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風力発電関連機器の国内生産額が大幅減少、国内市場を海外製品が席巻【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

再生可能エネルギーが主力電源に位置付けられ、国内の電力、都市ガス大手が風力発電に注目し始めています。風力発電関連機器の市場は、今後ますます拡大することが予測されますが、国内生産は減少し、欧米諸国や中国製の機器が日本市場に勢力を拡げてきています。

政府のエネルギー基本計画で再生可能エネルギーが主力電源の1つに位置づけられたうえ、民間企業の間で再エネ電力の活用が広がりつつあるのを受け、国内の電力、都市ガス大手がそろって風力発電に力を入れ始めました。しかし、海外製品に押され、風力発電関連機器の国内生産額は減少する一方で、空洞化が急速に進んでいます。

印南風力発電所が和歌山県で営業運転

大阪ガスの子会社であるガスアンドパワーが和歌山県印南町に設けた印南風力発電所(大阪ガス提供)
和歌山県中部にあり、エンドウ豆やスイカの産地として知られる印南町。紀伊山地と紀伊水道に囲まれた人口約8,000人ののどかな町で、樮川(ほくそがわ)、羽六両地区の山の尾根に13基の風車が設置されています。
大阪ガスグループのガスアンドパワーが出資する印南風力発電が2018年6月から営業運転している印南風力発電所です。

現場は印南町と隣のみなべ町を結ぶ農業用道路の「黒潮フルーツライン」の近くで、印南町と樮川区が所有する山林27.2ヘクタールを整備して風力発電所を設けました。支柱の高さ78メートル、ブレードと呼ばれる羽の長さ42メートル。尾根伝いに巨大な風車が一列に並んだ姿は壮観です。

風車1基当たりの出力は2,000キロワット。13基合わせた総出力は一般家庭約1万4,000世帯分の使用電力に相当する2万6,000キロワットに達します。印南町の総世帯3,250世帯の4倍以上をカバーできる電力量です。

大阪ガスグループが風力増設に本腰

ガスアンドパワーは大阪ガスが100%出資した子会社で、既に和歌山県由良町と広川町、高知県津野町、山口県平生町、佐賀県唐津市で風力発電所を運営しています。印南発電所がちょうど6か所目となりますが、北海道蘭越町でも風力発電所を新設する計画です。

大阪ガスグループは2030年ごろまでに国内外で100万キロワット程度の再エネ電源の確保を目標に掲げています。ガスアンドパワーはこれを達成するために、国内の適地を探して風力発電所を建設しているのです。

大阪ガスは「低炭素社会の実現は早急に実現すべき大きな課題。今後も風力発電の開発を進め、二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減に努めたい」と力を込めました。

他の電力、都市ガス大手も風力に注目

日本の風力発電は欧米に比べ、大きく後れを取ってきましたが、ここに来て大阪ガス以外の電力、都市ガス大手が投資を加速させています。

東京電力ホールディングスは2019年1月、千葉県銚子市沖で出力2,400キロワットの沖合洋上風力発電所の運転を始めました。東電は今後、国内外で洋上を中心に風力発電を開発する方針で、国内洋上風力について将来的に総開発規模200~300万キロワットを目指しています。

九州電力と西部ガスは北九州市の北九州港で出力約22万キロワットの計画を進めているほか、関西電力と中部電力、東北電力は秋田県の能代港、秋田港で新設計画を持っています。陸上、洋上を問わず、電力、都市ガス大手の目が風力発電に注がれるようになっているのです。

政府のエネルギー基本計画で初めて主力電源に

エネルギー政策の中長期的方向を示す2018年策定の第5次エネルギー基本計画では、再エネが初めて主力電源に位置づけられました。2030年度の電源構成に占める再エネ比率を22~24%にするとした政府目標も盛り込まれています。

再エネは2012年に始まった固定価格買い取り制度で急増し、電源構成比が2010年の約10%から2016年度で約15%まで増えました。経済産業省が控えめな目標値を強く主張したため、22~24%となりましたが、外務省や自民党からもっと高い目標を立てるよう求める声が出ていました。

この計画では再エネの割高な発電コストをどう下げるか、世界の中で遅れている風力発電の普及をどのように推進するかなど、課題解決の方策を示していませんが、政府も以前より風力発電に前向きになったといえそうです。

風力関連機器の国内生産額は右肩下がりの減少

ところが、こうした状況にもかかわらず、風力発電関連機器の国内生産が急激に減少しています。印南風力発電所は日立製作所製の機器を使用して建設されましたが、欧米諸国や中国製の機器が日本市場を席巻しているのです。

日本産業機械工業会は2009年度から毎年、風力発電関連機器の国内生産額をまとめています。それによると、2016年度は720億円しかなく、2009年度の2,513億円から3分の1以下に落ち込みました。

2017年度以降の数字はまだ公表されていませんが、2017年度は300億円を下回ったもようです。2018年度はさらに減少したとみられ、2009年度の10分の1程度まで落ち込んだとの見方も出ています。

2009年度からの経年変化をグラフにすると、極端な右肩下がりで生産額が激減しています。日本産業機械工業会は「メードインジャパンの風力発電が非常に厳しい状況に追い込まれている」と分析しています。

風力発電関連機器の国内生産額


出典:日本産業機械工業会「風力発電関連機器産業に関する調査研究」

生産から撤退、海外企業と提携するところも

日本市場を席巻しているのは、世界トップのデンマークのヴェスタスや米国のゼネラル・エレクトリック、ドイツのシーメンスなどです。小型の風車は格安の中国製が攻勢をかけてきています。海外製品に押され、風力発電の主要企業は生産縮小や市場からの撤退を余儀なくされているのです。

三菱重工業はかつて風力発電で世界のトップテンに入っていましたが、2015年に陸上に設置する風車の新規製造を取りやめました。現在はヴェスタスと洋上風力の合弁会社を設立し、生き残りを図っています。

日本製鋼所は2017年、風力発電の受注を停止して事実上撤退していましたが、2019年4月に正式に製造販売事業からの撤退を表明しました。日立製作所はドイツのエネルコンとの提携を拡大し、エネルコンとの共同開発体制に転換しています。

最近まで国産の大型風力発電を生産してきたのは、三菱重工業、日本製鋼所、日立製作所の3社でしたから、日本製風力発電の危機がはっきりとうかがえます。

日本産業機械工業会は品質で差別化を提言

風力発電は部品の納入業者など産業としてのすそ野が広く、経済波及効果や雇用創出効果が大きいとされています。国内メーカーにとって厳しい冬の時代が続いていますが、メーカーの約6割が今後、国内、海外市場とも拡大するとみています。

日本産業機械工業会は「現状を打開するためには、国内メーカーが知恵を絞って品質で海外製機器との差別化を図るしかない」との見方を示しました。国内メーカーは正念場を迎えているようです。

高田泰(政治ジャーナリスト)

高田泰(政治ジャーナリスト)

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆している。
高田泰(政治ジャーナリスト)
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