エアコンの冷房と除湿、どちらが電気代がかかる?どちらが得か徹底比較
この記事の目次
エアコンは冷房運転よりも除湿(ドライ)運転のほうが電気代が高くなると聞いたことのある方もいるでしょう。実際はどうなのでしょうか?
エアコンの冷房と除湿の違い、それぞれにかかる電気代の違いについて解説します。
- 更新日
- 2024年4月23日
エアコンの「除湿(ドライ)」と「冷房」の電気代はどっちが安い?
結論から言うと、「除湿のほうが安い場合もあるし、高い場合もある」ということになります。その理由は、冷房や除湿のしくみの違いにあります。くわしく解説していきましょう。
エアコンの「冷房」と「除湿(ドライ)」の違い
エアコンについている「冷房」と「除湿」は、どちらも夏場の室内を快適にしてくれる機能です。しかし、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
「冷房」は温度を下げる機能
冷房は部屋の温度を下げることを目的とした機能です。室内機と室外機をつなぐ配管の中を循環する冷媒が熱交換器をとおして室内の熱を奪い、冷えた空気を室内に戻すことで室温を下げます。
空気が冷やされる際には、温度の急激な低下によって飽和した水蒸気が結露水となります。そして、この結露水がドレンホースをとおって室外へ排出されるしくみです。室内の空気中の水分(湿気)を排出することになるため、実は冷房も除湿を兼ねていることになります。
「除湿」は湿度を下げる機能
いっぽうの除湿は、湿度を下げることを目的とした機能です。一般的な除湿は「弱冷房除湿」と呼ばれ、冷房と同様のしくみで室内の湿度を下げていきます。
ただし、冷房が素早く室温を下げることを目的としているのに対し、除湿は湿度を下げることをいちばんの目的としているため、急激に部屋を冷やさないよう「弱冷房」で運転して湿度を下げます。
ただエアコンの上位機種には、気温を下げずに湿度だけを下げるための「再熱除湿」というドライ機能がついているものもあります。
平均42,661円/年の節約!
最安の電気料金プランを診断(無料)エアコンの「除湿(ドライ)」には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類がある!
除湿は室内の湿度を下げることをいちばんの目的にした機能なので、本来であれば温度は下げずに、湿度だけを下げられればいちばん目的にかなっていることになります。そこでエアコンの中でもおもに上位機種に搭載されているのが、「再熱除湿」という除湿機能です。
もうひとつの除湿機能「再熱除湿」とは?
弱冷房除湿は部屋を冷やしながら除湿しますが、再熱除湿は冷やした空気をエアコン内部であたためなおしてから送風します。そのため、部屋を冷やさずに室温を保ったまま除湿することができます。
梅雨の時期など湿気が多くまだ肌寒さが残る日は、再熱除湿を行うことで快適な室温のまま除湿ができるでしょう。また、再熱除湿は弱冷房除湿に比べて除湿量が大きい点もメリットです。
いっぽうで、冷やした空気をあたためなおす必要があるため、より多くの電力を消費する点はデメリットといえます。
エアコンの「冷房」「弱冷房除湿」「再熱除湿」の電気代と使い分け
ズバリ、電気代が安いほうから、
- 弱冷房除湿
- 冷房
- 再熱除湿
という順番になります。
ただし、弱冷房除湿は電気代が安いというメリットがある半面、部屋の温度を下げてしまうほか除湿量が少ないというデメリットがあります。いっぽうの再熱除湿は電気代は高くなりますが、肌寒い梅雨の時期に適しているほか湿度を下げたいけれど冷え性で就寝時に室温を下げたくない場合などに重宝するでしょう。
逆に真夏に再熱除湿を使用すると、室温が下がらないばかりか電気代も高くついてしまうことになるので注意が必要です。
弱冷房除湿を利用するのに最適なシチュエーション
弱冷房除湿は、部屋の湿度も気温も下げたいときに使いましょう。梅雨など湿度が高い時期の、気温が高めの日などに役立ちます。
冷房を利用するのに最適なシチュエーションと時期
真夏など気温が高い時期は、部屋の温度を下げることを最優先し、冷房を使いましょう。
再熱除湿を利用するのに最適なシチュエーションと時期
再熱除湿は、部屋の湿度だけを下げたいときに使いましょう。梅雨など湿度が高い時期の、気温が低めの日などに役立ちます。
電気代が気になるなら「電力会社」の見直しがおすすめ!
