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ガス自由化の行方を左右するLPガス事業者の動向、電力、都市ガス大手との連携続々と【ガス自由化コラム】

ガス自由化の行方を左右するLPガス事業者の動向、電力、都市ガス大手との連携続々と【ガス自由化コラム】

都市ガス小売りの全面自由化が4月からスタートしました。家庭向けへの新規参入は関西電力など電力大手と、ニチガスなどLP(液化石油)ガス業界に限られます。電力大手はちょうど1年前の電力自由化で都市ガス大手に奪われた顧客を取り返そうと攻勢をかけていますが、LPガス事業者もこの対決で重要な役割を果たしています。今回のガス自由化で目を離せないのが、LPガス事業者の動向なのです。

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更新日
2023年10月27日

LPガス事業者の家庭向け参入は全国で11社

登録ガス小売事業者のうち、一般家庭向けに参入したLPガス業者

会社本社、本店所在地供給地域
ニチガス東京都渋谷区関東、山梨県、静岡県
〇東彩ガス埼玉県春日部市関東
〇東日本ガス千葉県我孫子市関東
〇新日本ガス埼玉県北本市関東
〇北日本ガス栃木県小山市関東
河原実業東京都足立区関東
レモンガス神奈川県平塚市関東、静岡県
サイサン埼玉県さいたま市関東、長野県、新潟県、静岡県、山梨県、福島県、三重県
北陸天然ガス興業新潟県新潟市新潟県
鈴与商事静岡県静岡市長野県、山梨県、静岡県
朝日ガスエナジー三重県四日市市三重県

出典:経済産業省ホームページから筆者作成、〇印はニチガスグループ

経済産業省ガス市場整備室によると、ガス自由化で家庭向けの小売販売に新規参入したLPガス事業者は、3月末現在で11社。このうち、ニチガス、レモンガス(神奈川県)、サイサン(埼玉県)など8社が主に関東地方を販売先としています。鈴与商事(静岡県)など残り3社の販売先は東海、北陸地方です。

LPガス事業者以外では、東京電力エナジーパートナー(EP)中部電力関西電力九州電力の電力大手4社が参入しました。しかし、石油大手などは大口の工場、事業所などへの販売にとどめ、一般家庭向けへの参入を予定していません。

電力自由化では、都市ガス、通信、鉄道、不動産、地方自治体など異業種からの新規参入が相次ぎ、2016年4月のスタート時点で250社以上に上りました。それと比べると静かなスタートとなったことは否めません。

ニチガスが格安プランを打ち出して関東で攻勢

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関東地方は東京電力EPが7月参入を予定しているため、本格的な販売競争は夏からとみられます。その中で台風の目になっているのが、ガス自由化スタートと同時に参入したニチガスです。
ニチガスは東京電力EPと提携し、グループ会社とともに都市ガスの販路拡大に乗り出しています。従来、東京ガスから都市ガスを調達していましたが、調達先を東京電力EPに切り替えました。

「プレミアム5+プラン」と名づけた新料金プランは、東京ガスを利用する一般家庭の標準的なガス料金に比べ、3.6%以上割安にしました。ガス器具を購入すればもれなく5,000円割り引くサービスも登場させています。

関東のLPガス事業者の動向

具体的なLPガス事業者の動向を見ていきます。まずは関東から。

7月以降は東京電力EPとニチガスが東京ガス包囲網

Two businessmen ready to start business
ニチガスの和田眞治社長は2月の記者会見で初年度の利用者獲得数について「22万件を目標にしたい」と強気の姿勢を示しました。4月12日現在での利用者獲得は約2万件。ガス自由化と同時にスタートダッシュしているようです。
ニチガスは東彩ガス(埼玉県)、東日本ガス(千葉県)などニチガスグループ4社との連携について「回答を控える」としていますが、グループ全体で、東京ガスの供給エリアよりも広い一都六県で、顧客獲得に力を入れているようです。

東京電力EPの参入までは、東電陣営の先兵として東京ガスの牙城を崩す役目を果たし、参入後は東京電力EPとともに、東京ガス包囲網を敷くとみられています。

レモンガスも割安プランを掲げて参入

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東京都と埼玉、神奈川、静岡の3県約30万世帯にLPガスを提供するレモンガスは、東京都、埼玉、神奈川の東京ガス供給エリアで都市ガス販売を始めました。東京ガスの一般契約料金に比べ、年間で4.6%以上安くなるプランを打ち出し、顧客獲得に懸命です。

