エネファームとは?エコキュートとの違いやガス代、費用について解説
この記事の目次
「エネファームってガス代が高くなるって聞くけど本当?」
「エネファームとエコキュートは何が違うの?」
エネファームは省エネにつながり、環境にも優しいエネルギーシステムとして注目されています。一方で、上記のように疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エネファームの仕組みや費用、本当に光熱費を節約できるのかについて解説していきます。
- 更新日
- 2024年2月5日
エネファームとは
そもそもエネファームとは、どんな仕組みの設備なのでしょうか。エネファームの基礎知識を解説します。
エネファームとは「家庭用燃料電池」のこと
エネファームとは、ガスを使って自宅で電気とお湯を作り出せる、家庭用燃料電池のことを指します。「エネルギー」と「ファーム(農場)」を組み合わせて名付けられました。エネルギーを自宅で作ることで、無駄なく使える、省エネ・環境性に優れた設備です。
2009年にエネファームが販売開始。2023年末には50万台を突破し、現在も普及が進んでいます。
エネファームの仕組み
エネファームの仕組みは、都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて、電気を作り出すというもの。
ガスを燃焼するわけではないので、クリーンなシステムです。また、電気を作るときに発生する熱で、お湯を同時に沸かせるというのもエネファームの特徴で、エネルギーを無駄なく活用できます。
エネファームは、電気と給湯だけでなく、床暖房などの暖房設備に利用することもできます。
エネファームとエコキュートの違いは?
エネファームと同様に、省エネを実現する設備として「エコキュート」も注目されています。二つの違いはどこにあるのでしょうか。
エコキュートは、ヒートポンプ技術によって、電気を使って、空気の熱を集め、お湯を沸かす設備です。空気の熱を利用するので、「1」の投入エネルギーに対して「2以上」の熱エネルギーを得ることができます。
双方の大きな違いは、エネファームはガスから電気とお湯を作り出すのに対し、エコキュートは電気からお湯を作り出すという点です。使用する燃料と、作り出せるものが異なります。
一方、どちらもエネルギー効率を高める仕組みの設備であり、省エネにつながるというところは同じです。
エネファームのガス代って高いの?
「エネファームはガスで電気を作るから、ガス代がすごく高くなるんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。
では、実際はどうなのでしょうか。エネファームは、電気を作り出すため、料金を比較する際は、ガス代と電気代を含めた「光熱費」全体で見ることが、重要なポイントです。
エネファームを設置すると年間光熱費を7万円前後削減できる場合も!
西部ガスの試算によると、給湯暖房機をエネファームに変えた場合、戸建4人家族のケースで年間約42,510円の光熱費を削減することができるそうです。
出典:エネファームの特徴・機能/西部ガス
京葉ガスの試算も見てみましょう。京葉ガスは、同じく戸建4人家族の場合、年間約68,000円の光熱費を削減できるとしています。
出典:パナソニック製エネファーム/京葉ガス
確かに、一般的に、ガスの使用量は従来システムよりも増えますが、購入する電力量を減らせるため、光熱費全体は安くなる可能性があるということです。
ガス会社によっては、エネファームを利用している方向けのガス料金プランがあります。これらのガス料金プランに切り替えることによって、さらに光熱費を節約できるかもしれません。
太陽光発電とエネファームのW発電
エネファームに太陽光発電を組み合わせたダブル発電なら、電気の発電量にさらに余裕ができます。エネファームで作った電気を優先的に使用し、太陽光発電による電気は、電力会社に売ることで、売電量自体をアップできるでしょう。
売電による収益も含めると、さらに家計全体の節約につながります。
エネファームの費用は?
エネファームを導入する際は、本体の購入費用の他に設置費用も必要になります。
大阪ガスが販売しているエネファームtyps-S(192-AS15型/AS16型+136-N460型/136-N250型)本体の費用は、停電時自立発電機能付きで2,290,750円、停電時自立発電機能なしで2,109,250円です。
出典:商品情報/大阪ガス
また、その他、商品や会社によっては100万円前後のプランもあるようです。エネファームは本体価格以外に設置するための工事費用もかかります。一般的に、エネファームの導入には100〜200万円以上かかることを、事前に知っておきましょう。
エネファームのメリットは?
エネファームを導入するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
エネルギー効率が良く、環境に良い
エネファームのメリットとして、省エネで環境に優しいことが挙げられます。
エネファームは、家で作った電気をそのまま使用します。よって、通常は電力会社から電気を送るときに生じる送電ロスが、エネファームでは発生しないのです。
送電ロスがなくなれば、無駄な電気を生み出さずに済むので、効率的なエネルギー運用につながります。エネファームの普及推進を行う任意団体エネファーム・パートナーズでは、従来のシステムによる発電だと、エネルギー利用率が41%のところ、エネファームの場合、エネルギー利用率が約85~97%と試算しています。
LHV(高位発熱量:燃料を燃焼させた時に生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に加えない発熱量)基準。エネファーム製造メーカー公表値より。エネファームの数値は機種によって異なります。
出典:エネファームって?/エネファームパートナーズ
災害時でも電気・お湯が使える
エネファームは、作られた電気とお湯を貯めておき、必要な時に使うシステムです。そのため、災害時でも作られた電気とお湯が使えます。商品によっては、停電しても電気が使えたり、ガスが止まってもお湯が作れたりするタイプも。災害対策としても有効に活用できます。
エネファームのデメリットは?
メリットだけではなくデメリットも確認して、エネファームを導入するべきか、じっくり検討しましょう。
導入費用が高い
上述したように、エネファームの導入には100〜200万円近くの導入コストがかかります。
一方、エコキュートは本体価格で数十万円、ガス給湯器は本体価格で数万〜数十万円ほどのものが多いので、比較するとエネファームの導入費用は高いです。
さらに、エネファーム導入後は定期的にメンテナンスをしなければならず、都度コストがかかる場合もあります。メンテナンスや修理を含むアフターサービスの内容は、確認しておきましょう。
ただし、国や自治体の補助金制度を使えることもあります。導入を検討する際は、事前に、お住まいの自治体に問い合わせたり調べたりしましょう。
設置スペースが必要
エネファームを設置するためには、設備を置く広いスペースが必要なのも、注意しなければならない点です。本体を置くスペースだけでなく、配管や配線経路の確保も必要になります。
エネファームで光熱費を節約
この記事では、エネファームの仕組みやガス代、エコキュートの違い、費用について解説しました。
エネファームは、省エネで環境に優しい設備として、普及が進んでいます。メリット・デメリットを理解した上で、導入を検討してくださいね。
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