引越し時に電力会社の住所変更や契約をしなくても電気は使える?忘れてしまったときの対処法

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引越しの準備が想像以上にバタバタして、直前になって電力会社への住所変更手続きや契約手続きを忘れていたことに気づく……なんてことは、よくある話です。引越し先で電気が使えなかったらどうしよう……電気は契約しなくても使えるのかなとお悩みの方もいるでしょう。
そこでこの記事では、
- 引越し先の電気の契約はどうなるの?
- すぐに電気は使えるの?
- 罰金とかはあるの?
こんな疑問にお答えすべく、たまたま手続きを忘れてしまったうっかりさんの体験記をレポートします。
【引越し当日】電気の契約をまだしていない!部屋は真っ暗!?
引越しの準備は忙しくなるものです。そうなると、ついつい後回しになるのが公共料金の住所変更手続きです。とくに電気は電力自由化で電力会社を自由に選べるようになったので、引越しのタイミングで見直したいという方も増えています。
とはいえ、やらなきゃと思いながらも結局電力会社を決める前に引越し当日を迎えてしまったというのもよくある話です。もし手続きを忘れてしまったら一体どうなるのでしょうか。無事に電気は使えるのでしょうか……!?
電気は契約していなくても使えるの?

部屋のブレーカーを上げると無事に電気が使えるようです。真っ暗な中で1日過ごすことにならなくてよかった!
さて、ひとまずは電気が使えてホッとしたものの、この電気は一体いつまで使えるのでしょうか??
引越し先がスマートメーターに交換済みだと、契約なしでは電気がつかない!?
一般的に引越し先の電力メーターが従来のアナログ式の場合は、電気の引越し手続きや契約をしていなくても部屋のブレーカーを上げれば電気を使えるようになります。しかし、すでにスマートメーターに取り替えられている場合は、基本的に事前の連絡がない限り電気を使えません。
デジタル式のスマートメーターが設置されている場合、電力会社が電気の供給開始・停止を遠隔ですぐに行えるため、手続き前は電気の供給が停止した状態になっていることが多いのです。もし引越し先で電気が使えないことがわかったら、できるだけ早く東京電力などの旧一般電気事業者(東京電力・中部電力・関西電力など)へ連絡しましょう。
【引越しから数日】契約はしていないけれど、まだ電気は使えています
引越しから数日が経過し、とくに電力会社へ連絡をしていませんが、電気は問題なく使えています。こうなってくると気になるのは「いつまでこのまま電気が使えるのか?」ですよね。
うっかりさん、日々に忙殺され、そのまま契約手続きを忘れてしまいました……。はたして、どうなる?
【引越しから約1カ月】電力会社と契約せずに放置していたら、突然連絡が!
7月末に賃貸の契約をし、8月初旬に引っ越してから本格的に電気を使い始めました。真夏だったのでエアコンもいつものように使用していました。そんな日々を過ごしていたら、ついに届きました。
東京電力パワーグリッドは東京電力グループの送配電会社です。お知らせは9月5日に届いたので、電気を使い始めてから約1カ月が経っています。内容をくわしく確認していきましょう。
(前略)
さて、本日検針にお伺いいたしましたところ、◯◯kWhのご使用量が算出されておりますが、当ご使用場所については、電気のご使用開始手続きの確認が取れておりません。
つきましては、電気のご使用開始の手続きについて、電気のご契約をされる小売電気事業者へご連絡をお願いいたします。
なお、9月12日までに手続きの確認が取れなかった場合は、安全上の理由から9月13日以降、電気の送電を中止させていただくことがございますので、あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。
(中略)
※小売電気事業者がお決まりでない場合は、特定小売供給約款によるご契約が可能です。下記東京電力カスタマーセンターまでお問い合わせください。平成28年9月5日
東京電力パワーグリッド株式会社
