託送料金とは 値上げすると電気料金にも影響する?
本記事では、託送料金についてわかりやすく解説します。ニュースなどを見て、「託送料金とは何?」と気になった方はチェックしてみてくださいね。
- 更新日
- 2023年3月2日
電気料金の費用について
私たちが毎日利用している電気は、さまざまな費用をかけて供給されています。一般的な電気料金の費用内訳は、「事業者の裁量で算定される費目」と「法令等により算定される費目」があり、後者に託送料金が含まれています。
託送料金とは
託送料金がどのような費用なのか、詳しく解説していきます。
託送料金は「送配電網の利用料」
そもそも電力に携わる事業者は、「発電事業者」「送配電事業者」「小売電気事業者」に分けられています。託送料金は、小売電気事業者が送配電事業者に支払う“送配電網の利用料”のことで、一般家庭の電気料金にかかっている費用のうち、30〜40%程度を占めています。送配電事業者が得た収入は、送配電網の管理や設備投資などの活動に利用されます。
また、送配電事業者のうち、経済産業大臣の認可を得ている事業者を「一般送配電事業者」と呼びます。
- 北海道電力ネットワーク
- 東北電力ネットワーク
- 東京電力パワーグリッド
- 中部電力パワーグリッド
- 北陸電力送配電
- 関西電力送配電
- 中国電力ネットワーク
- 四国電力送配電
- 九州電力送配電
- 沖縄電力
レベニューキャップ制度について
2023年4月より、「レベニューキャップ制度」という新しい託送料金制度が導入されます。制度の主な目的は、安定供給や、再生可能エネルギー導入拡大、デジタル化などに対する投資を十分行える収入の確保と、コスト効率化の両立です。
5年に1度、一般送配電事業者が事業計画を策定し、それを前提に収入上限(レベニューキャップ)を見直し、経済産業大臣に承認申請を行います。承認されれば、収入上限内で託送料金も見直しができます。
前述の通り、託送料金は電気料金の費用の30〜40%程度を占めているため、値上げされれば月々の電気代にも影響を及ぼす可能性が……。
【2023年4月1日】託送料金の値上げが決定
レベニューキャップ制度に基づき、2023年4月1日から託送料金が値上げします。値上げの理由としては、再生可能エネルギーで発電された電気を送るための設備の新設、老朽化している送電線の更新などのため、収入を増加させる必要があるとしています。
2023年2月時点では、次の旧一般電気事業者が託送料金の値上げに伴う料金改定の発表をしています。
- 東京電力エナジーパートナー
- 中部電力ミライズ
- 北陸電力
- 関西電力
- 中国電力
- 九州電力
影響額は電力会社・プランによって異なります。例えば、東京電力エナジーパートナーの場合は、一般家庭の平均モデルで36円の値上げとのこと。
平均モデル=「従量電灯B」(30A)を契約し、月の使用電力量が260kWh。
各エリアの託送料金相当額
託送料金は、「託送料金相当額」として算出され、電気料金に含められて請求されます。
- 託送料金相当額=託送料金平均単価(円)×使用電力量(kWh)
また託送料金平均単価は、エリアによって異なります。
エリア | 託送料金平均単価 |
---|---|
北海道電力エリア | 9円63銭 |
東北電力エリア | 10円75銭 |
東京電力エリア | 9円46銭 |
中部電力エリア | 9円88銭 |
北陸電力エリア | 8円58銭 |
関西電力エリア | 8円65銭 |
中国電力エリア | 9円11銭 |
四国電力エリア | 9円67銭 |
九州電力エリア | 9円19銭 |
沖縄電力エリア | 10円92銭 |
託送料金は電気代にも影響する費用
託送料金は、電気料金の費用のひとつであり、金額が変更されれば電気代の増減につながることもわかりましたね。
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