光回線とは|メリット・デメリットなどを解説

この記事の目次
光回線とはインターネット接続サービスの一つです。この記事では、ほかのサービスと比較した際の光回線のメリットやデメリットを詳しくお伝えします。「どのインターネット接続サービスを選べばいいか分からない」「光回線が自分に合っているかどうか不安」という方は、ぜひ参考にしてください。
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- 更新日
- 2025年7月15日
光回線とは高速&大容量のデータ通信が行えるサービス
光回線とは、インターネットに接続するためのサービスの一つです。ガラスやプラスチックでできた、光を通すケーブル「光ファイバー」を通じて、光の反射や屈折によりデータを転送します。
一般家庭への光回線サービスがスタートしたのは、2001年。その後、2000年代前半から中盤にかけて数多くの事業者が参入し、現在ではインターネット接続サービスの主流のひとつとなっています。
光回線が登場する以前はADSLが主流でしたが、現在ではADSLはサービスを終了しています。
その理由としては、光回線が電気信号を光信号に変換してデータを送受信する仕組みにより、ADSLと比べて高速かつ大容量のデータ通信が可能になった点が挙げられます。加えて、光回線への乗り換えが進んでADSLの利用者が大幅に減少したことや、対応機器の部品が製造終了となったことも、サービス終了の要因となっています。
光回線以外のインターネット接続サービス
インターネット接続サービスには、光回線以外にもモバイル回線、ケーブル回線、ADSLといったものがありますが、それぞれどのような回線なのでしょうか。ここでは、光回線と比較して各回線の特徴を見ていきましょう。
モバイル回線
モバイル回線とは、携帯電話の基地局から送受信される電波を利用した無線のインターネット回線のことです。モバイル回線を利用している端末としては、スマホやポケット型Wi-Fi、ホームルーターなどが挙げられます。
モバイル回線の一番のメリットは、電波の届くところであればどこでもインターネット接続が可能なところ。移動中や外出中でもインターネットに接続できる点は、固定回線である光回線と大きく異なるモバイル回線の利点です。
ただし、モバイル回線は、時間や場所などの環境に大きく影響されます。接続が不安定になったり、通信が極端に遅くなったりと、電波状況が悪くなることも珍しくありません。
ケーブル回線
ケーブルテレビは、電波ではなくケーブルを使ってテレビ放送を提供するサービスです。その、ケーブルテレビの放送で使用するケーブルでインターネットに接続するサービスがケーブル回線です。
ケーブル回線の特徴として挙げられるのが、光回線の対応エリア外でも利用可能なところです。光回線は高速かつ大容量のデータ通信が可能ですが、すべての住宅・建物で利用できるわけではありません。
建物や地形の状況によってはサービスが利用できないケースもあります。また、山間部など工事が難しい場所を「サービス提供のエリア外」としている事業者もいます。
ただし、ケーブル回線は光回線より通信速度が劣るのには注意が必要です。
ADSLは2025年1月にサービス完全終了
ADSLとは「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略称で、一般の電話回線を利用してデータ通信を行う技術のことです。自宅にひいている電話回線を利用してデータ通信をするため、光回線のように新たに回線工事を行う必要がなく、低コストで導入できます。
ただし、ADSLのサービスは、すでに終了しています。その主な理由は、より高速な光回線の普及にともない利用者が減少したことです。実際、2021年には利用回線数が約75万とピーク時の約20分の1にまで減少しました。さらに、急速な需要減に加えて、設備の老朽化やサービス品質を維持するためのコストが見合わなくなったのも、サービス終了の要因とされています。
光回線のメリット
多くの人に選ばれている光回線には、他サービスと比較して通信速度が速い、データ通信量が無制限といったメリットがあります。ここでは、それら光回線の主なメリットについて詳しく解説します。
通信速度が速い
インターネット接続サービスの中で、最も通信速度が速いのが光回線です。
たとえば、電話回線を使用したアナログ回線であるADSLではダウンロード50Mbps、アップロード5Mbps程度が一般的です。一方、光回線ではダウンロード・アップロードともに最大10Gbpsのサービスも少なくありません。つまり、光回線はADSLよりも、200倍速く映画や音楽などのコンテンツをダウンロードできると理論上は言えるわけです。
また、モバイル回線のように、電波の状況に影響されないのも利点。ノイズの影響を受けにくく、長距離でも信号の劣化が少ない光ケーブルを経由する光回線であれば、高速で安定した通信が期待できます。
なお、通信速度はあくまで理論値であり、必ずしもそのとおりの速度が出るわけではありません。特に集合住宅では利用者が多い時間帯には回線が混雑しやすく、建物の構造や立地条件によっても実際の速度が大きく左右されます。
- 光回線……最大10Gbps
- モバイル回線(5G)……最大10〜20Gbps
