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2020年8月の電力業界動向まとめ 電力需要や卸売市場の状況や電源構成最適化への課題など、論点をまとめました

2020年8月の電力業界動向まとめ 電力需要や卸売市場の状況や電源構成最適化への課題など、論点をまとめました

電力需要や卸売市場の状況、非効率石炭火力の取扱いについて、電源構成最適化への課題、洋上風力の競争力強化に向けた議論など、2020年8月の電力会社の動向や論点を関係省庁の資料や発表内容から振り返ってみましょう。

気になる電力業界のニュースのポイントや見ておきたい注目の資料について、エネチェンジを運営するENECHANGE株式会社の顧問である関西電力出身、元大阪府副知事の木村愼作氏の解説してもらいました。

関西電力出身、元大阪府副知事の木村愼作氏

電力需要・卸売市場の状況について

まずは、電力需要・卸売市場の状況について、見ていきましょう。

旧一般電気事業者 2020年度1四半期(4~6月)連結決算について

旧一般電気事業者の2020年4~6月の連結決算が、7月31日に出揃いました。
※旧一般電気事業者とは…北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力をいいます。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済活動の縮小とともに電力需要が減少し、九州電力を除く9社の売上が減収するという結果となりました。経済活動の縮小は、今後も続きます。多くの電力会社の販売電力量は引き続き減少傾向にあり、経営環境は厳しいままと予想されるでしょう。

2020年5月分の電力取引状況について

8月17日、経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会のプレスリリースにて、2020年5月分の電力取引状況が公表されました。エネチェンジ作成の資料から、新電力販売電力量シェアの状況を見てみましょう。

出典:電力取引の状況(電力取引報結果)より、エネチェンジが独自に集計・作成
全体としては落ち込みの大きかった昨年水準よりは上昇傾向にあります。低圧(電灯)はほぼ横ばいで、少しずつシェアを伸ばしていることが見て取れます。特に特別高圧は、2020年3月から大幅にシェアを伸ばしています。

JEPXスポット市場の約定価格について

日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場での約定価格にも注目しておきましょう。

出典:JEPX プライスチェッカー

全国的に35℃を超える猛暑日が続いた関係で、8月17日・18日受け渡しの約定価格が連日40円を超えました。お盆休みが明け、猛暑日が続く関係から更なる高騰も予想されていましたが、27日の15時半~17時半の価格は、中部・北陸・関西・中国・四国・九州エリアで50円にまで迫る結果となりました。

非効率石炭火力の取扱いについて

7月13日に行われた第26回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会では、新たな規制的措置、早期退出を誘導する仕組み、基幹送電線の利用ルールの見直しという今後の検討に当たっての3つの論点が整理されました。すでに議論が進められており、今後の検討スケジュールは以下のようになっています。


出典:非効率石炭のフェードアウト及び再エネの主力電源化に向けた送電線利用ルールの見直しの検討について

7月31日の第41回総合エネ調 電力・ガス事業分科会 電力基本政策小委員会制度検討作業部会では、7月13日議論における作業部会担当分野の検討がスタートしました。

石炭は温室効果ガスの排出量が大きいという問題を抱えていながら、現状において安定供給性や経済性に優れた重要なベースロード電源の燃料として評価されています。非効率石炭火力のフェードアウトを誘導するにあたって作業部会で検討する安定供給の観点から、必要な措置を検討することとしてはどうかという提案がなされました。

その上で、今後の検討にあたっての方向性は以下の3点となります。


出典:非効率石炭のフェードアウトに向けた検討の方向性について|資源エネルギー庁

また、8月7日の第1回総合エネ調 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 合同石炭火力検討ワーキンググループでは、7月13日の議論のうち、2030年の非効率石炭火力フェードアウトに向けた規制的措置の検討に当たっての基本的な考え方や検討の方向性について議論されました。


出典:非効率石炭火力のフェードアウトを巡る状況について|資源エネルギー庁

さらに、電力業界・製造業界の実際に火力を使用する業界へのヒアリングが、8月25日の第2回ワーキンググループでその一部が実施され、さらに9月中旬にもヒアリングが予定されています。

再生可能エネルギー主力電源化について

再生可能エネルギーの主力電源化に向けた動向を見ていきましょう。

電源構成最適化への課題について

前回行われた総合エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会 基本政策分科会 再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会合同会議では、再エネ型経済社会の創造に向けた具体的な論点を議論しました。

関連した情報として、18~20日の日本経済新聞 経済教室に柏木孝夫東京工業大学特命教授、荻野馨東京大学客員連携研究員・佐々木大輔東北大学助教、高村ゆかり東京大学教授が寄稿しています。

3つの記事は「電源構成最適化への課題」として、それぞれ論点がまとめられています。

8月31日には、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第19回)再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(第7回)合同会議が開催されました。議論された内容は以下の通りです。

出典:FIP制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスの更なる活性化|資源エネルギー庁

出典:電力ネットワークの次世代化 系統制約の克服に向けた送電線設備の増強・利用ルールの高度化|資源エネルギー庁

今後も、再エネ普及や電源構成最適化に関して、更なる議論が進められると予想されます。注目しておきましょう。

洋上風力の競争力強化に向けた議論について

経済産業省および国土交通省は、洋上風力発電の計画的・継続的な導入拡大と、これに必要となる洋上風力関連産業の競争力強化を官民が一体となる形で進めることを目的とした「洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会」を設立しました。

出典:洋上⾵⼒の産業競争⼒強化に向けて|国土交通省 経済産業省

7月17日開催の第1回洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会では、洋上風力発電の導入計画、競争力強化に向けた基本的な考え方のほか、以下4点の論点が示されました。

  • 中長期的な洋上風力発電の導入のポテンシャルと課題の分析
  • 分野別の課題の分析
  • 計画的導入に向けたインフラ環境整備のあり方
  • 事業者(業界)の投資やコスト削減等に関する取り組み

秋田県・千葉県の洋上風力における公募の上限価格の設定について

8月19日の第58回 調達価格等算定委員会では、一般社団法人日本風力発電協会より、秋田県・千葉県の洋上風力における公募の上限価格の設定についての意見がありました。

7月に官民協議会が立ち上がったばかりであり、今後さまざまな議論がなされた上で「洋上風力産業ビジョン(仮称)」が策定されることから、上限価格を含めた大きな変更を行う時期ではないと結論づけています。

出典:洋上風力発電の公募・入札に関する意見|一般社団法人 日本風力発電協会

現在の促進区域で計画されている案件を確実に実現させることが重要であるとし、上限価格は現行のFIT価格である36円/kWhをスライド・維持することも選択肢としてはあるが、変更の場合でも、最小限の変更幅に留めるべきという要望を出しています。

また、対着床式では、初めての公募・入札となります。事業者の予見可能性確保の点から、上限価格の明示・公表も決定しました。具体的な上限額は、次回の算定委員会で詰めるとしています。

電力業界の動向、次回は10月にお届け予定です

2020年8月の電力業界の動向から、今後注目したい論点を木村氏に聞きました。さらに詳しく知りたい方は、紹介した資料をご覧ください。

次回は、10月に最新状況をお届けする予定です。

この記事を書いた人

エネチェンジ編集部

エネチェンジ編集部

エネチェンジ内のメディア「でんきと暮らしの知恵袋」の記事を執筆しています。電気・ガスに関する記事のほか、節約術など生活に役立つ情報も配信しています。

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