうことがあります。就寝前にファン運転が停止しているかどうかをしっかり確認をしましょう。
4)数日間不在にする場合はファン・ファンタイマーを切る
数日間不在にする場合は、蓄熱暖房機を切ってしまうとまた0%からの蓄熱が必要になってしまうため、切らずにおくほうが経済的です。不在の間は人の出入りがないぶん室内が密封されるため、蓄熱量の減り方は少なくなります。
1週間程度外出する場合も、蓄熱量を少し下げるなどの設定にしておき、保温状態を保っておきましょう。
注意点として、不在の間ファンは必ず切っておきましょう。ファンをタイマー設定にしてある場合はタイマーを切るのを忘れないようにしましょう。
5)暖房シーズンの終わりには電源プラグを抜き、ブレーカーを必ずOFFに
暖房シーズンの終わりには、室温設定ダイヤルなどは最小にして蓄熱量設定・ファン設定を切り、必ず電源プラグをコンセントから抜き、蓄熱暖房機のブレーカーをOFFにすることを忘れずに行いましょう。
忘れてしまうと夏場でも蓄熱がされてしまう場合があるため注意が必要です。
蓄熱暖房機の電気代節約方法について、さらに詳しくは以下の記事で説明しています。
セントラルヒーティングの電気代節約ポイント!
電気温水暖房セントラルヒーティングは、夜間の安い電気代で蓄熱をする蓄熱式暖房機とは違って非蓄熱式電気暖房機器のため電気料金プランの安い夜間電力を使うことができないので、日中の電気料金単価をよく確認して電気料金プランを選ぶことが重要なんですよ。
セントラルヒーティングを使うオール電化のご家庭は、日中の電気代が固定制単価で設定されているプランがおすすめです。
電気料金プランの中には日中の電気代が固定制単価のものと段階料金制単価のものがあり、日中使う電気の量が少な目のご家庭は段階料金制単価のプランがお得になることが多いですが、セントラルヒーティングのご家庭は、セントラルヒーティングを常に使っている分日中電気を使う量が多くなります。
そのため、オール電化向けの電気料金プランの中から、日中の電気代設定が固定単価で設定されているプランを選んだほうが電気代をお得に節約できる可能性があるんですよ。
セントラルヒーティングの電気代節約方法について、さらに詳しくは以下の記事で説明しています。
IHクッキングヒーターの電気代節約ポイント!
IHクッキングヒーターは使う時間帯によって電気代が大きく変わります。例えば、同じカレーを作るとしても、作る時間帯によってかかる電気代が以下のように大きく変わってくるんです。
IHクッキングヒーターでカレーを作った際にかかる電気代
時間帯 | 1kWhあたりの電力量料金 | カレーを作るのにかかる電気代 |
---|---|---|
昼間時間帯 (10時-17時) | 38.63円 | 57円 |
朝晩時間帯 (7時-10時/17時-23時) | 25.92円 | 38円 |
夜間時間帯 (23時-7時) | 12.16円 | 18円 |
カレーを作るのにかかる時間を30分(炒め5分、煮込み15分、ルーを入れて最終煮込み10分)とし、IHクッキングヒーターの消費電力を3kWとして計算、電力量料金は東京電力の電化上手プランの夏季以外単価で計算しています。
IHクッキングヒーターを使う際に、お使いの電気料金プランの電気代の高い時間帯をできるだけ避けるよう心掛けましょう。特に、ピークシフトプランを使っている場合は、日中電気代がとても高額になるピーク時間帯があるので、その時間はできるだけIHクッキングヒーターを使わないようにしましょう。
もし、電気代の高い時間帯が調理する時間帯といつも重なってしまう、という場合は、お使いの電気料金プランが見合っていない可能性があるので、電気料金プランの見直しをしてみましょう。
オール電化は最適なプランの安い時間帯を上手に利用しながら、エコキュートなどの設備ごとの節約ポイントをしっかり押さえることで電気代を節約できる!
- 電気料金が安い時間帯を上手に利用する
- 電気を使う時間帯を(安い時間帯へ)ずらす
と、エコキュートなどオール電化の設備ごとの節約ポイントがわかりましたね。
オール電化の電気代で悩んでいる人は、電気料金プランの見直しと、今回ご説明した設備ごとの節約ポイントの見直しをしてみてくださいね。
電力自由化によるオール電化向け電気料金の選び方は、下記の記事で紹介しています。