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高圧電力とは? 低圧電力との違いも解説

「高圧電力」や「低圧電力」といった用語を聞いたことはありますか?需要家の施設に供給される電力の電圧の大きさを指す言葉です。

電気は送電する際に、電圧を上げると送電ロスが下がる為、電気を使う量が大きい施設になると、供給電圧も大きくする必要があります。

大量の電気を利用する場合は、送電ロスを減らす為、特別高圧・高圧での供給となりますが、そのままでの利用には適さない為、需要家様自身で利用に適した電圧に変圧する必要があります。使用する電力が少ない場合は、低圧電力での受電となり、送配電事業者にて、利用に適した電圧に降圧した状態で需要家に届けられます。

本記事ではこのうち高圧電力の詳細や、高圧と低圧の違いなどを解説していきます。電圧の違いによって料金の仕組みや設備だけでなく、電気代削減時に注意すべき点も異なるので注意しましょう。

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高圧電力とは?

高圧電力とは、標準電圧が6,000Vの事を指します。契約電力であれば50~2,000kW未満の範囲に於いて適応されます。中小規模の施設(商業施設や工場、病院など)が主な対象になります。

高圧電力を供給する新電力の数は、国内で400社以上。誰もが知る企業系列の新電力や、特定のエリアに特化した新電力など、さまざまな電力会社が存在します。

販売電力量の上位には、株式会社エネットENEOS株式会社、日本テクノ株式会社といった企業が名を連ねています。

高圧電力の販売電力量シェア(2023年6月実績)

新電力  市場シェア(販売電力量)
株式会社エネット 12.1%
日本テクノ株式会社 6.5%
ENEOS株式会社 5.4%
ミツウロコグリーンエネルギー株式会社 5.1%
株式会社関電エネルギーソリューション 4.8%
株式会社U-POWER 3.2%
株式会社CDエナジーダイレクト 3.0%
丸紅新電力株式会社 2.6%
株式会社エナリス・パワー・マーケティング 2.2%
エバーグリーン・マーケティング株式会社 2.0%

出展:経済産業省資源エネルギー庁「電力需要実績」を元にエネチェンジBiz編集(みなし小売電気事業者以外「その他需要(自由料金)」より算出)

業務用電力とは?高圧電力との違い

業務用電力とは、高圧電力に於ける料金プランの一種で、主にオフィスビル、商業施設など幅広く利用されているメニューです。

高圧電力の料金プランには、上記のような施設で利用する物のほかに、主に工場等、大量の電力を利用する「産業用電力」があります。業務用電力については「業務用電力とは?単価や比較方法などを解説」の記事をご覧ください。

 

低圧電力とは?

低圧電力は、標準電圧が200V以下の事を指します。契約電力でいうと50kW未満です。契約区分としては、商店や飲食店、事務所、一般家庭などが対象になります。更に、電気の供給方式に拠って、「電灯」と「動力」に区分されます。

低圧電力の販売量上位は、東京ガス株式会社やSBパワー株式会社、大阪瓦斯株式会社などが占めています。

低圧電力の販売電力量シェア(2023年6月実績)
新電力  市場シェア(販売電力量)
東京ガス株式会社 16.5%
SBパワー株式会社 8.0%
大阪瓦斯株式会社 7.8%
auエネルギー&ライフ株式会社 6.8%
ENEOS株式会社 5.5%
株式会社ハルエネ 4.4%
東邦ガス株式会社 3.0%
NTTアノードエナジー株式会社 2.7%
楽天エナジー株式会社 1.7%
大和ハウス工業株式会社 1.5%

出展:経済産業省資源エネルギー庁「電力需要実績」を元にエネチェンジBiz編集(みなし小売電気事業者以外「その他需要(自由料金)」より算出)

 

高圧電力と低圧電力の違いとは?

高圧電力と低圧電力の違いはいくつかあります。そもそも施設に供給される電圧が異なる、高圧電力では受変電設備の設置が必要になるといった具合です。主な違いを表にまとめました。

高圧電力と低圧電力の違いとは?高圧電力と低圧電力の違いについて、もう少し詳しくみていきましょう。

供給方法が違う

高圧電力と低圧電力では、電力の供給・受電方法が異なります。低圧電力は電柱に設置されている柱上変圧器(トランス)で100Vや200Vに変圧されて届けられます。一方で高圧電力では、高圧電力(6,000V)をそのまま受電し、需要家で保有する受電設備(キュービクル式等)で受電。その後、変圧(100Vや200V)して使用します。

