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再エネで地域循環共生圏、横浜市と東北12市町村がスクラム【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

横浜市と東北地方の12市町村が、地域循環共生圏に向け具体的に動き始めています。12市町村から700キロ以上離れた横浜市へ再生エネ電力を送る計画で、地球温暖化への取り組みのひとつとして注目されています。また未利用地を活用した発電事業に前向きな地方自治体にとって、再エネの活用に積極的な企業の誘致にも期待大です。

横浜市と青森県横浜町など東北地方の12市町村が再生可能エネルギーを地域で循環させる地域循環共生圏の形成に向けて本格的に動き始めています。12市町村から700キロ以上離れた横浜市へ再エネ電力を送る計画で、すべての供給体制が整う時期は定まっていませんが、第1弾として横浜町から風力発電で起こした電力が2019年度中に送られる予定です。

下北半島の風力発電が横浜市へ

青森県横浜町で運転しているよこはま風力発電の風車。巨大な羽が風を受けて発電している(よこはま風力発電提供)
青森県北部に位置する下北半島。その中央部に横浜町があります。JR大湊線と平行に走る国道279号は「はまなすライン」の愛称で知られ、陸奥湾からの風に吹かれる場所です。その近くでは風力発電の巨大な風車がいくつも回っています。

この辺りは夏に南東、冬に北西の風が吹き、風力発電の適地と考えられています。横浜町にある風力発電は4月末現在で22基。さらに陸上部で12基の建設計画が進められているほか、陸奥湾でも南の野辺地町沖と合わせて200基を超す洋上風力発電の設置計画が持ち上がっています。陸奥湾は外海に比べて波が穏やかで、風力発電の導入に適しているからです。

このうち、横浜市へ電力供給が計画されているのは、よこはま風力発電が運転中の風力発電です。同社は日立グループの日立サステナブルエナジーと横浜町が出資して2015年に設立されました。

人口減少に苦しむ地域が再エネに活路

横浜町は人口約4,300人。海岸線から緩やかな傾斜が続く地形で、丘陵地帯で生産される菜種と陸奥湾のナマコで有名です。しかし、人口は1960年の約7,700人をピークに減少を続けてきました。高齢化の進行も深刻さを増しています。

このため、再エネの導入を町政の柱の1つに掲げました。横浜町が策定した再生可能エネルギー計画では、雲雀平地区を再エネ発電施設の整備促進区域としています。再エネ電力を生産することで遊休地を「外貨」を稼げる場所に変えようとしているわけです。

さらに、横浜市の企業などとつながりを持つことで将来の企業誘致にも期待をかけています。横浜町企画財政課は「横浜市へ再エネ電力を送ることで横浜市の企業や団体と交流を深め、町の発展につなげたい」と意気込みを語りました。

連携がゼロカーボンヨコハマ実現のカギ

横浜市は2月、東北地方の12市町村と再エネの活用を進める協定を締結しました。12市町村は横浜町のほか、岩手県の県北広域振興局管内にある久慈市、二戸市、葛巻町、軽米町、洋野町、一戸町、普代村、野田村、九戸村、福島県の会津若松市、郡山市です。

連携協定の対象分野と主な取り組み

●再エネの創出・導入・利用拡大
東北12市町村で発電した再エネ電力を横浜市の市民、事業者、公共施設などへ供給するスキームを検討する
●脱炭素化の推進を通じた地域活力の創出
横浜市と12市町村の住民、企業が再エネの供給を通じて交流を深め、地域活力の創出につながる取り組みを検討する
●再エネ、地域循環共生圏構築に関する国への政策提言
再エネを通じた連携や地域循環共生圏の創造を進める中で得られた課題について、必要に応じて政策提言する
出典:横浜市報道発表資料から筆者作成

横浜市は2018年に改定した横浜市地球温暖化対策実行計画で、2050年までに温室効果ガスの排出量を正味でゼロにする「ゼロカーボンヨコハマ」を掲げています。これを実現するために必要となるのが、再エネの活用ですが、大都市だけに再エネを大規模開発できる場所がありません。

