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ふるさと納税の返礼品に電気、原発事故被災地の福島県楢葉町が導入【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

福島県楢葉町は、東北地方で初めて再エネで作った電気を返礼品とするふるさと納税を開始しました。ふるさと納税では、電気を返礼品とする自治体はほかにも、群馬県中之条町、熊本県小国町、長野県五島市などがあり、各地域の自然を利用した方法で発電された電気を利用しています。

東日本大震災の福島原発事故で大きな被害を受けた福島県楢葉町が、再生可能エネルギーにより地元で作った電気を返礼品にするふるさと納税を始めました。楢葉町は再エネの街を目指しているだけに、町の再生と再エネの普及をアピールしたい考えですが、群馬県中之条町などひと足早く電気を返礼品とした地方自治体も地元の再エネ電力のPRにふるさと納税を活用しています。

東北地方では初めての試み

ふるさと納税の返礼品に電気を加えることを発表する楢葉町の松本幸英町長(左)とアンフィニの宮崎健治社長(アンフィニ提供)

楢葉町のふるさと納税は15万円以上の寄付で平均的な4人世帯3カ月分の電気使用量に相当する1,250キロワット時、29万7,000円以上の寄付で半年分に相当する2,500キロワット時の電気が返礼品になります。使用期限は1年間。東北6県と新潟県の東北電力管内の個人利用者が寄付できます。

大阪市に本社を置く電力事業会社のアンフィニが運営する「ジャパン電力」と受給契約を結び、ふるさと納税仲介サイトの「ふるさとチョイス」から申し込むと、東北電力の送配電ネットワークを通じて返礼品の電気が受け取れる仕組みです。町によると、電気が返礼品になるのは東北地方で初めてといいます。

返礼品の電気は、東日本大震災からの復興拠点として2018年に誕生した「笑(えみ)ふるタウンならは」内の商業施設と、災害公営住宅に取り付けられた太陽光発電で作ります。出力1メガワットのアンフィニ製太陽光発電が稼働していますが、このうちの余剰電力の一部をアンフィニが買い取り、寄付した人に送ります。

楢葉町のふるさと納税の仕組み

アンフィニ提供

再エネで復興する町の姿示すのも狙い

楢葉町は行政区域の大半が東京電力の福島第一原子力発電所から20キロ圏内に位置し、一時町内に避難指示が出ていました。避難指示は2015年に解除されましたが、町民の帰還率はやっと5割を超えた段階です。

楢葉町は避難指示の解除後、災害に強いまちづくりを目指し、町役場や商業施設、災害復旧住宅に太陽光発電を設置するなど再エネの推進に力を入れてきました。

現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、全国で家庭での電力使用量が増えています。そこで、東日本大震災からの復興支援に感謝の気持ちを示すとともに、再エネで復興しつつある町の現状を広く知らせようとふるさと納税の返礼品に電気を追加しました。

ただ、現在のメニューは寄付額が大きく、一般的な世帯では手を出しかねる一面もあるとみています。楢葉町復興推進課は「寄付額をもう少し小さくしたメニューも検討し、より幅広い層にふるさと納税をしてもらいたい」と語りました。

中之条町は2017年から返礼品に

ふるさと納税の返礼品は地元の農畜産物や水産物、伝統工芸品が多いものの、地元で作った再エネ電力を返礼品に加えた自治体は楢葉町だけでありません。全国第1号の自治体電力「中之条パワー」を設立した群馬県中之条町は、2017年から町内の太陽光発電で作った再エネ電力を返礼品に加えています。

返礼品として電気を受け取ることができるのは、東京電力管内に住み、中之条パワーと契約した世帯です。1口25万円以上寄付した人に対し、平均的な4人世帯の電気使用量半年分に相当する2,500キロワット時の電気を送っています。

初年度は10人以上から申し込みがありましたが、その後は毎年2、3人程度で、リピーターが中心になっています。中之条町企画政策課は「再エネの街をアピールし、再エネで地域活性化を目指してきただけに、これからも地道に売り込みを続けていきたい」と話しています。

小国町は地熱発電の電気を活用

温泉地として知られる熊本県小国町も2018年末からふるさと納税の返礼品に再エネで作った電気を加えました。九州電力管内で、町が出資する自治体電力のネイチャーエナジー小国と契約した人が対象です。10万円を寄付すれば、平均的な世帯約3カ月分の1,200キロワット時が送られます。

返礼品の電気は町内にある地熱発電や太陽光発電で生産しています。小国町は環境モデル都市の取り組みを進めており、2016年に設立したネイチャーエナジー小国を通じ、エネルギーの地産地消、再エネの導入に力を入れてきました。

小国町政策課は「寄付してくれる人は年に1、2人と少ないが、地熱発電の町であることを売り込みたい」と力を込めました。再エネで人口減少と高齢化が進む地位を元気づかせるのが狙いです。

五島市は将来整備される洋上風力も視野に

風力発電と太陽光発電の整備に力を入れている長崎県五島市は、2020年度から再エネで作った電気の返礼品を導入しました。五島市では2018年、地元の企業、団体、個人の出資で新電力の五島市民電力が設立されています。九州電力管内で、五島市民電力が販売する「ごとうの電気」の販売店・離島エネルギー研究所のプランに加入した人が対象です。

5万円の寄付で平均的な世帯約2カ月分の600キロワット時が届けられます。電気は市内の風力発電や太陽光発電で作ったものです。

五島市沖は2019年、再エネ海域利用法に基づく促進区域に経済産業省、国土交通省から指定され、国交省が事業者の募集を始めています。五島市政策企画課は「再エネは市の4大プロジェクトの1つ。将来の洋上風力発電も視野に入れ、ふるさと納税を通じて地元の広告塔の役割を果たしてもらいたい」と期待しています。

電気が示すふるさと納税の新しい形

ふるさと納税は2008年度の税制改正で創設されました。居住地以外の応援したい自治体に寄付ができ、税控除を受けられる制度で、人口が集中する大都市圏と地方の税収格差を緩和する狙いがあります。当初、返礼品は想定されていませんでしたが、高級牛肉やカニなど特産品を返礼品とする自治体が出現し、爆発的に寄付を集め始めました。

一時は家電製品や金券、他の自治体で調達した牛肉、水産物などの返礼品競争が起き、自治体のふるさと納税のページがまるでインターネットショップの様相を示していました。このため、総務省が度々、節度ある対応を要請したほか、ふるさと納税からの除外をめぐって大阪府泉佐野市と総務省が裁判で争う事態も起きました。

こうした中、電気を返礼品にしたふるさと納税は、派手な寄付金獲得競争がないまま、運営されています。作られた電気に違いがあるわけではありませんが、それぞれの地域の自然を活用した再エネは立派な地場産品といえるのかもしれません。徐々に広がりを見せつつある電気の返礼品は、ふるさと納税の新しい形といえそうです。

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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