高圧電力では受変電設備が必要

供給方法の違いでご紹介したとおり、高圧電力の施設では受変電設備が必要になります。送電線から送られてきた電力を受変電設備内の変圧器で変圧するのです。受変電設備は高圧電力を契約・受電する需要家で設置・管理しなければなりません。受変電設備の工事・維持・運用については電気事業法により定められており、設置者が自己責任において保安規程を作成すること、電気主任技術者を選任することなどの保安確保が義務付けられています。

電気料金の仕組みが違う

電気料金は基本的に「基本料金」と「従量料金(+燃料費調整単価等)」に大別され、電力会社毎に単価が定められています。

まず低圧電力の基本料金ですが、主に以下があります。

  • 電灯
  • 主開閉器契約:ブレーカーの容量を元に契約電力を設定
  • 負荷設備契約:設備容量の合計を元に契約電力を設定
  • 実量制契約:過去1年間の30分毎の使用電力量の最大値にもとづき、契約電力を設定


どちらの契約種別が適切かは、施設の電気使用状況などによって異なります。詳しくは負荷設備契約と主開閉器契約の違いを解説した記事をご覧ください。

一方で高圧電力の契約電力は、「実量制」と「協議制」の2つに分かれます。

実量制契約は低圧電力と同じく、過去1年間の30分毎の使用電力量の最大値によって決定されます。使用電力量の最大値を更新するタイミングですが、例えば夏季に空調設備をフル稼働させた、工場にある複数の設備を同時に稼働させたなど、瞬間的に使用電力が急激に跳ね上がった時です。

最大値を記録すると契約電力も上がり、結果として毎月の基本料金が上がる仕組みになっています。逆に、通年に渡って瞬間的に使わない場合、基本料金は下がる様になります。

協議制は、電気設備・使用見込み等を鑑みて、1年間に於いて最大出力となる契約電力を小売電気事業者と個別に協議して設定します。

「実量制」と「協議制」については「高圧電力での基本料金の仕組みとは?」の記事をご覧ください。

電気料金の単価が違う

電気料金の単価は、基本料金単価(または最低料金)と電力量料金単価の2種類があります。契約電力の水準(低圧・高圧・特別高圧電力)などによって、単価は変わってきます。東京電力エナジーパートナーを例に見てみましょう。以下の表は、同社による電力量料金単価です。

東京電力エナジーパートナーによる電力量料金単価

 

 

高圧電力と低圧電力の見分け方

どちらの契約なのかわからないときは、キュービクル(受変電設備)のあり・なしで見分けましょう。

  • キュービクルがある
    高圧電力契約をしている
  • キュービクルがない
    低圧電力契約をしている


電気料金の請求書が手元にある場合は、「契約種別」欄を確認してみてください。高圧の記載があれば高圧電力ですが、メニュー名は電力会社でさまざまのため契約種別をみても「高圧」という単語が記載されていないこともあります。その場合は、供給電圧が6kV以上かどうかを確認しましょう。6kV以上であれば高圧電力です。
参考:高圧電力に欠かせないキュービクル(高圧受電設備)とは?役割や耐用年数、保守業務などをわかりやすく紹介!

東京電力エナジーパートナーによる電力量料金単価

 

高圧電力の電気代削減のポイント

ここでは高圧電力の電気代を削減するポイントについて、基本料金と電力量料金の2つに分けて解説します。

基本料金の削減

高圧電力の基本料金は、単価・契約電力・力率によって構成されています。つまり基本料金を安くするには、この3つの項目のいずれかを改善する必要があるのです。

高圧電力の基本料金の内訳-1

まず基本料金単価は、電力会社や契約種別などによって異なります。そのためより適切な電力会社に切り替えることで、電気代を削減できる余地が出てきます。単価そのものを削減できるため、電気使用量にかかわらず電気代削減効果を見込みやすいというメリットもあります。

まだ電力会社を切り替えたことがないという方はもちろんですが、2回目以降でも十分な削減額を達成できる事例も非常に多いです。ぜひエネチェンジBizのサービスを検討ください。

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また契約電力の引き下げは、前述の通りデマンドの削減がポイントになります。デマンドを抑制するには、瞬間的に記録される使用電力の最大値(kW)を抑える必要があります。

そのためには、ピーク時の使用電力を削減するピークカットと、それぞれの機器による使用電力の時間帯をピーク時からずらすことで最大値を抑えるピークシフトの2種類があります。

力率の改善には、有効電力を調整することができる「コンデンサ」の設置が効果的です。力率割引または力率割増しの境界は85%となっているので、コンデンサを活用するなどして毎月の力率を85%以上に維持するようにしましょう。

