ウォシュレットなどの温水洗浄便座、気になる電気代やお手入れ・節約のポイントは?

この記事の目次
ウォシュレットなどの温水洗浄便座は、今や家庭になくてはならない家電製品のひとつとなっています。洗浄だけでなく便座の暖房や自動開閉、乾燥などの機能がたくさんあって便利な家電製品ですが、一日に何度も使うものなので電気代が気になりますよね。
温水洗浄便座の電気代と、電気代の節約のポイント、さらに日ごろのお手入れや掃除方法などを解説します。正しいお手入れや掃除は、電気代の節約にもなります!温水洗浄便座って身近な家電製品だけど、今まであまり気にかけたことがなかったという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 更新日
- 2020年5月7日
エネチェンジ電力比較診断の3人世帯を選択したシミュレーション結果で、電気代節約額1位に表示されたプランの年間節約額の平均値です。節約額はギフト券などの特典金額も含まれています(シミュレーション期間/2020年1月1日〜13日)
温水洗浄便座の電気代っていくら?

温水洗浄便座の電気代はどのくらいかかっているのでしょうか?
温水洗浄便座は洗浄水の温水のつくり方の違いで、貯湯式・瞬間式の2種類に分かれています。また便器と一体になっているタイプ(タンク一体型とタンクレス)と、後付けできるシートタイプなどがあります。
- 貯湯式
- 貯湯式は、タンク中の洗浄水をヒーターで温めます。一度にたくさんの温水で洗浄できますが、温水を保温するための電力が必要となるので消費電力が多くなります。
- 瞬間式
- 瞬間式はタンクがなく、使用の度に水を瞬間湯沸器で温めます。温水を保温する電力は不要なので、貯湯式よりも消費電力は少ないですが、瞬間的に大きな電力が必要となります。
今回は後付けタイプのTOTOの温水洗浄便座を例に、貯湯式と瞬間式のそれぞれの電気代をみてみましょう。TOTOによると、各温水洗浄便座の電気代は以下のようになります。
なお電気代の算出根拠となる消費電力量は、省エネ法に基づいて湯沸かし方式などの種類別の算定式により、4人家族(男性2人、女性2人)で1日あたり16回使用した場合を基準に算出されています。また便座部は季節別、温水部は年平均としています。
- 貯湯式ウォシュレット「S2(TCF6552)」
- 約371円/月
- 瞬間式ウォシュレット「アプリコットF3AW(TCF4833AKR)」
- 約149円/月
TOTOによる2012年度基準に基づく年間消費電力をもとに、電力量料金の単価を1kWhあたり27.0円として計算されています。参照:TOTOウォシュレットカタログ(2019年12月)
瞬間式は洗浄水を保温しない分、年間消費電力が小さいので、貯湯式比べて瞬間式の方が電気代が安いんですね。
温水洗浄便座の電気代を節約したい!コツは「暖房機能」の使い方にアリ

温水洗浄便座の電気のほとんどは、お尻を洗うための洗浄水の温水をつくる機能と、便座を暖めるための便座の暖房機能に使われます。
この2つの機能を無駄のないよう適切に使えば、電気代は節約できるんです!
節約のポイントをいくつか紹介します。
使い方の工夫だけで、年間約2,020円の電気代が節約できる!
- 洗浄水の温度を低くする
- 洗浄水の設定温度を中から弱へ下げると、電気代は年間約370円節約できます。貯湯式の温水洗浄便座で、周囲温度が暖房期間で11°C、中間期間で18°C、冷房期間で26°Cの場合です。
- 使用しないときは便座のフタを閉める
- トイレを使わない時は便座のフタを閉めて放熱を防げば、電気代は年間約940円節約できます。貯湯式の温水洗浄便座で、フタを閉めたときと、開けっ放しのときとの電気代を比較した場合です。
- 便座の暖房を低くする
- 便座の設定温度を中から弱へ一段階下げると、電気代は年間約710円節約できます。貯湯式の温水洗浄便座で、冷房期間は便座の暖房をオフにした場合です。
参照:省エネ家電の上手な使い方・選び方「電気便座」|省エネ性能カタログ2019年版|経済産業省資源エネルギー庁
洗浄水の温水や便座の温度を低めにする、便座のフタをまめに閉めるなど、ちょっとした工夫で温水洗浄便座の電気代は年間約2,020円も節約できます!
夏は冬よりも暖かい日が多く温水や暖房が不要になるので、設定温度を低くしたり保温機能をオフにしたりしてもよいですね。季節に合わせてじょうずに温度調節をしましょう。
古い温水洗浄便座は買い替えたほうがお得!
最近の温水洗浄便座には、節電機能が導入されているものが多くあります。温水と便座の設定温度を自動的にコントロールする、タイマーで毎日同時刻に電源をオフするなど、省エネ効果が高いため節約が期待できます。
経済産業省によると、2017年製品と2007年製品を比べると、2017年製品のほうが貯湯式で1カ月あたり約304円(年間約3,650円)、瞬間式で1カ月あたり約131円(年間約1,570円)も電気代が安くなるんです!
温水洗浄便座などの生活家電は、故障をして使えなくなってからでないと買い替えない方も多いですが、10年以上経った古い温水洗浄便座を使用しているなら買い替えを検討してみてはいかがでしょうか?
温水洗浄便座の日常のお手入れと掃除のポイント

