カビ掃除はこまめに!カビ掃除の手順と予防のポイント
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毎日キレイにお掃除をしているのに、どこから「イヤ~な臭い」が漂ってきたりしませんか?それは汚れではなく、カビの臭いかもしれません!見た目だけでなく健康被害を起こしかねない家の中のカビを徹底的にお掃除しましょう。カビ掃除の手順とカビを予防するポイントについてご紹介します。
掃除をしているのになぜカビが!?それは日本の気候のせいなんです
私たちの住む住宅は、家族が快適に生活ができるように気密性を高く設計されていますが、一方で悩まされるのが、カビの繁殖です。
掃除をするときには汚れを落とすだけではなく、カビの予防も考えていく必要があります。
日本の住宅はカビの繁殖に最適な環境です
カビには、黒カビや青カビ、麹カビやススカビなどの幾つか種類がありますが、これらのカビにとって快適な環境は……
- 気温 20〜30℃
- 湿度 70%以上
温暖で多湿な日本の気候は、世界の中でもカビの繁殖条件に最も適しているといわれていて、カビはプラスチックやガラスにまでとりついて、家の中でどんどん繁殖してしまいます。
カビによる悪影響は?
カビが繁殖すると黒く汚れるなど、見た目が悪くなるだけではなく、悪臭の原因になります。また、カビの胞子が空気中に拡散することで、
- アレルギー喘息
- シックハウス症候群
- 皮膚炎
などの健康被害がおきます。できてしまったカビは放置せず、早めに掃除をして取り除きましょう。
カビの繁殖を防ぐためにはどうすればいいの?
カビが繁殖するための3大要因は次の3つです。
- 湿度
- 温度
- 栄養源
この3つが揃ってしまうとカビは爆発的に繁殖を進めますが、逆に一つでも要因が欠けると繁殖ができません。カビは0~50℃の範囲で活動ができることがわかっていますが、温度をカビの繁殖に適さない条件に合わせることは不可能に近いです。カビ対策は、湿度管理と栄養源を絶つことで防いでいきましょう。
- 湿度
- 湿度は60%以下に保つことがカビ発生を防ぐポイントです
室内の湿度を低くするとともに換気をして、室内の水分量を減らしましょう - 栄養源
- 食品や繊維、木材などのほか、ホコリなども汚れも栄養として繁殖します
特に炭水化物やタンパク質、脂肪分の汚れが大好物ですので、掃除で汚れを取り除きましょう
場所ごとのカビ掃除の方法と予防のポイント
カビの繁殖しやすい条件が整った日本の家庭では、カビを完全になくすことは不可能です。しかし、カビを放置しておくと家族の健康にも悪影響がでますから、カビを見つけたら早めに掃除をしましょう。日頃のお掃除でカビの栄養となる汚れなどを取り除いて、カビを繁殖させないことが大事です。
浴室
浴槽のあるお風呂場は常に湿度が高く、石鹸や人の皮脂、ホコリなどのカビの栄養となるものが豊富で、家の中で一番カビが繁殖しやすい場所です。浴室のカビ対策としては、とにかくこまめに掃除をすることがポイント。カビを見つけたらすぐに掃除をすることを心掛けましょう。
軽いカビの汚れであれば、スポンジやブラシにお風呂用洗剤をつけて擦れば簡単に落ちます。洗面器やシャンプーのボトル、鏡の裏などにも目を配って掃除をしましょう。
いつの間にができてしまった頑固なカビには、カビキラーなどの次亜塩素酸ナトリウムが含まれているカビ取り剤が効果的です。ゴムパッキンなどにしつこくカビがこびりついてしまった場合には、カビ取り剤を拭きつけてからラップを密着させて、半日程度時間をおいてから、擦り洗いをすればキレイになります。
カビ防止剤は殺菌効果もありますので、カビを発生しにくくする効果があります。キレイに汚れを落としたら消毒用エタノールを壁などに吹きかけておくと殺菌効果が持続して、キレイな状態を維持することができます。