レモンガスは電力自由化で東京電力が提供する電力と自社のLPガス、宅配水などを組み合わせたセット販売をしてきました。都市ガスの卸供給を受けるのは東京電力EP。レモンガスは「格安プランを利用者に売り込んでいきたい」と意気込んでいます。

河原実業(東京都)も東京ガスの供給エリアを販売地域にしています。LPガス事業者が関東各地で東京ガスに迫り、利用者を奪おうとする構図が見えます。

東京ガスはサイサンと都市ガス販売で業務提携

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これに対し、東京ガスはサイサンと都市ガス事業で提携して対抗する構えです。東京ガスの広瀬道明社長は2月の記者会見で「(サイサンには)東京ガスの卸先以外のエリアを任せる」と述べました。サイサンがニチガスグループの販売先切り崩しに動くと受け止められています。

サイサンは小売事業者の登録を済ませ、6月をめどに本格参入する方向です。「自由化を機に総合エネルギー企業を目指していく」としており、LPガスの顧客獲得でしのぎを削り合ってきたニチガスに都市ガスでも戦いを挑みます。

東京ガスは「サイサンと業務提携を進め、相互の経営資源を効果的に活用できるよう取り組みを推進したい」と意欲を見せています。

21の都市ガス、27のLPガス事業者と協力関係

都市ガス事業者は全国で200を超しますが、関東は数多くの中小事業者がひしめく激戦地です。この中には東京ガスが導管やタンクローリーを通じて都市ガスを卸供給する事業者が武州ガス(埼玉県)など20社以上あります。

これらの事業者は間接的に東京ガスの都市ガスを販売していますが、東京ガスはニチガスグループが卸供給元を東京電力EPに切り替えたことで30万件以上の顧客を失ったことになります。

電力自由化で東京ガスは東京電力から72.8万件の顧客を奪いました。その裏側では東部ガス(東京都)など21の都市ガス事業者、京浜燃料(東京都)など27のLPガス事業者との業務提携が力を発揮しています。東京ガスはこれらの協力関係も生かすとみられます。

続いて、関西のLPガス事業者の動向

続いて、関西のLPガス事業者の動向です。

岩谷産業が関西電力の保安、販売をサポート

関西は大阪ガスに関西電力が真っ向勝負を挑み、販売競争が最も激しい地区になりました。この一騎打ちにもLPガス事業者が絡んでいます。その会社は岩谷産業です。

岩谷産業も都市ガス小売事業者の登録を済ませましたが、一般家庭向けの販売は予定していません。その代わりに関西電力と提携し、保安業務や販売促進で関電ガスの売り込みに力を貸しています

関西電力と協力し、保安、販売促進の拠点となる「関電ガスサポートショップ」を80店開設し、300人のスタッフを配置しました。当初は50店、250人の予定でしたが、大阪ガスとの価格競争が見込まれるとして、店数、人員とも拡充して販売体制を強化しています。

大阪ガスはサービス面で関西電力、岩谷産業に対抗

一般家庭への新規参入事業者にとって大きな障壁となるガス機器の保安点検でも、岩谷産業は関西電力の強い味方になりました。LPガス販売で培ったノウハウを関西電力に提供し、万全の態勢で都市ガス販売に乗り出せるようにしたのです。

4月13日現在で関西電力が獲得した利用者は約13万件。関西電力は「販売促進だけでなく、保安点検にも強い岩谷産業の存在はありがたい」と語りました。

これに対し、大阪ガスはガスだけでなく、家庭の水回りやエアコン修理にまで協力会社の社員が出張して応急措置するサービスを打ち出しました。サービスの質で対抗するのが狙いで、関西の都市ガス販売競争はさらに激しさを増しています。

その他のエリアの動向

このほか、北陸天然ガス興業(新潟県)は新潟県、鈴与商事は静岡、長野、山梨3県、朝日ガスエナジー(三重県)は三重県の簡易ガス供給団地を対象とし、それぞれ必要に応じて都市ガス供給を始める方向です。

LPガス事業者の営業力に提携先が期待

LPガス事業者は保安点検で高い技術力を持ち、長年にわたるLPガス販売で培ったしたたかな営業力に定評があります。電力大手、都市ガス大手の双方にとって、頼もしい味方なのです。その動向が対決の行方を左右するとの見方も出ています。

この記事を書いた人

高田泰

政治ジャーナリスト

高田泰

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。

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