au・ドコモ・ソフトバンク、通信3キャリアの電力事業、動向まとめ
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KDDIは10月20日、「auでんき」のブランドで電力事業に参入するために、経済産業省へ小売電気事業者としての登録を申請したことを発表しました。これでau、NTTドコモ、ソフトバンクの通信3キャリアそれぞれの電力事業への関わり方が公式に明らかになってきたので、おさらいしてみましょう。
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auユーザを対象にした「auでんき」で既存顧客との関係を強める狙い
KDDIの発表によれば、「auでんき」のブランドは6月末時点で約4,400万人のauユーザーにむけたサービスとなる予定です。特徴としては、電気料金と通信料金とのセット割引や、スマートフォンを活用した便利でおトクなサービスの提供などを予定しているとされています。auショップやサポートセンターなど、携帯電話向けのサポートインフラを活かしたサービス展開が可能なため、ユーザーにとって手厚いサポートを受けられるサービスになるのではないでしょうか。
なお、サービスの提供エリアは沖縄県と離島を除く全国とされています。沖縄県や離島が除外される大きな理由は、電気を送り届ける送電業務に支払わなければならない「託送料金」が割高になるためと見られます。
6月には関西電力との提携の噂が
KDDIの電力小売参入については6月には関西電力との提携を日経新聞などで報じられましたが、その後具体的な方針については明らかになっていませんでした。今回の「auでんき」発表でも、電力の調達先については「一般電気事業者や様々な事業者と連携の実現に向けて準備を進める」とされているだけで、約4,400万人のauユーザーに電気を販売するための具体的な方策はまだ見えてきていません。
6月に報じられた関西電力との提携は以下の記事で紹介しています
マンションへの一括電力販売はすでに開始
このように「auでんき」サービスの具体像はまだ見えていない状況ですが、実はKDDIは「auエナジーサプライ」の名称ですでに電力事業を提供しています。
これは「マンション一括受電」と呼ばれるサービスで、2014年の9月から行われています。マンション全体の電気の契約を1つのビルとして取りまとめて契約することで、電力自由化が先行している「高圧電力」の扱いとなり、2016年の春を待たずに電力会社を変更できるというものです。
個々の家庭との直接の契約ではないものの、こうした取り組みの実績を経て、今回の「auでんき」ブランドでの家庭向け電力小売参入に至っている点は注目すべきだと思われます。
auに対抗する、ソフトバンク・ドコモの動向
それでは、KDDIのauブランドに対抗するソフトバンクやドコモは、電力自由化にどういった動きを見せているのでしょうか?
東京電力(東京電力エナジーパートナー)と提携するソフトバンク
先日発表が行われたように、東京電力とソフトバンクは業務提携に向けた基本合意を締結しています。具体的なサービスの内容については明らかになっていませんが、両者のサービスを組みあせた共同商品の販売などが主となる見込みです。
「auでんき」との現時点での大きな違いとしては、「auでんき」ではKDDI自身が小売電気事業者の申請を発表している一方で、ソフトバンクはまだ小売電気事業者としての申請を発表していないことです。この登録をしない場合、ソフトバンクは東京電力の代理店として電力を自社商品にセットして販売することはできますが、東京電力以外から安い電気を調達して、電気料金プランを自由に設定するなどは難しくなります。
ソフトバンクと東京電力の提携について、詳しくは以下の記事でご説明しています。
ポイント以外で動きを見せないNTTドコモ
NTTドコモは、他2社に比べると現時点では1歩引いた位置となっています。
NTTドコモは東京電力、中部電力とポイントサービスについて提携することは発表しているものの、電力の販売自体に関わるのかどうかすら明らかにしていません。
一方で、NTTドコモの加藤薫社長今年の2月には日刊工業新聞のインタビューに応えて「光ファイバーのように電力会社から電気を仕入れて自社サービスとして提供するかなどを検討する」としているなど、電力販売に関わる意欲は示しています。
auでんきを含む3キャリアの動向から、電力会社・プラン選びの難しさが見えてきた
いずれにせよ、携帯電話最大手のNTTドコモがどういった体制で電力自由化に挑むのかは、au、ソフトバンクの電力事業サービスの方針にも大きな影響を与えると考えられます。
このようにお互いの会社が様子見となってしまう状況だと、電力自由化のタイミングで一斉にたくさんの電気料金プランが発表されて、比較するのも大変、といった事態も考えられます。
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電力小売り自由化後に電力会社やプランを選ぶには?
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