エアコンの電気代が気になっているようなら、電力会社・プランの切り替えもおすすめです。ご家庭の生活スタイルに見合った電気料金プランを選ぶだけで、電気代を今よりも安くすることが可能です。
電気料金プランといっても、基本料金が0円のプランや、夜間や週末の電気代が安くなるプランなど、さまざまなプランがあります。「エネチェンジ電力比較」では、ご家庭の電気の使い方に見合った電気料金プランを比較でき、電気代がいちばん安くなる電力会社のプランをかんたんに見つけることができます。切り替えた場合の節約額もすぐにわかります。
平均42,661円/年の節約!
最安の電気料金プランを診断(無料)
エアコン(冷房)の具体的な電気代についてはこちらの記事をご覧ください!
冷房と除湿の使い分けと節電方法についてはこちら!
我が家のエアコンはどっち?「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の見分け方
エアコンのメーカーによって、再熱除湿を搭載しているモデルとそうでないモデルがあります。
2024年の最新モデルでは、富士通とコロナのエアコンのみ、再熱除湿と弱冷房除湿の両方を搭載。リモコンで切り替えることができます。
以下に、2024年モデルエアコンの除湿方式をまとめました。
メーカー | シリーズ | 除湿方式 |
---|---|---|
富士通 | Xシリーズ/Zシリーズ/ZNシリーズ | 再熱除湿 弱冷房除湿 切り替え可能 |
Wシリーズ/Vシリーズ/Dシリーズ/DNシリーズ/Cシリーズ | 弱冷房除湿 | |
日立 | Xシリーズ/Wシリーズ | 再熱除湿 |
Gシリーズ/Dシリーズ | 弱冷房除湿 | |
三菱電機 | Zシリーズ/Xシリーズ/ZDシリーズ | 再熱除湿 |
FZシリーズ/Rシリーズ/Sシリーズ/GEシリーズ/FDシリーズ/XDシリーズ | 弱冷房除湿 | |
コロナ | Wシリーズ/WKシリーズ | 再熱除湿 弱冷房除湿 切り替え可能 |
Zシリーズ/Nシリーズ/冷房専用シリーズ | 弱冷房除湿 | |
東芝 | N-DZシリーズ/N-DXシリーズ/N-Xシリーズ/N-Mシリーズ | 弱冷房除湿 |
シャープ | Xシリーズ/Vシリーズ/Eシリーズ/DGシリーズ | 弱冷房除湿 |
パナソニック | LXシリーズ/Xシリーズ/EXシリーズ/GXシリーズ/Jシリーズ | 弱冷房除湿 |
ダイキン | Rシリーズ/Aシリーズ/Cシリーズ/Eシリーズ/Dシリーズ/Hシリーズ | 弱冷房除湿 |
現在使っているエアコンの除湿方式が知りたい方は、ホームページや取扱説明書を確認してください。わからない場合は、メーカーに問い合わせてみましょう。
エアコンの「冷房」や「除湿(ドライ)」は気温や湿度に合わせて使い分けましょう
エアコンの冷房と除湿(ドライ)の電気代やそれぞれの違いについて解説しました。
エアコンの除湿機能には2つの種類があるため、冷房と比べてどちらの電気代が安いかは一概には言えません。まずは自宅で使用しているエアコンの除湿機能が「弱冷房除湿」か「再熱除湿」かを確認したうえで、気温や湿度にあわせて各機能を使いわけていきましょう。
電力会社を見直して夏の電気代を節約しよう!
暑い夏を乗り切るためにエアコンは欠かせない存在ですが、それだけに電気代はどうしてもかさんでしまいがち。そこでおすすめなのが電力会社の見直しです。
電気・ガス比較サイト「エネチェンジ」なら、郵便番号などを入力するだけで、電気料金プランの見直しやプランの比較が簡単にできます。ぜひご利用ください。
平均42,661円/年の節約!
最安の電気料金プランを診断(無料)この記事を書いた人