- 入浴後は石鹸やシャンプーの残りをキレイに流しましょう
- 入浴後は壁や床に冷水のシャワーを掛けておきましょう
- 鏡や壁についた水滴は、できるだけ取り除きましょう
- スノコや浴槽の蓋は立てて、できるだけ水を切りましょう
- イスやシャンプーボトルなどの小物は浴室から出しておきましょう
- 入浴後は換気扇を最低2時間は作動させて、しっかり換気をしましょう
キッチン
キッチンには食品などのカビの栄養になるモノが豊富にあり、浴室の次にカビが繁殖しやすい場所です。キッチンは毎日食材を調理する場所ですから、毎日こまめに掃除をして、カビの繁殖を防ぎましょう。
調理中の蒸気は換気扇で排出されますが、換気扇も油汚れと水分が豊富でカビの温床になりやすいので、定期的に内部をお掃除してくださいね。
- シンク
- 三角コーナー
- 排水溝
- まな板
- 包丁
食材の汚れが付きやすい場所ですので、この部分は毎日の食事の後片付けのついでにササッと食器用洗剤を付けたスポンジやブラシで擦り、お掃除をしてカビを防ぎましょう。
冷蔵庫の扉のパッキンが黒ずんでいたら、それはカビの可能性が高いです。見つけたらすぐに掃除をしましょう。食品を入れる場所なので、口に入っても安全な重曹を水に溶かしたスプレーを吹きかけ、クロスで擦って汚れを落とすのがおすすめです。
冷蔵庫の中は月に1度、中の物を全て取り出して掃除をし、扉を開けて中をしっかり乾燥させてから、消毒用エタノールをしみこませたクロスで庫内を拭いておくとカビを予防できます。
- 生ゴミは放置せず、ゴミ箱に捨てましょう
- 食材を出しっぱなしにするのはやめましょう
- 消毒用エタノールのスプレーを活用して、日常的に除菌をしましょう
- 冷蔵庫に入れていても、料理したものの長期保存はやめましょう
- 食器棚やシンク下の収納スペースはこまめに空気を入れ替えるか、除湿剤を置いてカビを予防しましょう
洗面所・脱衣所
洗面所の洗面ボウルや鏡の縁は、皮脂汚れや洗顔フォーム、歯磨き粉が飛び散って汚れやすく、カビができやすいです。中性洗剤を付けたスポンジやクロスで擦ってカビを落としましょう。
脱衣所の臭いの原因
脱衣所が何となく臭うのは、カビや雑菌が繁殖している証拠です。洗濯物はカゴに入れたままにしないで、早めに洗濯しましょう。
バスマットは水分量が多く、放っておくとすぐにカビの温床になります。バスマットの下は特にカビができやすいので、こまめに床の掃除(水で薄めた中性洗剤をクロスにつけて拭き掃除)、バスマットの洗濯をしましょう。
季節を問わずカビが発生しやすい場所が洗濯機と洗濯機周り。洗濯機は簡単に分解ができない洗濯槽の裏にカビが繁殖しやすいです。大繁殖してしまうと洗濯物もキレイに仕上がらないので、1週間に1度は重曹を使って洗濯槽を掃除しましょう。
洗濯機に重曹1カップを入れて満水状態で空運転をし、一旦止めて半日程度そのまま時間をおいてから排水すると、洗濯槽の裏についたカビがとれてキレイになりますよ。
また、洗濯槽の裏に隠れた壁にもカビが繁殖しやすいので、ホコリを掃除機で吸い取って掃除をしましょう。
リビング・寝室
リビングのカビ対策としては、掃除をしてカビの栄養源をたつとともに、こまめに換気をして風通しを良くすることがポイントです。カーペットやソファなどを掃除したら、消毒用エタノールか、除菌効果がある住宅用の消臭剤をスプレーしてカビを予防しましょう。
- 畳の裏
- カーペットの裏
- ソファ
- 窓のゴムパッキン
- 押し入れ・クローゼット
この部分のホコリを重点的に取り除き、カビが生えてしまったら水で薄めた中性洗剤をしみこませて固く絞ったクロスでふき取ります。
窓のガラス面のカビは中性洗剤で簡単に落とせますが、ゴムパッキンに生えたカビは頑固です。中性洗剤をしみこませたクロスで拭いてとれない場合にはカビ取り剤を塗ってラップを密着させてから、時間をおいて濡れたクロスでふき取りましょう。
