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高圧電力での基本料金の仕組みとは?

本記事では「会社の電気代ってどういう仕組みで計算されているんだろう?」という疑問にお答えします。会社の電気代の計算方法といっても種類は様々。契約電力の大きさの違いによっても異なります。

今回は契約電力が比較的大きい高圧電力のケースを解説。なかでも電気代削減にあたり、重要になる基本料金の仕組みや、地域の大手電力(旧一般電気事業者)の高圧電力プランの料金をご紹介します。

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高圧の電気料金と基本料金の計算方法は?

まずは基本料金に関する説明の前に、毎月の電気代の計算方法についてです。

高圧電力での電気代の計算式は、次のようになります。

  • 電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)+燃料費調整額

3高圧電力での基本料金の仕組みとは?※燃料費調整額についてはこちら
※再生可能エネルギー発電促進賦課金についてはこちら

なかでも今回のテーマである基本料金の数値は、利用できる電力の上限である「契約電力」の高さに比例します。その計算方法は、次のようになります。

  • 基本料金=基本料金単価×契約電力×力率割引(1.85-力率/100)
3高圧電力での基本料金の仕組みとは?2

 

高圧電力の基本料金の仕組みを解説!

昨今の世界情勢を受け、エネルギー価格が高騰していることから、高圧電力の基本料金にも影響が及んでいます。2023年初めをピークに落ち着きを見せたものの、中東の不安定な状況もあり、今後も不安定な動きが懸念されるでしょう。高圧電力の基本料金は、一般家庭向けとは異なる仕組みが採用されています。

基本料金のそれぞれの項目について説明します。

基本料金単価

契約電力1kWごとにかかる単価。電力会社の契約メニューによって異なります。

契約種別

高圧電力の契約の種類は、大別すると「特別高圧」「高圧大口」「高圧小口」の3つがあります。

  • 特別高圧
    特別高圧とは、供給電圧は20kV(キロボルト)以上で、契約電力が2,000kW(キロワット)以上の契約です。特別高圧電力が必要な施設は、年間電気代が数億円~数百億円規模の工場や百貨店・総合商業施設、病院、大型オフィスビルなどです。国内では、20kV、30kV、60kV、70kV、140kVの供給電圧が使用されています。
  • 高圧大口
    高圧大口は、2,000kW未満、500kW以上の契約です。供給電圧は6kVで、中規模な工場、オフィスビルやスーパーマーケットなどで使用されます。
  • 高圧小口
    高圧小口は、500kW未満50kW以上の契約です。救急電圧は高圧大口と同じく6kVで、小規模な工場、飲食店、コンビニエンスストア、幼稚園や保育所などで利用されます。

契約電力

電力会社との契約上、使用できる最大電力。算出方法は契約電力の水準によって異なります。

契約電力が500kW未満の「高圧小口」の場合は、直近12か月の最大使用電力量で決まる「実量制」。500kW以上の「高圧大口」「特別高圧電力」では、電力会社との協議で決まる「協議制」になります。

契約電力1

実量制/協議制

契約電力はどのように決まるのか、その定め方として「実量制」と「協議制」の特徴と計算方法を説明します。

実量制

実量制での契約電力を決める「直近12カ月の最大使用電力量」については、少し説明がいるかもしれません。

直近12カ月の使用電力量のうち、もっとも高い月の数値(kW)が契約電力として設定されます。例えば、毎月の使用量が次のような場合、使用量がもっとも多い18年2月の数値が向こう1年にわたって契約電力(410kW)になります。

