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できない理由より解決のためのアクションを 電気の経過措置料金廃止先送りへの意見【コラム】

電力自由化ニュース

2019年4月、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会による専門会合は2020年4月以降も規制料金の経過措置について継続を決め、意見をとりまとめました。原則撤廃とされていた規制料金が継続するワケとは。ENECHANGE社の代表取締役社長・有田一平が経過措置料金の撤廃と電力自由化のさらなる促進について考えました。

ENECHANGE株式会社代表取締役社長の有田一平です。私が社長を務めるENECHANGEでは「エネルギーの未来をつくる」をミッションに、Deregulation(自由化)、Digitalisation(デジタル化)、Decentralisation(分散化)、Decarbonisation(脱炭素化)を「エネルギーの4D」呼び、技術革新による変革を推進しています。

エネルギーの4Dの1つである「自由化」における大きなトピックとして挙げられる低圧電力(家庭向け)の経過措置料金廃止と発送電分離。経過措置料金の廃止は2020年に計画されていましたが、4月に経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会の経過措置料金に関する専門会合による「とりまとめ」が公表され、見送られる見込みとなりました。このとりまとめの論点を確認し、電力自由化のさらなる促進への考えをまとめてみました。

ENECHAGE株式会社代表取締役社長・有田一平

電気の経過措置料金の終了は「先送り」という結論

2016年4月の電力小売自由化以前は、各地域ごとに選べる電力会社が1社のみの状況でした。その独占的地位により電力会社が不当な料金設定をすることを防ぐため、電気料金は原価に一定の利益を乗せる「総括原価方式」と定められ、料金の変更には国の認可を必要としていました。

電力小売り自由化以降は各電力会社が自由に料金を設定できるようになりましたが、「規制なき独占」状態とならないよう十分な競争環境が整うまでの間は規制料金を残す経過措置がとられています。これが経過措置料金と呼ばれています。原則は2020年3月末で廃止される予定となっていた経過措置ですが、今回「先送り」という結論が出されました。

電気の経過措置料金に関する専門会合の論点

経過措置撤廃の是非の論点となったのは、1)消費者の状況2)十分な競争圧力の存在3)競争の持続的確保の3点です。

経過措置撤廃の是非についての論点
  1. 消費者の状況:自由化に対する認知が十分にあるか
  2. 十分な競争圧力の存在:値上げなどで消費者の利益を阻害することが抑制される状況か
  3. 競争の持続的確保:適正な競争環境が長期的に継続するか

それぞれへの結論は、1)の消費者の自由化の認知に関しては高い水準にあり充足されていますが、2)の競争圧力については東京と関西で各1社のみ5%以上のシェアを持つ競争者がいるものの、十分とは認められないとされました。
また、3)の競争の持続的確保については旧一般電気事業者の発電部門から小売部門への電源調達に係る内部補助などの不公平性が懸念として挙げられました。

何をすべきか、よりもなぜできないかの議論になった専門会合

先に挙げた3つの論点について議論が行われた結果として見送られた経過措置の廃止ですが、私は2020年3月での解除が原則であり、解除を見送る必要性が特に高いと認められる場合においてのみ存続させるべきであったという認識でいます。

本来であれば解除を前提として消費者の不利益にならないためにはどうしたら良いかを議論すべきで、解除できない理由の議論となってしまっているのは、あるべき形ではないと考えています。

国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子氏が4月23日に開かれた第9回の専門会合で提出した意見書に「会合の中で、『今解除できる状況には明らかになく、解除するというのであればその理由を明確にする必要がある』とのご発言がありましたが、それは法の立て付けからして逆だと理解しております。原則は解除であるならば、明確にすべきは、解除しない「必要性が特に高い」理由について(「必要性がある」でも「必要性が高いでもなく)電力ガス取引監視等委員会の説明責任があるはずです。」とありますが、私自身も非常に近い意見を持っています。

競争環境はすでに十分、経過措置終了の判断基準への見解

公表された電気の経過措置料金に関する専門会合のとりまとめによると、十分な競争圧力の存在についての評価では「エリアの市場シェアが5%程度以上の小売電気事業者が複数存在すること」が経過措置終了へのひとつの大きな基準となっていることがわかります。