内閣府の消費動向調査によると、温水洗浄便座の普及率は2020年3月末時点で80.2%(2人以上の世帯の場合)となっています。
毎日使う身近な家電なので、定期的なお手入れと掃除をしっかりして使いましょう。
温水便座の寿命ってどれぐらい?
温水洗浄便座の寿命は地域や使用頻度によって差がありますが、一般的に7年~10年と言われています。
また温水洗浄便座補修用の性能部品の保有年数は、製造終了後6年(各メーカーによって異なる)とされています。製品の機種によっては、一度壊れてしまうと修理ができないという場合もあるので注意しましょう。温水洗浄便座補修用の性能部品とは、製品の機能を維持するために必要な部品をいいます。
ノズル出口のこまめな掃除は、節電・節約効果も高い!
温水洗浄便座は、とても汚れやすい環境で使う家電製品です。とくにノズル出口とノズルシャワー部は、気を付けてお手入れしたい場所のひとつですね。トイレを使った時に稼働するノズル部分に汚れが付着すると作動しなくなってしまったり、負荷がかかって余計な電力を消費したりしてしまうので、ノズル出口はこまめに掃除をしましょう。
- ノズル出口の汚れ
- 掃除の頻度は、週1回が目安です。
- 中性洗剤をしみこませた柔らかい布やスポンジで、汚れを拭きましょう。
- 乾いた布やトイレットペーパーを使うと、本体にキズが付いてしまうので注意しましょう。
- ノズルシャワー部の汚れ
- 掃除の頻度は、2週間に1回が目安です。
- 本体を操作してノズルを引き出し、中性洗剤をしみこませた柔らかい布で拭きしましょう。ノズルの引き出し方法などはメーカーや製品の機種により異なるので確認して行ってください。
- ノズルの先端を無理に引っ張ったり、回したりしないよう注意しましょう。
日常のチェックで機能を維持しよう
温水洗浄便座が壊れると、その間洗浄機能が使えず不便で、衛生的にもよくないですよね。温水洗浄便座を快適に使い続けるためには、早いうちに故障を見抜くことが大切です。
以下の点を日常的にチェックしましょう。
- 便座が割れていないか。
- 便座コードにキズがついていたり、劣化して割れていたりしないか。
- 便座が必要以上に熱くなったり、暖まらなかったりしないか。
- 洗浄水が出なかったり、温水にならなかったりしないか。
- 水漏れはしていないか。
日々のチェックのほかに、メーカーや専門業者に5年を目安に水漏れや電気基盤の点検をしてもらうと、さらに安心ですね。
毎日使う温水洗浄便座、お手入れや暖房機能の工夫で電気代を節約!
温水洗浄便座の電気代と電気代の節約のコツ、正しいお手入れ方法・掃除方法などを紹介しました。
温水洗浄便座の電気代は、便座のフタをこまめに閉める、洗浄水の温水や便座の設定温度を下げるなど、保温機能に使われる消費電力の無駄を減らすことで節約できます。また、省エネ効果の高い最新の温水洗浄便座へ買い替えるだけで電気代が安くなるので、購入から10年以上経っているなら買い替えの検討をおススメします。
毎日の生活を快適に過ごすためにも、なくてはならない家電製品のひとつですよね。きちんとお手入れや掃除をマメにして、故障を防止し長く経済的に温水洗浄便座を使いましょう。