実量制1

また以下のグラフのように、仮に翌19年2月の最大使用量が360kWになったとします。

するとこの時点から直近12カ月のなかでは、18年12月の使用量が最大使用量になるため、契約電力は370kWに下がることになります。

実量制2

このように毎月の最大使用量は契約電力に大きく影響するため、電気代削減にあたってとても重要な要素なのです。

それでは毎月の最大使用量はどのように決まるのでしょうか?仕組みは次のようになります。

  • その月のなかで、30分ごとの平均使用電力量を計測
  • もっとも使用量の多かった時間帯の数値(最大デマンド値)をその月の最大使用量としてカウント

もう少し具体的な仕組みはこうです。

1日24時間を30分ごとに区切ると、48回の枠があることになります。仮に30日間の月であれば、48回×30日=1,440回の枠が出てきます。

この1,440回の枠のなかで、30分ごとの平均電力使用量がもっとも多かった枠の値が、その月の最大使用電力量になります。

つまり1カ月の最大使用量は、30分ごとの数値同士の比較で決まるのです。

そのため電気代を抑えるためには、30分ごとの平均使用電力量が契約電力を超えないよう抑えることが重要になります。

どれだけ全体の電力使用量を節約しても、30分ごとのピーク値が変わらなければ契約電力は下がらないのです。

協議制

協議制は、契約電力が500kW以上の高圧大口および特別高圧を対象とする契約方式です。

この制度では、1年間のデマンド値が基準として、協議によって契約電力が決定されます。協議制の流れは、実量制と同様に12カ月のデマンド値を算出したあと、「使用する設備の負荷」「受電設備の内容」「同一業種の負荷率」などが考慮され、詳細が定められます。


基本的な決め方は実量制と類似していますが、高圧大口以上の需要家は配電用変電所を通さない電力網から直接電力供給を受ける仕組みです。そのため、停電や事故時の影響が大きい可能性があります。協議制度では、法人ごとの状況が検討されたうえで協議が行われ、最終的な電力契約が決定されます。

力率

力率はあまり聞きなれない用語かもしれません。力率とは、電源から利用者に届けられた電力のうち、実際に消費された電力(有効電力)の割合を指します。

ということは、利用者に届けられたのに消費されなかった電力もあることになります。「無効電力」と呼ばれるこうした電力は、消費されることなく電源と設備の間を行ったり来たりしています。

電力会社からすると、実際に消費される有効電力の割合(力率)が高いほうが望ましいことになります。

電源から送り出したにもかかわらず、消費されなかった電力(無効電力)には請求できないからです。

そのため有効電力の割合である力率が一定以上の利用者には、「力率割引」という形で基本料金を割り引く仕組みがとられています。

反対に、力率が一定水準以下の利用者には、「力率割増し」として基本料金を割り増しにしています。

割引と割増しの境目になる力率割引の標準は0.85。力率は毎月の電気代の明細書に記載されているので、ぜひ一度ご確認ください。

仮に力率の改善が必要になった場合は、有効電力を調整できる「コンデンサ」を設置するといったやり方があります。

具体的な改善方法については、定期的に点検に訪れる電気主任技術者が作成している、点検報告書が役に立ちます。必要な際は電気主任技術者に相談してみましょう。

 

高圧電力の基本料金をふまえた電気代削減のコツ

高圧電力の基本料金に含まれる、「基本料金単価」「契約電力」「力率」の3要素について説明をしてきました。

高圧電力の法人の場合、力率が85%を下回るケースは多くないでしょう。ただ自社に適したプランによって「基本料金単価」が最適化されているか、ピークシフト・ピークカットによって契約電力を抑えることができているか、といった点では改善の余地が大きい企業がまだまだ多いかもしれません。また大前提として、デマンド監視装置・コントローラーの導入など消費電力を見える化させる取り組みも必要でしょう。

エネチェンジBizでは、貴社のニーズに合った最適な電力会社のご紹介が可能です。自社の需要に合った契約を選択するための、電力会社の見直しをご検討の方は「法人の電気料金を比較、適切な見直し方法を解説」をご覧ください。

次の表を参考に、自社の基本料金を下げる余地がありそうか検討してみてください。

高圧電力の基本料金をふまえた電気代削減のコツ

 

 

旧一般電気事業者の高圧電力の基本料金は?