この基準は競合が1社のみだと「協調行動」が生じるリスクが高くなるという判断のようで、今後の年に1度の見直しのタイミングで、この基準を満たしているかが注目されるポイントとなるでしょう。しかし、500社以上が小売事業者登録をし、切り替え率も20%を超えている今、すでに十分な価格競争が生じているというのが私の見解です。また、「協調行動」自体を監視する形での対応も可能なのではないでしょうか。数百社でシェアを争っている現在のマーケット状況を考慮すると、この基準を満たすためには少なくとも数年は必要となると考えられるため、この基準にこだわると数年は後回しになる可能性が高そうです。

競争の持続性という観点では、安価なベースロード電源の大部分を旧一般電気事業者が保有する状況においての新電力の電気の調達に係る公平性が懸念されています。

電源調達における公平性は競争の持続性において極めて重要です。もちろん公平性は担保されるべきものですが、ベースロード市場の新設が予定され、電力・ガス取引監視等委員会や公正取引委員会も内部補助に関して監視を強めています。そのような状況において、経過措置の廃止を先送りにして規制料金を残すというまでの判断をすべきかという点には疑問を持っています。


出典:競争的な電力市場のために 公正取引委員会

そのほか、小売市場における競争を活性化する観点として消費者がスイッチング先を円滑に選択できるための環境整備にも触れられていました。その例としてエネチェンジのような電力比較サイトの充実なども挙がっています。

経過措置料金に関する専門会合で発表したENECHANGEの意見

全部で9回行われた電気の経過措置料金に関する専門会合ですが、私も2019年1月25日に開かれた第5回の専門会合に出席し、電力比較サイト「エネチェンジ」を運営する立場として経過措置料金廃止に関する我々の意見を発表しました。

専門会合で私が主張したのは、「消費者への十分な事前通知を行った上で経過措置を適切に廃止させれば、自由化をさらに促進させる機会になり、市場活性化と消費者の利益につながる」ということ。


出典:電気の経過措置料金に関する専門会合(第5回)電力比較サイトの現状と経過措置料金解除に向けた取り組みについて

消費者にフェアな選択の機会を提供することは消費者の利益につながります。また、電力事業を自由化することで競争を促し電気料金を抑制するという自由化の意義を損なわないためにも経過措置を速やかに終了すべきと考え、話をしました。

経過措置の終了にあたってはWEBで情報収集と手続きが行えるという点からもエネチェンジをはじめとする電力比較サイトは消費者にとって重要な情報源の一つとなっていることも説明、行政や団体と協力できることがあれば、積極的に協力していきたいという考えを伝えました。

電力比較サイトの充実について

専門会合のとりまとめのなかで、電気の使用者がスイッチング先を円滑に選択できるための環境整備として挙がっていたのは「価格比較サイトの充実」です。

ENECHANGEでは2016年4月の日本の電力完全自由化に合わせ、「エネチェンジ」の事業を開始しました。2017年にはガス自由化に合わせてガスの比較サービスも開始し、現在では20社以上の小売電気・ガス事業者の代理店となっています。ピーク時には400万ユーザーに利用され、のべ10万件以上の切り替え実績のある日本最大級の電力・ガス切り替えプラットフォームです。

価格、環境、電源構成サポートなど消費者がエネルギーを選ぶ視点は複数あります。「エネチェンジ」は消費者の選択行動によりエネルギーの未来が消費者により選ばれる世界をつくりたいという思いで運営しています。

電力比較サイトについての懸念への回答

専門会合では、電力比較サイト自体に意義はあるとしつつも公平性(中立性)、スイッチングへの有効性、事業の継続性についての懸念が指摘されました。それぞれについて私の考えをお話します。

公平性(中立性)

とりまとめの中において「公平性が担保されている前提では一定の消費者等にとって判断基準になる」という記述がありました。エネチェンジでは消費者の視点に立った消費者のための公平なサービスというのを最重視しており、それがサービスの普及や中長期的な事業の成長にもつながるというポリシーのもとで運営しています。