横浜市の年間消費電力は約160億キロワット時。再エネを活用したいと考える企業や家庭は多いものの、このばく大な電力を市内で稼働中、設置予定の再エネ発電施設だけでは、とてもまかなえないそうもないのです。

将来的な電力供給量は横浜市消費電力の4倍

これに対し、地方の自治体は大都市ほど過密でないため、未利用地が多く、大規模開発の余地を残しています。横浜町は人口減少と高齢化、後継者不足で耕作放棄地が増え、これを風力発電の設置場所に充てようとしているのです。二戸市は170基以上の風車を新設可能な用地が確保されています。

再エネは国の固定価格買い取り制度(FIT)で実際の電力卸価格より高値で買い取ってもらえます。このため、遊休地を活用して再エネ発電施設を誘致したり、横浜町のように電力会社に出資したりするなど、発電事業に前向きな自治体が少なくありません。

環境省のデータから横浜市が推計したところ、12市町村の再エネによる将来的な電力供給量は、年間で合計約750億キロワット時に達します。横浜市の消費電力の4倍以上に当たる量です。

横浜町以外からの電力供給が始まる時期や供給量の見通しは立っていませんが、今後再エネ電力導入のスキームを固めるとともに、大量の電力供給を可能にする送電網の拡充を国へ要望することにしています。

横浜市の年間電力消費量と東北12市町村の再エネ発電可能量(推計)

横浜市160億kW/時
東北12市町村750億kW/時
出典:横浜市報道発表資料から筆者作成

首都圏で相次ぐ地方の再エネ囲い込み

こうした地方の再エネ電力を確保する動きは、首都圏の他の自治体でも見られます。再エネ電力を求める企業や家庭が多いのに、自前で確保できないという横浜市と同じジレンマを抱えているからです。

東京都目黒区は友好都市の宮城県気仙沼市から木質バイオマスで作った電力を調達し、小中学校などで利用しています。東京都港区は福島県白河市の太陽光発電など、東京都世田谷区は長野県伊那市の水力発電が調達先です。大都市が地方の再エネ電力を囲い込んでいるといえるでしょう。

その中で横浜市の調達はすべて実現すれば最大規模になります。その裏側には地域循環共生圏の形成という狙いが込められています。

政府も地域循環共生圏形成を後押し

循環型社会を構築するためには、地域の特性や循環資源の性質に応じて最適な規模の循環を生み出さなければなりません。地域内で循環が可能な資源についてはなるべく地域内で循環させ、それが困難なものについては循環する環を広域化して共生していこうというのが、地域循環共生圏の考え方です。

経済産業省と環境省は4月、地域循環共生圏の形成と分散型エネルギーシステムの構築に向け、新たな連携チームを発足させました。さらに、環境省は4月、地域循環共生圏の創設に取り組む活動団体を募集しました。政府も横浜市が目指すような地域循環共生圏の形成を後押ししようとしているのです。

横浜市温暖化対策統括本部調整課は「横浜市だけで大量の再生可能エネルギーを獲得するのは難しい。12市町村との連携で新しい日本のモデルを作っていきたい」と夢を膨らませています。

再エネ確保が将来、企業立地にも影響?

米アップル社をはじめ、再エネ電力を求める企業が世界的に増えています。これらの企業の中には取引先を再エネの利用状況で選定するところが出てきているほか、安い再エネ電力が調達できる場所を選んで進出先を決める動きも見られるようになりました。

もう少し時間が経てば、再エネを使えるかどうかで企業の進出先が決まる時代が来るかもしれません。横浜市が東北地方との連携で大量の再エネを確保できれば、再エネを使いたい企業の誘致に弾みがつきそうな状況なのです。

地球温暖化対策が大きな課題であることにも変化はありません。今後、横浜市がどんな青写真を描いて12市町村から再エネ電力を調達し、地域循環共生圏を築いていくのか、目が離せません。

高田泰(政治ジャーナリスト)

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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