「特定小売供給約款(電気供給約款)」とは、電気の供給を行ううえでの電気料金やその他の供給条件などを定めたものです。
9月5日にこの紙が届きました。簡単にいうと、1週間後である12日までにどこかの電力会社と契約するか、使用開始の手続きをしてくださいという内容ですね。急に電気が止まるわけではなく、事前に告知があるのは助かります。
供給停止の際は、事前告知が定められています
供給停止の事前告知は、実は経済産業省による「電力の小売営業に関する指針」で定められています。
(1)小売電気事業者による小売供給契約の解除により無契約状態となる需要家に対して、供給停止を行う5日程度前までに供給停止日を明示して、小売電気事業者と小売供給契約を締結しない場合には無契約状態を理由とする供給停止になる旨の予告通知を行うこと。
(2)供給停止の予告通知の際に、最終保障供給(経過措置期間中の低圧部門への供給は特定小売供給)を申し込む方法があることを説明すること。
出典:電力の小売営業に関する指針
うっかりさんのところにも、ちゃんと指針通りに通知がきたというわけです。すでに1カ月も手続きなしで使ってきたわけですから、さらに期日までに手続きをしなければ電気を止められても文句は言えません。いわれたとおり、早めに手続きを済ませたほうがよいでしょう。
ちなみに別の電力会社に切り替えを考えている場合も、一旦は旧一般電気事業者に連絡をしておいたほうがよいでしょう。こうしておくことで、ひとまずは安心して電気を使えるようになり、切り替え先の電力会社選びもじっくり行えます。
逆にさらに放置を続けて電気を止められてしまった場合、電気が使えないばかりかそのままだと電力会社の切り替えもできないことがあります。いずれにしても放置するメリットはありませんので早めに連絡をしましょう。
【正式な契約後】連絡せずに使った分の電気代は後日請求されます!
住所変更の手続きをせずに電気を使えたのはよかったものの、この期間の電気代は支払わなくてもよい?支払うとしたら一体どこに支払うの?と不安になってしまいますよね。実は、この期間の電気代は暫定的に電気を供給していた東京電力などの旧一般電気事業者に支払います。電気代は入居日までさかのぼって、基本料金は日割りで、従量料金は使用した分として計算され、後日請求されます。
当然ですが、「契約をしていないから支払わなくてよい」などということはありませんので心しておきましょう。
引越しのとき、電気は契約しなくても使えるの?
引越しで電気の住所変更や契約をしなくても使えるか?といううっかりさんの体験記でした。最後にポイントをまとめておきましょう。
- 電気の住所変更・契約手続きを忘れても、電気は使える場合があります
- 1カ月くらい無断で使っていると、送配電会社から通達がきます
- 通達後、1週間以内に手続きしないと電気が止まる可能性があります
- 連絡せずに使った分も後日ちゃんと請求されます
引越しにあわせて電気の手続きをしなければけないことはわかっていても、ついつい忘れることは誰にでもありえます。引越し先の電力メーターがスマートメーターに交換されていない場合は、ブレーカーを上げれば基本的に電気を使えますが、すでにスマートメーターへの交換が済んでいる場合はすぐに使えない可能性があります。
そのときは、できるだけ早く電力会社に連絡をして、とりあえず電気の供給を開始してもらいましょう。
電力会社の切り替えを考えている方は、そのあとに切り替え手続きを進めることになります。また、手続きを忘れたまま暫定的に使い始めた場合も、引越し後、早めに住所変更手続きや切り替えの手続きを済ませたほうがよいでしょう。
引越しでの電気の手続きはエネチェンジが便利です
「引越し日が迫ってきたけれど、電気の手続きがよくわからず不安」という方は、エネチェンジをご利用ください。エネチェンジ引越し先での電気の手続きでは、各エリアごとにおすすめの電力会社を提示し、スムーズな手続きをサポートします。
もちろん、インターネット上でお申込みまで完了させることもできます。引越し先での契約手続きと使用開始手続きが同時にできるため、忙しい引越し準備の負担を軽減できますよ!