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生まれ変わるコンビニ、環境にやさしい次世代店舗が次々に登場【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

コンビニエンスストア大手が環境にやさしい次世代型店舗を相次いで開発しています。自前の太陽光発電や燃料電池で消費電力をまかなうほか、断熱性の高い素材で店舗を建設し、消費電力を大幅に抑えるなど工夫を凝らしているのです。次世代店舗とはどのようなものなのでしょうか?その事例を紹介します。

コンビニエンスストア大手が環境にやさしい次世代型店舗を相次いで開発しています。自前の太陽光発電や燃料電池で消費電力をまかなうほか、断熱性の高い素材で店舗を建設し、消費電力を大幅に抑えるなど工夫を凝らしています。

コンビニは24時間営業で、使い捨ての食品容器などが大量に出ることから、ひと昔前までエネルギー無駄遣いの代表例として批判を浴びていました。しかし、次世代型コンビニは時代の最先端を走る機能を持っているのです。

セブンの新店舗、外部調達電力を28%削減

セブン-イレブンの次世代型店舗千代田二番町店の概要(セブン-イレブン提供)
業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンは2017年12月、本社が入居する東京都千代田区二番町のビルに次世代型の新店舗「千代田二番町店」をオープンさせました。アジア初導入となる店舗前路面設置型の太陽光発電など58種の新技術を採用、店舗全体の外部調達電力を28%削減することが可能な店舗です。

導入された新技術は、路面設置型太陽光発電のほか、従来の太陽光発電より発電効率が2%高い高効率太陽光発電システム、水素を燃料電池に供給する発電システム、自動調光機能で電力使用量を削減できる店頭看板などです。

これら4機能だけで標準店舗が外部から調達する電力の24.4%に当たります。千代田二番町店は広さ213平方メートルの標準的な大きさですが、自前の再生可能エネルギーを活用することで環境負荷の大幅低減に成功しています。

相模原にはさらに進化した店舗を開設

5月には千代田二番町店をさらに進化させた店舗が相模原市緑区橋本台に登場しました。相模原橋本台1丁目店で、90種の新技術を導入し、店舗使用電力の46%を再生可能エネルギーでまかなうことができます。

千代田二番町店と同じ路面設置型の太陽光発電を店舗前に設置したのをはじめ、屋上だけでなくカーポート上にも太陽光発電を取りつけました。さらに、店頭の広告塔に小型の太陽光発電と風力発電を備えました。

昼間に太陽光で発電した余剰電力を蓄えるため、大容量リチウムイオン蓄電システム、トヨタ自動車のハイブリッド車10台分の使用済みバッテリーを再利用したリユース蓄電池も2基ずつ置いています。これら新技術は導入できるものから順次、全国の店舗に広げる計画です。

トヨタ自動車と水素活用の店舗を計画

また、セブン-イレブンはトヨタ自動車とスクラムを組み、水素を活用する次世代コンビニプロジェクトを2019年秋から始動させる計画も6月、明らかにしました。究極のクリーンエネルギーといわれる水素を使い、環境負荷の低減をさらに進めるのが狙いです。

セブン-イレブンが導入する燃料電池発電機(トヨタ自動車提供)

店舗には出力10キロワットの燃料電池発電機やトヨタ自動車のハイブリッド車の使用済みバッテリーを再利用したリユース蓄電池を配備し、動力源として活用します。屋根に設置した太陽光発電など他の再生可能エネルギーと併用するため、専用の店舗エネルギー管理システムを導入し、最適化を図る考えです。

トヨタ自動車は2015年から燃料電池車の量産に入っています。水素エネルギーの普及を図る狙いがあり、「今回の連携で新たな技術や知見の蓄積と実証を進めていきたい」としています。

首都圏の物流に燃料電池トラックを利用

セブン-イレブンが導入する燃料電池トラック(トヨタ自動車提供)

セブン-イレブンはこのプロジェクト始動に先がけ、2019年春から首都圏の物流に小型の燃料電池トラックを導入します。トヨタ自動車製の燃料電池ユニットを搭載し、走行時の二酸化炭素排出量がゼロになる3トン車です。

燃料電池で発電した電力を配送中の商品の冷凍や冷蔵に使えるほか、トヨタ自動車の試算では、走行距離が約200キロに達しています。配送車として利用することに問題はなさそうです。

燃料電池発電機を置く店舗数や燃料電池トラックの導入数は未定ですが、セブン-イレブンは太陽光発電など他の再生可能エネルギーと同様に、水素を基幹エネルギーと位置づけ、「サプライチェーン全体で二酸化炭素排出削減に取り組んでいきたい」と力を込めています。

ローソンもIoT技術を駆使した新店舗を開設

一方、ライバルのローソンは建材に断熱性が高い国産の杉材を使用した新タイプの店舗を1月、群馬県館林市にオープンさせました。館林木戸町店で、国産杉を加工した建材の直交集成板を利用した国内初の店舗になります。

直交集成板は厚みのある木板を木目が直交するように複数層重ねたもので、強度があるだけでなく、高い断熱性を持ちます。店内が木の香りで包まれ、木目調の外観が人目を引くほか、断熱効果で消費電力を通常の4割程度に抑えられるとしています。

東京都小平市では2017年2月、最新技術を結集した環境モデル店舗の小平天神町2丁目店を開店しました。屋根に太陽光発電を設置するだけでなく、自然光を取り入れる集熱式トップライトなどを導入するとともに、IoT技術を駆使し、LED照明や蓄電池を外部から制御しました。電力使用量を2015年度の全国店舗平均に比べ、60%削減することを目指しています。

ローソンはこうした環境モデル店舗を広島県呉市などにも設置し、太陽光発電、LED照明、新建材などを試験的に取り入れてきました。3月末現在で太陽光パネルの稼働は1,900店、LED照明設置は1万3,000店に上ります。ローソンは「最新設備を既存店に順次導入していきたい」と意気込んでいます。

コンビニが持続可能な社会の牽引役に

米国発祥のコンビニが日本に上陸したのは、高度経済成長期の1970年代です。すぐに24時間営業が始まり、若い世代を中心に利用が急速に伸びました。やがてチケットの購入、公共料金支払い、宅配便の取り次ぎ、ATMの設置などサービスが広がり、生活に欠くことができない存在に成長していったのです。

しかし、24時間営業で深夜に電力消費するほか、使い捨ての食品容器、レジ袋が多数出ることもあって、便利さの代償として環境に大きな負荷を与えていると指摘されるようになりました。

これを受け、コンビニ各社は1990年代から相次いで環境負荷の軽減に取り組みます。セブン-イレブン・ジャパンは環境宣言や地球温暖化防止に関する基本方針、ローソンは二酸化炭素削減宣言や環境方針などを発表、環境にやさしい店舗づくりを本格的に進めてきました。

両社のモデル店舗は実証段階ですが、再生可能エネルギーや情報通信関係の最新技術を取り入れた近未来型のスマート店舗になっています。かつて利便性だけを追求していると受け止められていたコンビニ業界が、持続可能な社会の牽引役に生まれ変わろうとしているようです。

高田泰(政治ジャーナリスト)

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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