エアコン暖房時の設定温度の目安を解説!快適に過ごす7つのコツと節約術

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環境省は暖房時の室温の目安として20℃を推奨しています。ただ人によっては、室温20度では肌寒く感じられるかもしれません。また暖房の設定温度を高めに設定しても、なかなか部屋が快適な温度にならないと感じている方も多いでしょう。
エアコンの設定温度を適切に設定するのはもちろん、快適に冬を過ごすには温度設定以外にも工夫したいポイントがあります。この記事では暖房の電気代を節約しながら、快適に過ごせる7つの方法をご紹介します。
- 更新日
- 2023年2月17日
エアコンの暖房の設定温度の目安は20度

環境省は平成17年度から「ウォームビズ」として、暖房時の室温の目安を20度を推奨しています。
電気代をおさえるためににも、暖房時の設定温度も基本的には20度にしておくとよいでしょう。
ただ、この数字はあくまでも目安。外気温や湿度、建物の立地条件、日差しの入り方や室内にいる人の体調などを考慮して設定温度を調節するよう呼びかけられています。
暖房の設定温度で本当に消費電力は変わるか実証実験
では、エアコン暖房の設定温度によって、消費電力量が変わるのでしょうか。
エアコン暖房の設定温度を「22度」と「24度」にしたときの消費電力量を計測して、電気代がどの程度変わるのかを実際に計測して調べました。
エアコン暖房の設定温度の比較実験の条件・環境
まずは、エアコン暖房の設定温度の比較実験の条件と環境を紹介します。
計測時間:10:00〜19:00(9時間)
計測空間:6畳の洋室。北側に窓あり。
計測対象エアコン:パナソニックJシリーズ「CS-J226C-W」
在室人数:1名
エアコンの設定は次の通りです。
運転モード:暖房
風量:自動
設定温度:22度/24度
使用するワットチェッカーはラトックシステム株式会社の「RS-BTWATTCH2」です。
設定温度「22度」の場合の日中の消費電力の推移
縦軸単位=Wh、横軸単位=時刻
エアコン暖房の設定温度を22度にした場合、消費電力量の合計は2,977Whとなりました。電気代は、92.29円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
消費電力量は300Wh前後で推移していますが、外気温が高い14時台が最も少なくなり、その後気温が下がっていくにつれて増えていくことがわかります。
設定温度「24度」の場合の日中の消費電力の推移
縦軸単位=Wh、横軸単位=時刻
エアコン暖房の設定温度を24℃にした場合、消費電力量の合計は3,644Whとなりました。電気代は、112.96円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
消費電力量は、多くの時間帯で400Wh前後で推移。22度設定よりも消費電力量の合計は増加しています。また、設定温度まで室温を上げるためにより多くの電力量を必要とするので、消費電力量の変動幅は22度設定よりも大きくなっています。
エアコン暖房は多くの電力を消費するうえ、設定温度を上げればそれだけ電気代の負担も増えてしまうのが気になる方もいるでしょう。そこで、暖房の電気代を節約するにはどのような方法があるのかを続けて紹介していきます。
暖房の電気代を節約する7つの方法
エアコンにかかる電気代も気になります。
環境省によると、冬のエアコン暖房時に温度設定を1℃低くすると約10%の節約ができるとのことです。
出典:環境省
エアコンを使う時は、できるだけ電気代も節約していきたいですよね。エアコンは冬のほうが電力を多く消費します。
というのも、エアコンは室内温度を設定温度までにするまでがいちばん電気代がかかるためです。お住まいの地域により季節ごとの気温も異なりますが、例えば、室内の設定温度を夏・冬ともに25度と設定したとしましょう。
- 夏、設定温度(25度)まで室内気温を下げる場合
- 室温を30度~35度とすると、エアコンは5℃~10℃室温を下げなくてはならない。
- 冬、設定温度(25度)まで室内気温を上げる場合
- 室温を0度~5度とすると、エアコンは20℃~25℃室温を上げなくてはならない。
例えば夏の気温が高い地域で、室内気温が40度まで上がった場合も、設定温度まで下げなくてはならないのは15度です。しかし冬の気温が寒い地域では、室内気温がマイナス5度以下になる地域もありますので、そうした場合は設定温度まで30度以上上げなくてはなりません。
このような理由で、室内気温と設定温度の差が大きい冬場のほうが電気代が高くなる傾向があります。
1.エアコンは自動運転で運転する

エアコンをつけるときは自動運転にしましょう。弱運転のほうが電気代かからないんじゃ……とはじめから弱めの運転をしてしまうと、室温が設定温度になるまでに時間がかかって逆に電気代が高くなってしまいます。エアコンは室内温度を設定温度にするまでの間が一番消費電力を使うため、自動運転で一気に室温を上げてしまった方が電気代を節約できるんですよ。
2.エアコンの風は、冬は下向きに設定する(センサー搭載の高級機種を除く)

ただし、人がいる場所を感知して自動で最適な風向きになるセンサー搭載機種の場合は、自動コントロールモードが最適となります。
3.サーキュレーターを使う

サーキュレーターを使うことでエアコンの暖房効率を上げることができます。
冬は、サーキュレーターを上向きに運転して、暖かい空気を循環させましょう。
設定温度を変えなくても、空気を循環させることで暖かく感じます。
4.窓の断熱をする

室内のあたたかい空気は、どうしても窓から外へ逃げてしまいます。さらに、窓は外の冷たい空気を部屋の中に取り込んでしまいます。
断熱シートを窓に貼ることで、冬は室内のあたたかい空気を外に逃がしにくくなります。断熱シートはホームセンターなどで購入できますよ。
5.湿度ケア・加湿をする

湿度が低い冬は、エアコンの暖房により室内が乾燥してしまいます。湿度が10%下がると、体感温度は1℃下がるといわれています。体感温度を高く保つためにも、冬は乾燥対策・加湿が必要です。
加湿器などで湿度を上げる工夫をしましょう。加湿器を使用する以外でも湿度ケアの方法はあります。気になる方は「部屋の乾燥対策!加湿方法9選」を参照にしてください。
6.こまめにフィルター掃除する

2週間に1度はフィルターのお手入れをしましょう。フィルターの掃除って面倒に感じてしまいがちですが、いつも行う掃除機がけのついでにエアコンフィルターを外して、ついているホコリを吸い取ってしまえば楽ですよ。
エアコンのフィルターの掃除方法は、以下の記事で詳しくご紹介しています。
7.室外機周りをチェックする
エアコンの室外機周りに物が置いてあると暖房の効率が落ちてしまいます。室外機周りには物を置かないように注意しましょう。
また、雪の多い地域では、雪が室外機周りに積もってしまったり、室外機に雪が吸い込まれたりすることで効率が落ちてしまわないよう、雪対策も行いましょう(防雪フード・防雪ネットなども市販されています)。
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エアコン暖房で冬を快適に過ごしながら、電気代を節約していきましょう
エアコンの電気代を節約しながら、暖房の設定温度を上げすぎずに快適に過ごせる7つの方法をご紹介しました。
- エアコンは自動運転で運転する
- エアコンの風は下向きに設定する(センサー搭載の高級機種を除く)
- サーキュレーターを使う
- 窓の断熱をする
- 湿度ケア・加湿をする
- こまめにフィルター掃除する
- 室外機周りをチェックする
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