東電、持ち株会社制移行後の新ブランドを発表。ロゴも一新へ
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東京電力はこのほど、2016年4月1日の持ち株会社制への移行後の商号や新ブランドについての詳細を発表しました。これらの新しいブランドや、それぞれの役割はどうなっているのでしょうか。
東京電力の新しいシンボルマークは「TEPCO」
東京電力の発表によると、全体を統括する持ち株会社を「東京電力ホールディングス」とし、その傘下に3つの事業会社を置きます。燃料・火力発電事業会社を「東京電力フュエル&パワー」、一般送配電事業会社を「東京電力パワーグリッド」、そして小売り電気事業会社を「東京電力エナジーパートナー」としました。
持ち株会社制への移行に合わせてロゴマークも一新します。東京電力の英語略称「TEPCO」を基にデザインし、新たなロゴマークは持ち株会社と燃料・火力発電会社、小売り事業会社が共通で使用します。
消費者が契約するのは「東京電力エナジーパートナー」
このうち、一般消費者が電気の購入のために契約する先は「東京電力エナジーパートナー」になります。
東京電力は「エナジーパートナー」という名称について「電気を含む様々なエネルギー商品やサービスを消費者に提供する」と発表しており、事業会社として電気の販売だけでなく、多様なニーズに応えてゆく姿勢を表しています。
発電や燃料の調達を行う「東京電力フュエル&パワー」
「東京電力フュエル&パワー」は、発電を担当する事業者です。「燃料」と「電気」の2つの意味の言葉をつなぎ、燃料調達から発電までを統合した事業者という意味を込めたとされています。
電気の安定を担うのは「東京電力パワーグリッド」
「東京電力パワーグリッド」は送配電網を示す意味の言葉をストレートに社名とし、事業領域を明確に示しています。
この「東京電力パワーグリッド」はすべての電力事業者に対して公平な送配電事業の提供を行う会社となり、2020年の発送電完全分離(分社化)後には、完全に東京電力グループから切り離されることになります。このことを踏まえて、ロゴマークは常に電気を送り続けることを象徴した「エタニティマーク(∞)」をイメージしたものとなり、TEPCOの文字が含まれない独自の商標となっています。
グループを統括する持株会社「東京電力ホールディングス」が福島第一原発事故の賠償などを受け持つ
これらの3社をとりまとめる持株会社が「東京電力ホールディングス」となります。持株会社は賠償、廃炉、復興支援等に責任をもって取り組むものとされており、責任範囲の明確化が行われています。
分社化のねらいは
これらの新たな事業体制は、2016年4月からの電力小売りの完全自由化とその後の送配電部門の法的分離(2020年)をにらんだものです。現在すでに社内カンパニー制として独立会計の体制を整えている3事業について、他の大手電力会社に先駆けて発電、送配電、小売りの各事業を分社化した体制を整えることで、経営効率の向上と収益基盤の確立、福島第一原子力発電所事故の賠償責任を果たしてゆく姿勢を明確にしました。
電力自由化の流れに対応した企業の組織再編は東電が先陣を切っていますが、他の大手電力なども今後、追随することが予想されます。
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