押入れやクローゼットなどの収納棚の中はあまり掃除をする機会がありませんが、最低でも年2回、衣替えの時などに中を空にして、壁などにカビがないか点検をしましょう。カビができていたら中性洗剤を使って取り除きましょう。湿気がこもる場所なので、定期的に扉を開けたままにして通気を良くするといいですね。
熱交換をして空調を整えるエアコンは水分が溜りやすく、ホコリを吸い込みやすいので、パネルの内側や内部のファンにカビができやすいのです。繁殖したカビの胞子がエアコンの風に乗って室内に送られてしまうと、喘息やアレルギーの原因になりかねません。エアコンのフィルターはこまめに掃除をして、ホコリを取り除きましょう。カビを見つけたら水で薄めた中性洗剤をしみこませたクロスで拭いて取り除いてください。
エアコン内部にできたカビは家庭では掃除ができないので、エアコン臭がしてカビが繁殖している可能性がある場合には専門業者のクリーニングをお願いしましょう。
玄関・下駄箱
玄関は北向きに設置されることが多く、湿気が溜まりやすい場所です。外からカビの胞子や菌糸などがダイレクトに侵入してくる場所でもあり、カビが繁殖しやすいので、きちんとカビ対策をたてていきましょう。
玄関に置かれる傘立てが水気が溜りやすいので、天気の良い日には傘立てを空っぽにして、内部を水で薄めた中性洗剤を浸したクロスで拭きとって、内部のカビを取り除きましょう。傘立てには通気性のメッシュの物を選ぶか、濡れた傘はしっかり開いて乾燥せてから収納するように心がけると、カビの繁殖を予防できます。
下駄箱は閉めっ放しで湿気がこもりやすく、靴についた汗や皮脂を栄養にカビが生えやすいので、半年に1度は靴を全部出し、中性洗剤を使い内部にできてしまったカビを拭き取りましょう。
夜寝る前に靴箱の扉を開けて通気性を良くしたり、履いた靴はすぐに下駄箱にしまわず、しっかり乾燥させてから収納するとカビの予防ができます。下駄箱に除湿剤を入れたり、靴に防カビのスプレーをかけておくと安心です。
トイレ
また、トイレマットは湿気を吸いやすく、床との間にカビが繁殖しやすいので、床もしっかりと拭いてカビを取り除きましょう。トイレマットは定期的に交換をして、きれいなものを使うことが大切です。
カビ掃除でやってはいけないお掃除方法は?
カビを完全に予防することはできないので、家の中にカビができていないかを定期的にチェックしながら、確実な方法でカビを取り除いき、いつもキレイで安全な室内で生活ができるといいですね。
- カビを見つけたら、掃除機で吸ってはいけません!
- カビを吸い取ろうと掃除機を使うと、結果的に胞子をまき散らして他の多くの部分にカビを広げてしまいます。
- 色物にカビ取り剤は要注意!
- カビ取り剤はカビを落とすとともに漂白作用も強いので、布もプラスティックも色落ちする可能性があります。
- 雨の日の水拭き掃除は逆効果!
- 雨の日は湿度が高いので、水拭き掃除をするとカビに水分を与えて活性化させてしまいます。
- カビ取り剤と他の洗剤の併用は要注意!
- 次亜塩素酸ナトリウムの含まれたカビ取り剤は、酸性洗剤と一緒に使うと有毒な塩素ガスが発生します。
カビ取り剤の成分をよく確認をして選び、換気をしながら掃除をしましょう。
カビの掃除は換気をしながら行いましょう
家の中に繁殖するカビは、基本的には水で薄めた中性洗剤を使えばスッキリきれいに掃除できます。カビの最大の的は「湿気」。できるだけ換気をしながらカビ掃除を行いましょう。また、掃除後もある程度の時間扉を開いたままにしておくなど、乾かしてから終了するようにしてくださいね。
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