歯科医院、開業資金や費用はいくら?経営サバイバル術もご紹介!

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「いつかは自分のクリニックを持ちたい」-歯科医師として働いている人の中には、こんな野望を抱いている人も多いのではないでしょうか。でも、それには綿密な準備が必要です。開業資金や費用に関する知識や、歯科医院の経営が行き詰まる原因についても、確かな知識を持っておくことが大事。そこで、歯科医院の開業を目指すときに最低限これだけは押さえたい知識をご紹介します。
歯科医院を開業する時、開業資金や費用はいくらかかる?

初期費用一覧
ビルにテナントとして入る場合を想定し、初期費用の合計をまとめてみました。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
敷金または保証金 | 50万円 | 家賃1か月分 |
家賃 | 600万円 | 家賃1年分 |
礼金 | 50万円 | 家賃1か月分 |
仲介手数料 | 50万円 | 家賃1か月分(別途消費税あり) |
内装工事諸費用 | 1,500万円 | ユニット2台を想定、内外装・キャビネット工事を含む |
歯科診療ユニット | 700万円 | |
エアーコンプレッサー | 50万円 | |
バキュームシステム | 50万円 | |
滅菌器 | 50万円 | |
レントゲン設備 | 750万円 | |
光重合器 | 40万円 | |
その他医療機器 | 100万円 | |
電子カルテ保険請求システム(レセコン) | 60万円 | |
歯科材料、その他消耗品の仕入れ | 150万円 | |
広告費 | 100万円 | |
運転資金 | 1,200万円 | |
合計 | 5,500万円 |
これはあくまでも、初期費用の一例です。最近では他の歯科医院との差別化を図るため、インテリアに凝る場合も多いでしょう。そうなれば内装工事費用が上がるため、もっとお金がかかります。つまり、「何かやろうとしたらお金はかかる」くらいな勢いで考えないと、計画の段階で行き詰まることも……注意が必要です。
歯科医院を経営するうえでのリスク

リスクのない物事なんてありません。歯科医院の経営といえども、それは同じ。何が原因で経営が行き詰まるかは、場合によって様々です。そこで、経営上のリスク要因について考えてみました。
歯科医院がとにかく多い
歯科医院を経営する上でのリスクとして、まず押さえてもらいたいことがあります。それは、歯科医院の件数はかなり多いという事実。厚生労働所が平成26年に行った調査によれば、全国の歯科医院の数は68,592件にも上っています。
参照:平成26年(2014)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況
この数字だけではいまいちぴんとこないかもしれません。参考になる数字をもう一つあげてみましょう。平成27年10月現在のデータですが、日本全国にあるコンビニエンスストアの数は53,182軒となっています。
参照:一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会 「コンビニエンスストア統計調査月報 2015年10月」
大雑把な比較ですが、コンビニエンスストアより歯科医院のほうがずっと数が多いのです。ここに新規参入するということ自体がすでにリスクである、という事実を頭にとどめておいたほうがいいでしょう。
患者さんが来ない
歯科医院にとって、一番あってほしくない事態とはなんでしょうか?答えは簡単。患者さんが来ない、という事態です。これは歯科医院に限ったことではなく、独立してビジネスを営む以上、誰もが直面する可能性はあります。なぜ、そのような事態が起こるのか考えてみましょう。
まず考えたいのは、近所に歯科医院があって、そこに患者さんが流れている可能性です。思い当たる節がある場合、他の歯科医院がどんな取り組みをしているのか確認してみるといいでしょう。また、集客活動に力を入れていなかったため、患者さんが来ない可能性もあります。これもやはり、取りうる手段がないか考える余地はありそうです。
保険内診療以外のことができない
歯科医院で提供する診療は、保険内のものと保険外のものがあります。このうち、保険内のものは診療報酬が決まっているので、歯科医院が受け取る報酬は大きく動くものではありません。しかし、保険外の診療の場合、報酬は歯科医院が独自に決めていいのです。
と、いうことは、保険外の診療も提供できたほうが高い診療報酬の獲得につながります。もちろん。法外な診療報酬を請求するのは問題です。しかし、ある程度は高い水準の診療を提供し、それなりの報酬を頂けるビジネスモデルを確立するのが、歯科医院の経営を行う上で必須となるでしょう。つまり、保険外の診療ができないのは、大きなリスク要因なのです。
運転資金が足りない
これも歯科医院に限ったことではありませんが、新しくビジネスを始めると、何かとお金がかかります。足りない備品を買いそろえたりする費用も必要です。また、当たり前ですが水道光熱費、通信費などの固定費も侮れません。日々、どれぐらいかかるのか?という見積もりを誤ると、一気に使えるお金=運転資金が足りなくなる、というリスクもあります。
なお、歯科医院を開業しようとする人ならわかるかもしれませんが、診療報酬が実際に手元に入ってくるまでには、長い時間を要します。開業してからすぐには、診療報酬は手元に入ってきません。このあたりの事情も鑑みて、運転資金の見積もりを行う必要があるでしょう。
リスクを避けるには?

できる限り自己資金を用意する
当たり前ですが、お金はあるに越したことはありません。特に、歯科医院は開業してしばらくは診療報酬が入ってこない、という点で、資金繰りがショートするリスクと隣り合わせです。そのため、自分の力でどれだけ開業資金を準備できるか、が一つのポイントになってくるでしょう。
今、独立開業を考えている歯科医の人は、自分でどれだけ開業資金を準備できるか、綿密なシュミレーションを行ってください。そして、ある程度のめどが立つようであれば、具体的に動きはじめるぐらいでちょうどいいでしょう。
確かな技術を身に着ける
先にも書いたように、保険診療の適用内の診療しかできないのは、独立開業するうえではかなりのマイナスです。やはり、保険外診療もできたほうが、診療報酬をもらえるチャンスはぐっとあがります。とはいえ、確かな技術もないのに高い報酬だけいただく、という考えでは、患者さんは来てくれません。講習を受ける、勉強会に参加するなど、技術を磨くチャンスはたくさんあります。自分自身のブラッシュアップを怠らないようにしましょう。
経営者としての目線も身に着ける
歯科医院は立派なビジネスです。つまり、開業する歯科医に求められるのは、確かな診療技術だけではありません。経営に関する幅広い知識が必要になります。歯科医として仕事をする中で、畑違いの経営の知識を身に着けるのは難しいかもしれません。しかし、外部専門家(税理士、各種コンサルタント等)の話も理解できないようでは、雲行きが怪しいです。せめて、話は理解できるくらいの知識は習得しましょう。
いい意味でケチになる
どんなビジネスにも、「かけるべき経費」と「かけないべき経費」があります。つまり、お金を支払ってでもそれを上回る効果があるなら経費をかけるべきですし、そうでないならやめたほうがいいでしょう。いい意味でケチになりましょう。つまり、「この経費には意味があるのか?」という視点を常に忘れないことです。こういった視点を身に着けるには、自分自身で「運営にはどんな経費がどれだけかかるか?」を認識し、「それに対しできることはなにか?」と考えることです。その一環として、水道光熱費の見直しも行っていただきたいと思います。
歯科医院の開業まとめ
今回は歯科医院の開業、主に初期費用についてまとめました。かなりの費用が必要だということが、明確になったかと思います。コンビニよりも多いのは驚きですね。せっかく自分のクリニックをオープンするのであれば、しっかりと計画を立てて成功させましょう。
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