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地方の電力大手が首都圏で電力販売、背景に見える人口減少の暗い影【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

急激な人口減少により、地元の顧客を他の地域で補う必要性に迫られた地方の電力大手が、次々と首都圏で本格的な電力販売を開始しています。

電力小売りの全面自由化から4月で丸2年を迎えますが、地方に本拠を置く電力大手の首都圏進出が目立ってきました。獲得した顧客の数はまだそれほど多くないものの、首都圏や東日本に新たな発電所を計画して安い電力を確保しようとするほか、首都圏に基盤を持つ企業との提携などで足場を築くのに懸命です。地方は今、急激な人口減少で電力販売の先行きに明るさが見えません。人口が集中する首都圏への進出は、地方電力にとって将来の生き残りを見据えた決断なのでしょう。

四国電力が仙台港に発電所を計画

首都圏での電力販売強化を目論む香川県高松市の四国電力本店。仙台港では発電所の新設も計画している(筆者撮影)
東日本大震災の津波被害から復興した仙台市宮城野区の仙台港。石炭火力発電所の立地や計画が相次ぎ、注目を集めている場所ですが、その中に四国電力が計画する「仙台高松発電所(仮称)」があります。

建設予定地は仙台港の高松埠頭北側にある工業専用地域内約3.6ヘクタール。住友商事と共同で建設する火力発電所で、石炭と木質バイオマスを混焼して発電します。出力は11万2,000キロワット。2018年度下期に着工し、2021年度上期の営業運転開始を計画しています。

年間に使用する石炭は約25万トン。オーストラリアやインドネシア産を想定しています。廃材やおがくずなどを固めた木質ペレットは、北米産を中心に約15万トンを使用する予定。ペレットの混焼率は熱量換算で30%。石炭だけを燃やすのに比べ、二酸化炭素排出量を2割ほど少なくできるとしています。

首都圏で販売用の電力確保が狙い

四国電力にとって、小規模発電所になりますが、発電所を供給エリア外に建設するのはこれが初めて。本拠から遠く離れた仙台をあえて建設場所に選んだのは、東日本でのベースロード電源とするためです。港湾設備や送電線容量など発電所立地の条件が整っていることが決め手になりました。

狙いとするのは首都圏。四国電力は電力自由化後、首都圏に販売網を広げましたが、四国以外の低圧電力販売件数は1月現在で約1,200件にとどまっています。単身者向けの格安電力プランや日本航空と提携したポイントサービスの拡充などを打ち出す中、東日本で安価な電力を確保しておきたいと考えたようです。

仙台高松発電所の年間販売目標量は8億キロワット時。このうち、バイオマス発電分の2億5,000万キロワット時は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づいて東北電力に売電し、残りを首都圏など東日本向けの販売用にしたい意向。四国電力は「四国出身者らのニーズに応え、首都圏で販売を拡大したい」と意気込んでいます。

今後20年余りで四国は90万人近い人口が減少

出典:国立社会保障・人口問題研究所データから筆者作成
四国電力が首都圏で販売拡大を狙う背景には、四国の深刻な人口減少が挙げられます。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、四国の人口は2040年で295万5,000人とされています。総務省が発表した2016年10月現在の人口は381万8,000人。今後20年余りの間に90万人近い人口が減少すると予想されているのです。

4県で最も人口が多い愛媛県は2016年の137万5,000人が107万5,000人、香川県は97万2,000人が77万3,000人、徳島県は75万人が57万1,000人、高知県は72万1,000人が53万7,000人に減る見込みです。

四国は電力自由化後に参入した新電力が少なく、事実上の無風状態といえます。本来なら地元を固めていれば、四国電力の経営は万全といえるところですが、四国は全国でも人口減少が最も深刻な地域の1つ。将来を考えるとのんびり構えているわけにはいかないのが実情でしょう。

