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注目集める小水力発電、電力の地産地消へ過疎自治体が続々と参入【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

徳島県佐那河内村、岡山県西粟倉村、山形県大蔵村など過疎に悩む自治体が、山間部ならではの起伏の激しい地形に適した「小水力発電」導入によるエネルギーの地産地消への取り組みを始めています。

過疎に悩む全国の地方自治体の間で再生可能エネルギーの小水力発電に注目が集まっています。昼夜を問わずに発電できるうえ、電力会社の買い取り価格が太陽光発電より高いのが特徴で、環境破壊もほとんどありません。徳島県佐那河内村、岡山県西粟倉村など各地で既に導入されているほか、山形県大蔵村でも建設計画が進んでいます。各自治体は小水力発電の導入でエネルギーの地産地消に踏み出そうとしているのです。

徳島の山村で42年ぶりに小水力が復活

徳島県佐那河内村が設置した新府能発電所の発電用水車。毎年想定以上の年間発電量を記録している(筆者撮影)
徳島県の東部、徳島市の南隣にある佐那河内村。深い山あいにある徳島県内唯一の村で、山の斜面を生かしたスダチやミカンなど果樹栽培が盛んな土地です。人口は1955年まで5,000人を超えていましたが、過疎の進行で半分以下の2,100人まで減りました。

そんな村が力を入れているのが、再生可能エネルギーの導入です。村内では民間業者がプロペラの風力発電機15基を備えた四国最大規模の風力発電所・大川原ウインドファームを運転しているほか、村も2015年、国の補助金を受けて新府能小水力発電所を建設しました。

新府能発電所の近くには1921年から1973年まで府能小水力発電所が運転していました。再生可能エネルギーを推進するため、42年ぶりに復活させた形になります。

想定上回る売電量、年間1,000万円の収入

新府能発電所は農業用水路を活用した出力45キロワット。取水池から130メートルの落差を延長450メートルの導水管を通して水を送り、イタリア製の水車発電機を回します。しかし、水量が少ないため、発電量はそれほど大きくありません。

村が想定する年間発電量は25万キロワット時。一般家庭の使用量にすると、70世帯分に相当します。これまでは想定量を上回る28~30万キロワット時の年間発電量を記録し、固定価格買い取り制度で売電して年間1,000万円程度の収入を上げてきました。収入は施設の管理費のほか、集落排水施設の電気料金に充てて村民に還元しています。

村は近い将来、もう1施設の建設を計画しています。村産業環境課は「小水力は水さえあれば発電でき、環境への影響が少ない。中山間地に適した発電方法だ」と喜んでいます。

環境にやさしく、昼夜を問わずに発電が可能

全国小水力利用推進協議会によると、小水力発電の定義は各国でさまざまですが、国内では新エネルギー法の施行令で出力1,000キロワット以下とされています。一般の水力発電がダムを建設して河川の水をため、発電しているのに対し、小水力発電は河川や農業用水、上水道施設などの使用されていない水をそのまま利用します。

設置場所が水の落差と一定の流量がある場所に限られ、大規模な水力発電と同じ手続きが必要になるなど短所もありますが、昼夜、年間を問わずに安定した発電が可能で、設備利用率が太陽光の5~8倍と高く、経済効率が優れているなどの長所を持ちます。一般の大規模水力発電と異なってダム建設がないため、環境にやさしいのも特徴です。

小水力発電の特徴
長所
昼夜、年間を通じ、安定した発電が可能
設備利用率が50~90%と高く、太陽光の5~8倍
経済性が高い
太陽光に比べ、設置面積が小さい
短所
設置地点が限られる
法的手続きが煩雑
落差と流量に応じた機器開発が必要
一般市民の認知度が低い

出典:全国小水力利用推進協議会ホームページ

全国小水力利用推進協議会は小水力発電に利用可能なエネルギーが電力に換算して全国に300万キロワット分あると推計しており、「適地は多い。地域活性化に向けた地産地消のエネルギーとして期待していいのではないか」とみています。