ここでは、旧一般電気事業者の高圧電力の料金についてご紹介します。

北海道電力「高圧電力」

区分 単位  北海道電力「高圧電力」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 2,734円60銭
電力量料金 一般料金 1kWh 31円46銭
時間帯別料金 昼間時間
(午前8時~午後10時)
32円92銭
夜間時間
(昼間時間以外の時間)
29円68銭

北海道電力の「高圧電力」は、工場向けの基本的なプランです。日中の電気使用量が多い場合と、夜間(休日)の電気使用量が多い場合で、一般料金と時間帯別料金のいずれかを選択可能です。

東北電力「高圧電力S」

区分 単位 東北電力「高圧電力S」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,690円70銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 32円53銭
その他季
(夏季以外の期間)
31円39銭

東北電力の「高圧電力S」は、契約電力が50kW以上500kW未満の工場向けプランです。

東京電力エナジーパートナー「高圧電力A」

区分 単位  東京電力EP「高圧電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,390円87銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 23円67銭
その他季
(夏季以外の期間)
22円54銭

東京電力エナジーパートナーの「高圧電力A」は、契約電力500kW未満の工場向けプランです。

中部電力ミライズ「高圧プラン(高圧電力第2種)」

区分 単位  中部電力ミライズ「高圧プランL」料金(消費税率10%)  中部電力ミライズ「高圧プランH」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,352円74銭 1,738円26銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 21円68銭 19円75銭
その他季
(夏季以外の期間)
20円48銭 18円75銭

中部電力ミライズの「高圧プラン(高圧電力第2種)」は、工場向けのプランです。電気利用率に応じて、基本料金が安く電力量料金が高めに設定された「プランL」と、基本料金が高く電力量料金が安く設定された「プランH」を選択可能です。

北陸電力「高圧電力A」

区分 単位  北陸電力「高圧電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,876円00銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 27円53銭
その他季
(夏季以外の期間)
27円53銭

北陸電力の「高圧電力A」は、契約電力500kW未満の工場向けプランです。

関西電力「高圧電力BS」

区分 単位  関西電力「高圧電力BS」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 2,043円80銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 12円78銭
その他季
(夏季以外の期間)
11円83銭

関西電力の「高圧電力BS」は、契約電力500kW未満の工場向けプランです。

中国電力「高圧電力A」

区分 単位  中国電力「高圧電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,507円00銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 31円89銭
その他季
(夏季以外の期間)
30円40銭

中国電力の「高圧電力A」は、契約電力が50kW以上500kW未満の工場向けプランです。

四国電力「高圧電力A」

区分 単位  四国電力「高圧電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,412円61銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 29円83銭
その他季
(夏季以外の期間)
28円54銭

四国電力の「高圧電力A」は、契約電力500kW未満の工場向けプランです。

九州電力「産業用電力A」

区分 単位  九州電力「産業用電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 2,142円78銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 12円89銭
その他季
(夏季以外の期間)
12円00銭

上記は標準電圧6,000Vでの料金となります。

九州電力「産業用電力A」は、工場向けのプランです。

沖縄電力「高圧電力A」

区分 単位  沖縄電力「高圧電力A」料金(消費税率10%)
基本料金 1kW 1,838円10銭
電力量料金 夏季
(7月1日~9月30日)
1kWh 30円81銭
その他季
(夏季以外の期間)
29円49銭

沖縄電力の「高圧電力A」は、契約電力500kW未満の工場向けプランです。

 

もっと手軽なコストダウン方法があります!

基本料金のなかで、電気代削減へのインパクトがもっとも大きな項目は、契約電力の引き下げでしょう。
30分ごとの平均使用量が跳ね上がっている時間帯が一部あることで、割高な電気代を払うことになっている企業は少なくないはずです。

ただ契約電力を引き下げるレベルでの節電は、労働環境などへの負荷が大きくなる可能性もあります。例えば夏場の空調利用を控えることで、従業員の生産性が下がってしまうといった具合です。そういったデメリットを避け、電気代の水準そのものをかんたんに下げる方法があります。

それは電力会社を見直すことによって、単価の安い電力会社へ切り替えるという方法です。法人が選べる電力会社はいまや600社以上もあります。そんなにたくさんの電力会社から自社にぴったりな電力会社を選ぶのは難しそうですよね。

エネチェンジBizはそんなお客様のお悩みにお応えし、お客様にぴったりな電力会社をご紹介いたします!もちろん無料でご利用いただけるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

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