九州電力は千葉県で石炭火力発電所を計画

東京電力を除く電力大手の家庭向け低圧電力首都圏向け販売状況

 顧客獲得件数調査時点
北海道電力なし(販売は高圧、特別高圧のみ)
東北電力600件1月16日
北陸電力3,600件2017年12月末
中部電力16万件1月10日
関西電力8万件2017年10月末
中国電力2,800件2017年12月末
四国電力
1,200件(四国以外の販売件数、首都圏のみの件数は非公表)
1月25日
九州電力4,200件2017年12月8日
沖縄電力なし

出典:各社広報担当への聞き取り調査で筆者作成

首都圏で販売攻勢をかけているのは、四国電力だけでありません。首都圏に本拠を置く東京電力以外の電力大手9社のうち、沖縄電力を除く8社は既に販売を始めています。九州電力は関連会社の九電みらいエナジーが首都圏に基盤を持つ不動産業者との連携を強化するなど販売体制の強化に動いています。

自前の電源を九州以外に持っていないことから、千葉県袖ケ浦市に石炭火力発電所の建設を計画しています。東京ガス、出光興産との共同事業で、出力は200万キロワット。2020年代の運転開始を目指し、建設、運営を担う新会社を設立しました。

首都圏の顧客は2017年12月現在、低圧で4,200件。九州電力は「袖ケ浦の電力をどう使うかは今後検討することになるが、首都圏での販売は拡大していきたい」と語りました。

中国、北陸電力もあの手この手のサービス

中国電力はJFEスチールと共同で千葉市に石炭火力発電所を検討しています。出力は107万キロワットで、2020年に建設工事に入り、2024年に運転を始めたい考え。2017年に両社の出資で事業会社を設立しています。

さらに、日本航空とポイント交換で連携したほか、広島カープファンの首都圏の顧客をマツダスタジアムに招待するなど、あの手この手のサービスで浸透を図っています。中国電力は「首都圏は魅力的な市場」としており、2017年12月末で約2,800件の顧客(低圧)を増やそうと力を入れています。

北陸電力は2017年12月末で3,600件の顧客(低圧)を首都圏に抱えています。2017年3月に東京電力より割安の低圧電力メニューを打ち出したほか、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクの携帯電話大手3社と連携してポイントサービスも拡充しています。北陸電力は「北陸出身の顧客から好評を得ている」としています。

このほか、東北電力は首都圏向けの新料金プランを発表、1月から一般家庭向け料金の引き下げを実施しました。北海道電力は2017年11月から工場や事業所向けの高圧、特別高圧の電力販売で首都圏に参入しています。

消失する地元の顧客を他地域でカバー

人口減少に直面しているのは、四国に限った話ではありません。3大都市圏にある関西、中部両電力を除けば、地元の人口減少を深刻に受け止めているのはどの電力会社も同じです。特に北海道や東北、中国の山陰地方、南九州は、四国と同様に大幅な人口減少が社人研の推計で出ています。

人口が減れば住民相手に商売をしている商店や飲食店などが経営できなくなりかねません。金融機関や病院、公共施設も規模が縮小されていくでしょう。電力会社が地元だけで営業していたのでは、やがて利益を上げにくくなることが当然予想できるのです。

日本の電力需要は戦後、一貫して伸びてきました。しかし、東日本大震災後は伸びにブレーキがかかっています。省エネの進展などから電力需要は伸びないとする見方もあり、人口減少地域の電力会社は消失する地元の顧客を他の地域で補う必要性に迫られているわけです。

将来、台風の目になる可能性も

そこで、地方の電力大手が目をつけたのが首都圏です。社人研は東京都も2040年には2010年比で6.5%人口が減ると予測していますが、人口も事業所数も圧倒的に大きいのは将来も変わりません。

地方の電力大手は電力自由化まで首都圏に営業基盤がありませんでした。このため、将来の不安解消も願い、地方出身者や地元発の企業をきっかけに首都圏に足場を築こうと躍起になっています。

現時点では獲得した顧客数は大きくありませんが、ひょっとしたら首都圏の電力販売競争で台風の目になる企業が地方電力大手から生まれるかもしれません。

高田泰(政治ジャーナリスト)

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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