私が出席した専門会合でもお答えしましたが、エネチェンジでは公平性を担保するために、原則としてすべての事業者に対して同条件でエネチェンジへ掲載をしています。

スイッチングへの有効性

一部事業者から電力比較サイトを経由したスイッチング数は減少傾向という指摘があったようですが、少なくともエネチェンジ上でのスイッチング数は電力自由化開始前後の特別に過熱した時期を除けば年々右肩上がりで成長し、シェアは着実に伸びています。スイッチングにおいて電力比較サイトの有効性があると言えるでしょう。

ただし、小売事業者間での競争はより激しくなっています。結果として一部の事業者は電力比較サイト上での競争優位性が低下し、スイッチング数が減少している可能性もあるでしょう。


「電気の購⼊先」または「電気料⾦プラン」の変更に「関⼼を持つきっかけ」となった情報源として15.7%の人が、また「情報収集・⽐較検討を⾏ったとき」に触れた情報源としては21.0%の人が比較サイトと回答。
出典:低圧部⾨における競争の現状について(電気・ガス取引監視等委員会)

事業の継続性

電力比較サイトは営利事業としての事業モデルが未成熟であり、対応コストの大きさによっては比較サイトの運営事業者が撤退する可能性があるという指摘も受けています。

事実上「エネチェンジ」と「価格.com」の2サービスによる独占状態となっていて、他社は収益性の観点から積極的なサービス開発は行っていないのが現状です。そもそも、小売電気事業は単体で見ると原価率が高く利益率が低いビジネスであり、保険や通信などの他商材と比較すると広告宣伝費を多くかけられる商材ではないとも言えます。

しかしながらENECHANGEはデータプラットフォームなど複数の事業基盤を持っているため、会社として黒字化できています。「エネルギーの未来をつくる」というミッションを掲げ、エネルギーの4つのDを推進する我々が撤退するつもりはもちろん1ミリもありません。

行政や消費者団体主導の電力比較サイトも有効な手段

ここまでに挙げた指摘事項について、本当に懸念をしているのであれば経済産業省や消費者団体が自身で電力比較サイトを運営するというのも有効な手段だと思っています。

スイッチングへの有効性を高めるためにはマーケティングなどの努力が必要ではありますが、公平性や収益性の観点での心配はなくなるでしょう。ENECHANGEとしても情報やノウハウ提供などできる協力はしたいと考えています。

電力自由化促進への課題解決に必要なのはできない理由よりもアクション

社会的課題に対して実際にアクションを起こし事業化することで成長するのがベンチャー企業です。その経営者としての視点から見た今回の低圧電力(家庭向け)経過措置料金廃止の見送りへの率直な意見としては「懸念点をできない理由として挙げるよりも、解決するためのアクションを起こしてほしい」と思えます。

比較サイトの公平性、スイッチングへの有効性、事業の継続性が気になるのであれば、自身が消費者のために情報をまとめて公平で有効なサービスを発信すれば良いはずです。

私自身は十分な競争圧力があると感じていますが、もし本当に競争圧力が不十分だと思っているのならより多くの競争圧力が生まれるように普及活動をすべきではないでしょうか。同様に電源調達の不公平性などで競争の持続性に懸念があるのなら、内部取引をディスクローズするようにルール化してベースロード市場が内部取引より劣後した条件になっていないかなどを徹底的に監視をすれば良いのです。

電力自由化のさらなる促進にむけての取り組みでENECHANGEが協力できることがあれば、私は喜んで対応していくつもりです。

有田一平(ENECHANGE株式会社)

有田一平(ENECHANGE株式会社)

ENECHANGE株式会社の代表取締役社長。2013年にENECHANGE社の前身となる英国ケンブリッジ大学との産学連携研究機関「Cambridge Energy Data Lab」へ共同創業者として参画。元々はデータ分析やソフトウェア開発が専門で、発電や需要予測システムのアルゴリズム開発やソフトウェア設計に携わった後、2015年4月にENECHANGE社を設立。
有田一平(ENECHANGE株式会社)
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