ガスエアコンの冷房システムが素晴らしい!
この記事の目次
冬場に暖かく過ごすことができる暖房器具として人気が高いガス暖房をご存知の人は多いと思いますが、ガスエアコンなる、冷房機能もつかえる製品があることをご存知でしたか?ガスエアコンの冷房機能はどんなものなのか調べてみましょう。
年間平均25,009円節約できます!
エネチェンジ電力比較診断の3人世帯を選択したシミュレーション結果で、電気代節約額1位に表示されたプランの年間節約額の平均値です。節約額はギフト券などの特典金額も含まれています(シミュレーション期間/2023年10月1日~2023年12月31日)
ガスエアコンってどんなもの?
ガスエアコンはかつてガス機器メーカーや家電メーカーが発売していたり、アパートの設備として取り付けられていることがあったのですが、あまりに市場にが小さかったために、現在では家庭用のガスエアコンは新規製造・販売されていません。その一方、学校や病院、ビルなどの大きな施設では導入しているところがあります。たとえば有名な施設では東京ドームや上野動物園、早稲田大学でもガスエアコンを導入しているのです。
ガスエアコンは、車のエンジンと同じでガスのエンジンで冷暖房を動かすので、エネルギーの99%をガスから得るため、省エネ効果が大きく注目されています。また、パワフルで立ち上がりが早く、静音性に優れているという点が評価されています。しかし大型施設用のものが多かったり、初期費用が高いというデメリットがあり、普及は大型の施設中心になっているのが現状です。
参照:ガス冷房で節電しながら省コスト・省エネで快適なオフィス | 記事広告アーカイブ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
ガス冷房の電気使用量は、なんと1/10!!
電気のエアコンを使った時、電力の基本料金と使った分の電気代がかかります。一方、ガスエアコンで冷房を使うと、使う電気の量が減るため、電気の基本料金・使った分の電気代がどちらも下がります。当然ながらガスの基本料金とガスを使った分の料金もかかりますが、それらを合わせても電気代のトータルよりも安いというメリットがあるのです。ガス冷房に切り替えると消費電力量が1/10まで減りますので、ピーク時の電力消費を下げ、同時に経済的なガス料金が適用されて支払い料金が安くなります。
参照:東京ガス : 東京ガスの節電部長
ガス冷房はどうやって動いているの?
ガス冷房には吸収式とGHP式の二種類がありますが、メジャーなのはGHP式です。ここではGHP式について調べてみましょう。
GHPの冷房は電気モーターに代わりガスのエンジンを使って機械を動かしています。そして、ナチュラルチラーという水の気化熱を利用したシステムを利用しているのです。ナチュラルチラーは、蒸発した水から吸収液を使って水蒸気を吸収し、水蒸気を冷やして水にします。再びこの水を蒸発させ……という「蒸発・吸収・再生・凝縮」を繰り返し、この時に発生する気化熱を使って冷風を送り出すシステムなのです。
参照:東京ガス:概要|ナチュラルチラー|機器・システム
天然ガスはクリーンなエネルギー
水蒸気を吸収すると吸収液が薄まるのですが、クリーンな天然ガスを原料とした都市ガスで煮詰めて液を濃くし、再び吸収させます。ガスはここでしか使われていないので、ガスの使用量自体も全体のシステムからみるとほんのわずかなのです。また、このシステムを使うとオゾン層破壊の原因になるフロンを全く使用しなくても良く、電気をほとんど使用しないため、二酸化炭素の削減にもつながっているのです。
電気代が1/100にも軽減される!
ガスエアコンにも様々なタイプがあるのですが、そのうち自家発電できるタイプのエアコンもあります。この自家発電型を使うと、消費電力が1/100まで抑えられる、という素晴らしい性能を持っているのです。
電気を発生させることで起こる様々な問題が表面化している昨今、このようにほぼ電気以外のエネルギーを使い、しかも安い金額でクリーンに快適さを提供してくれる機械があるということは、驚きでもあり、素晴らしいことではないでしょうか。
参照:東京ガス : 節電部長のガス冷房Q&A
ガス冷房はどれくらい普及しているの?
こんなに素晴らしい性能を持ったガス冷房なのですが、残念ながら飛躍的に普及しているわけではありません。吸収式では年間25,000件程度、GHP式で年間90,000件程度の伸び率です。
延べ床面積から見たシェアは約21%(住宅用を除く)もあります。住宅以外の建物で、5件に1件はガス冷房で、クリーンなエネルギーを使っているのかと思うと、なんだか清々しい気分になりますね。
家庭用のガスエアコンが欲しい!
これだけ魅力的なガスエアコン。ガス暖房は一般的なので、冷房も使えるガスエアコンを家庭でも設置したい!と考えた人も多いのではないでしょうか。
しかし、事業として成立するほど、家庭用ガスエアコンの市場が広くなく、かつては製造販売に取り組んでいたメーカーも現在は撤退。今後も再び製造に乗り出す予定はないというのが現状のようです。市場は極端に電気エアコンに寄っているため、ガスが参入する余裕がないとはとても残念です。
業務用ガスエアコンでは平成23年より導入時に国から補助金が交付されるなど後押しされています。まずは業務用がもっと拡大していけば、そのうち住宅用ガスエアコンも開発・販売されるようになるかもしれませんね。
参照:補助金について|「ガス空調」はこれからのトレンド
ガスエアコンの冷房を感じに出かけよう!
立ち上がりが早く、静音性に優れ、しかも低コストなガスエアコンはまさにこれからの時代にピッタリのエアコンだといえます。業務用ばかりで家庭用がないのが本当に残念です。
しかし、ガスエアコンは、私たちが気軽に行くことができる場所で活躍しています。今年の夏休みは、上野動物園や東京ドームに出かけ、実際にガスエアコンの冷房を体感することはできそうです。