エアコンの無料回収はハイリスク!?こんな業者には要注意!
この記事の目次
壊れたエアコンの処分をするときに、
- できるだけ処分費用を抑えたい
- エアコンをどうやって取り外したらいいのかわからない
- 運ぶのが大変だから、自宅まで取りに来てもらいたい
と考えてしまうのは、当然のことです。
そんな時に不用品回収業者が自宅にやってきて、「無料で回収します!」と言われると心が動いてしまいますが、それって問題はないのでしょうか?今回はエアコンの「無料回収」のリスクと違法な回収業者の見分け方についてご説明します。
エアコンは法律に従って廃棄処分をしましょう
エアコンを廃棄処分する基本ルールは3つ!
家電製品は、多くの金属やプラスチィックなどの限りある資源から作られています。そんな家電製品を、壊れて不要になったからといって埋め立ててしまってはもったいない!と施行されたのが特定家庭用機器再商品化法、いわゆる家電リサイクル法で、エアコンはテレビや冷蔵庫、洗濯機などと一緒に家電4品目として、廃棄する方法が次の通り厳しく決められています。
- 家電販売店に引き取ってもらう
- 自治体で運営する指定引取所に直接持ち込む
- 自治体に問い合わせる
エアコンを不用品回収業者に渡してもいいの?
全国には様々な不用品回収業者があり、引越しででた大量の不用品、遺産相続ででた大量の家財道具の解体などの処分を請け負ってくれます。要は、有料で粗大ごみの分別とゴミ出しを手伝ってくれるわけですね。
エアコンは自治体のゴミ処理場には持ち込めないので、もちろん不用品回収業者も家電リサイクル法のルールに従ってエアコンを廃棄処分しなくてはいけません。
エアコンの回収に関しては、次の条件に当てはまっていることが大前提です。
- 「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持っている
- 自治体から廃棄物処理の指導を受けている
- 家電製品や電気工事に関して基礎的な知識がある
不用品回収業者はエアコンのリサイクル処理ができる?
一言にリサイクルといっても、エアコンのリサイクルには次の技術が必要です。
- 材料を種類ごとに分別する技術
- 使用されている材料の種類を特定する技術
- 分別された材料を新製品の材料として再生する技術
- 冷媒や断熱材のフロンを回収する技術
エアコンをリサイクル処理できるのは、全国に数か所設置されている家電リサイクルプラントだけです。
「無料回収」業者への処分依頼はリスクが伴います
廃棄するエアコンからは銅や白金などの金属やプラスチックなどの非金属のほか、
- ネオジウム磁石などのレアアース類
- クロムやニッケルなどのレアメタル類
などの希少金属を回収することが可能で、時価による変動はありますが1台4,000~5,000円の価値があるとわれています。
そのため「無料で回収します」と宣伝をしてエアコンを回収する業者もあるのですが、なかには違法な不用品回収業者もいて、技術が無いために適切にエアコンをリサイクル処理できず、環境破壊などの社会問題を引き起こしているケースもありますし、業者との金銭トラブルなども多く発生しています。
- 不法投棄
- エアコンから資源取りした後の粗大ゴミを、空き地や山林に勝手に放置している
- 環境汚染
- 適切にリサイクル処理を行わず、フロンガスや鉛などの有害物質を放置している
- 火災・山火事
- 適切にリサイクル処理を行わず電池から発火させ、プラスチック素材や山林に延焼させる火災を起こしている
- 引取り料の高額請求
- トラックに荷物を積み込んだ後になって、高額な引取り料を請求するなどの消費者トラブルを起こしている
- 押し買い
- 威圧的な態度で、回収の必要のない家電製品などを強引に回収してしまう
違法な回収業者を見分けるチェックポイント
不要なエアコンの処分に困っていると、「無料で家電製品を回収します」という不用品回収業者のお誘いはとても魅力的に感じます。
ですが、「タダより高いものはない!」という言葉もまた真実です。「無料」という言葉に安易に騙されずに、環境も自分の身も守りましょう。
ポイント1 「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けていない
回収業者のなかには「産業廃棄物収集運搬業」の許可や、「古物商」許可を受けていると宣伝しているケースもありますが、これらの許可では家庭から処分するエアコンの回収はできません。
ポイント2 事務所の所在地等の情報が明らかではない
会社情報がわかっていないと、後々トラブルになる可能性が高いので気を付けましょう。
ポイント3 料金システムがあきらかではない
料金システムを事前に書面で渡してくれる業者であれば、より安心です。
ポイント4 家電リサイクル券を求めない
不要になったエアコンの廃棄処分を回収業者に依頼する場合には、料金郵便局振込方式で事前に郵便局でリサイクル料を支払い、リサイクル券ごとエアコンを引き渡すのがルールです。家電リサイクル法に関する知識を持っていない業者は違法業者の可能性が高いので、気を付けましょう。
料金郵便局振込方式でリサイクル料を支払う方法については、以下の記事で詳しくご説明しています。
ポイント5 書面の交付をしない
不用品回収も契約に基づく商取引ですから、契約書や領収書の交付をしなくてはいけません。契約書や領収書を交付しない業者には、疑ってかかりましょう。
エアコンを家電リサイクル法に基づいた回収であれば、回収業者は家電リサイクル券の控えを渡してくれるはずです。
渡さないということは、家電リサイクル法に乗っ取った処分をしないということです。家電リサイクル券の控えは、自宅で大切に保管をしましょう。
エアコンは家電リサイクル法に従って廃棄しましょう
エアコンの無料回収のリスク、おわかりいただけましたでしょうか?「買い替えではなく不要なエアコンを処分したいが、引き取り先の家電販売店が見つからない……」そんな場合は住んでいる自治体の廃棄物対策の窓口に電話で処分方法を聞いてみましょう。
- 住んでいる市町村に指定引取所がない
- 近隣自治体の指定引取所までが遠い
- 高齢で自分で指定引取所にエアコンを持ち込むことが難しい
こんな場合には、「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けて自治体の委託でエアコンの回収をしてくれる業者を紹介してもらえます。環境を守るためにも安易に近所に回ってくる「無料」回収業者を利用しないで、エアコンは決められたルールで廃棄をしましょう。