岡山の山村では合計5基の小水力が稼働

岡山県の北東部、兵庫、鳥取県境に面した西粟倉村も、小水力発電に積極的な取り組みを示す自治体の1つです。村面積の95%を森林が占め、人口わずか1,500人の山村ですが、出力が非常に小さいものも含めて計5カ所の小水力発電所が運転しているのです。

このうち、最大の出力を誇るのが、坂根地区にある西粟倉発電所めぐみです。1966年に竣工した施設で、もとは西粟倉村農協が経営していましたが、2004年の農協合併に伴って村に移管されました。

1.8キロのトンネルを掘って吉野川と支流の大海里川から取水し、69メートル下の発電機に水を落としています。出力は290キロワット。2013年から改修工事を進め、2014年から再稼働しているところです。年間の売電収入は7,000~8,000万円に及び、定住促進や高齢者対策事業に充てられています。

さらにもう1基の建設を計画

影石地区の影石水力発電所は出力5キロワット。農業用水から取水し、普段は売電と再生可能エネルギーの普及啓発に利用されていますが、災害時には電気自動車や避難所への電力供給に使用する計画です。

このほか、電気自動車の充電用に使用する影石地区のマイクロ水力発電所(出力5キロワット)、川のごみを取り除く除塵機の電源とする大茅地区の大茅ピコ水力発電(1.3キロワット)、登山者用トイレの照明などに使う大茅地区の若杉天然林Pマイクロ発電所(1キロワット)が稼働中です。

さらに、村は6カ所目となる西粟倉第2発電所を計画しています。出力199キロワットで、2019年からの運転を目指しています。村産業観光課は「売電価格は太陽光より高く、収益が増えればさまざまな事業に活用できる。財政難の村にとって宝の山です」と期待を口にしました。

山形では砂防堰堤利用の小水力に今春着工

日本工営グループが小水力発電を計画している山形県大蔵村の舛玉砂防堰堤。河川水の高低差を利用して効率よく発電する(日本工営提供)
山形県大蔵村では、総合建設コンサルタントの日本工営がグループ会社の工営エナジー、村、もがみ自然エネルギーと共同出資で新会社のおおくら升玉水力発電を設立、赤松地区の銅山川舛玉砂防堰堤に小水力発電所を建設することで合意しました。

10.2メートルの落差を使って発電する計画で、堰堤の直下に発電所を設けます。最大出力は490キロワット。年間で3,500メガワット時の発電量を見込んでいます。一般家庭1,200戸分の使用電力に相当する量に当たり、固定価格買い取り制度に基づいて売電する計画です。

建設着工は2018年4月、完成は2020年8月の予定。大蔵村は東日本で有名なトマトの産地ですが、1970年に6,000人を超えていた人口が3,200人まで減少し、深刻な過疎に悩まされています。日本工営は「再生可能エネルギーで電力自給率の向上を目指しながら、地域貢献を果たす先駆けにしたい」と意気込んでいます。

山間部ならではの地形が宝の山に

日本全体が人口減少に転じる中、中山間地の過疎地域は急激な人口減少で地域消滅の危機に瀕しています。財政難の中、有効な対策を打ち出す余裕がなく、対応に苦慮しているのが実情です。

しかし、小水力発電の適地が存在するのは、こうした過疎の中山間地が大半です。適地を見つけ、発電所を建設すれば、「おおむね10年程度で初期投資を回収でき、残りの10年で利益を見込める」(西粟倉村産業観光課)ともいわれています。

山間部ならではの起伏の激しい地形が、電力という新しい宝を地域にもたらす可能性があるわけです。小水力発電1基ずつの発電量は大きくありませんが、多くの自治体が過疎地再生に大きな期待を寄せています。

高田泰(政治ジャーナリスト)

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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