電力量料金の削減

電力量料金は、電力の使用量に応じて請求される費用です。そのため省エネなどによって、いかに電気そのものの使用量を抑えるかが重要になってくるでしょう。省エネの種類は大きく分けて2つ。電気の消し忘れ防止や設備の運用見直しなどを含む運用改善と、既存設備の修理や省エネ性能の高い設備への買い替えといった設備改善です。

 

高圧電力導入のメリットとデメリット

需要家のなかには、低い電力量単価のなかには、低い電力量単価をねらって、高圧電力導入を検討している方もいるかもしれません。ただ、高圧電力導入については知っておきたいデメリットもあります。ここでは、高圧電力導入のメリットとデメリットをそれぞれに解説します。

メリット

  • 電気代の節約効果
    高圧電力のもっとも大きなメリットは、長期的に見ると費用対効果が高い点です。1kWあたりの料金単価が低いため、高圧電力に切り替えることで電気代の節約が期待できます。高圧電力の導入による意外な節電効果として挙げられるのは、業務で使用する自動車関連の節電効果です。EV車や充電可能なハイブリッド車の普及により、安価な高圧電力の利用が車の維持費節約にも貢献します。

デメリット

  • 初期不良や不具合の発生
    高圧電力を使用するうえで必要となる受変電設備の初期不良や不具合などが、比較的頻繁に発生する可能性があります。特に、海外製の受変電設備は品質管理方式の差異から、導入段階で品質に難が生じることが多く見られるため、設備の選択は慎重に行うことが必要です。

  • 固定費の負担
    高圧電力を利用するためには、受変電設備の維持が必要となり固定費が増加します。法律上で定期的なメンテナンスが義務付けられているため、外注への依頼や部品交換などが高額になりやすいのがデメリットです。

 

高圧電力市場の現状

2000年3月から開始された電力小売自由化により、その先駆けとなった高圧電力市場は、拡大が続いていました。しかし、世界情勢の不安や異常気象、急激な円安などの事情が重なり、エネルギー価格が高騰しています。これにより、大手電力会社には新電力からの切り替えが殺到し、2022年3月には新規受付の一時停止に追い込まれました。こうした背景を受け、多くの需要家が契約できなくなり「電力難民」とも言える状況となりましたが現在は、混乱も沈静化し、電気料金も高止まりながらも安定しつつあります。

高圧電力の新規契約の再開

現在は、燃料価格の安定もあり、各社新規受付が再開し、『完全市場連動型プラン』と『市場連動要素を加味した固定電気料金プラン』の契約が一般的となりました。これまで有効性が高いと考えられていた最終保障供給の市場連動プランと比べても、大きなコスト削減メリットが期待できるため、最終保障供給からの切り替えが進んでいます。

市場連動型プランを企業活動において有利と見る需要家が増加していることから、今後は電力会社としても契約メニューの充実に力を入れることが予測されます。

参考:
法人高圧向け市場連動型プランとは? 従来メニューとの違い、提供中の電力会社一覧、メリットと注意点まとめ
最終保障供給とは? 制度の概要や料金、申し込み方法について解説
法人向けの市場連動型プランとは? 従来メニューとの違い、提供中の電力会社一覧、メリットと注意点まとめ

 

手軽に電気代削減、電力会社選びのポイントは?

こうしたデマンド削減や省エネは、適切に実施すれば高い効果が見込めるものの、場合によっては手間や時間、費用もかかります。一方で電力会社の切り替えは、電気料金プランを変更するだけで電気代を手軽に削減できる、というメリットがあります。

ここでは電力会社を比較・選定するうえで、基本的なポイントをいくつかご紹介します。

まずは契約中の電力会社から、再度見積もりを取ることも重要です。いくつかの電力会社を比較検討した結果、契約中の電力プランの見直しがもっとも安くなったという事例もあります。

また過去に見積もりを取った企業でも、再度検討の余地がある場合があります。当時と比べて自社の電気使用状況、もしくは電力会社のビジネス状況が変化しているため、前回より安い見積もりを引き出せる可能性もあるからです。

更に複数の電力会社を比較検討することも大切です。ただし闇雲に多くの電力会社に声をかけるのではなく、自社でしっかり比較・精査できる範囲で検討するとよいでしょう。こうした電力会社の比較・検討ノウハウをまとめたので、よろしければご覧ください。
参考:法人の電気料金を比較、適切な見直し方法を解説

 

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