- ケーブル回線……最大1Gbps
- ADSL……最大50Mbps
データ通信量が無制限
光回線では、データ通信量が無制限で利用できます。データ通信量とは、インターネット回線で送受信できるデータの容量のこと。スマホなどモバイル通信の場合、毎月のデータ通信量の上限が決まっている会社が大半で、容量が上限に達すると通信速度が遅くなります。
データ通信量が無制限の光回線サービスを利用すれば、動画の視聴やオンラインゲーム、リモート会議など、通信量を気にせず快適に利用できます。
複数機器で同時利用しても快適
大容量のデータ通信ができる光回線では、ほかのサービスと比較して複数の端末を同時に接続しても快適にインターネットを利用できます。自分はパソコンで仕事をしつつ、家族はスマホでゲームをしたり、タブレットで動画を楽しんだりといった家庭でも、すべての端末でインターネットを楽しめます。
ひかり電話を利用できる
ひかり電話とは、光回線を利用した電話サービスです。光回線を提供している事業者の多くは、オプションとして、ひかり電話サービスを用意しています。
ひかり電話の最大の魅力は、料金が安いこと。ひかり電話の基本料金は月額500円前後ですが、住宅用アナログ電話の基本料金は月額1,600~2,000円ほど。アナログ電話からひかり電話に切り替えるだけで、年間1万円以上も節約できるわけです。
また、アナログ電話の通話料は9.35円/3分ですが、ひかり電話は8.8 円/3分。通話料でもひかり電話の方が安くなっています。
ひかりTVが利用できる
ひかりTVは光回線を利用した映像配信サービスで、オプションとして加入できます。
ひかりTVのおすすめポイントは、86の専門チャンネルと約18万本の映像コンテンツを楽しめるところです。地上波放送やBSはもちろん、映画、アニメ、ドラマ、音楽、スポーツなどさまざまなジャンルのコンテンツを視聴できます。
また、一般的なテレビと違いアンテナ設置と工事が不要なのもひかりTVのメリットとして挙げられます。
ひかりTVについて詳しく知りたい方はこちら。テレビ視聴もできるおすすめの光回線(インターネット回線)を紹介!
光回線のデメリット
メリットだらけに見える光回線ですが、デメリットもあります。ここでは、光回線のデメリットを見ていきましょう。
開通工事が必要な場合がある
光回線を導入する際には、時間と費用がかかる可能性があります。初めて光回線を導入する建物では、新たに回線を引き込むための工事が必要になるからです。
また、光回線開通済の建物でも、独自回線からNTTの光回線サービス「フレッツ光」やNTTの光回線を借り受けた事業者が提供する「光コラボ」に切り替える場合も、工事が必須です。事業者や住宅の状況によって異なりますが、申し込みから開通までは一般的に1〜2カ月程度かかります。
時間だけではなく工事費も2~4万円ほど発生します。さらに、土日や祝祭日の工事では、追加料金を設定している事業者も少なくありません。
なお、開通工事の際には申込者本人もしくは家族などの代理人が立ち会う必要があることは、工事の日程調整の際に頭に入れておきましょう。
開通までに時間がかかる
初めて光回線を導入する建物では、新たに回線を引き込むための工事が必要になります。工事に要する時間は、戸建ての場合は約1~2時間、マンションの場合は約1~1時間半ほど。しかし、住宅によっては、実際の工事のほかにも事務手続きや下見、立地調査などが必要になります。そのため、申し込みからインターネット開通まで、数週間から1~2ヵ月は見ておく必要があるでしょう。
さらに、3~4月の引っ越しシーズンは、多くの工事が重なります。申し込みからインターネット開通まで、通常よりも時間がかかることも多々。
契約後すぐにインターネットを使いたい方は、ホームルーターやポケット型Wi-Fiのレンタルサービスを提供している事業者を選ぶとよいでしょう。
回線が混雑することもある
通信の安定性が光回線の大きな魅力ですが、条件によっては回線が混雑し、通信速度が遅くなることがあります。回線が混雑する最大の要因は、多くの人がインターネットを利用するから。自宅でインターネットに接続する人が増える夜間(20時以降)や休日は、通信速度が遅くなりがちです。
通信速度が遅い場合には、インターネットを利用する時間をずらす、光回線に同時接続している端末を減らす、Wi-Fi接続から有線接続に切り替えるなどの対策が有効です。
解約金の設定がある
光回線の契約期間は通常、2年もしくは3年です。2022年6月30日以前の契約であれば、解約金は数万円に上ることも少なくありませんでした。しかし、法改正により解約料の上限は月額料金分となり、過度な負担が生じにくくなっています。
ただし、契約満了月、その翌月、および翌々月は、多くの事業者が解約金免除期間としています。2023年8月の契約であれば、解約金免除期間は2025年8~10月。この期間に解約しても解約金はかかりません。
なお、解約金の設定がない光回線サービスもあります。契約満了前の解約の可能性がある方は、解約金のない光回線サービスから選ぶとよいでしょう。
解約金の設定がない光回線を知りたい方はこちら。
縛りなしの光回線でおすすめは?契約期間・解約金がないサービスを厳選
光回線は複数社がサービスを提供している
光回線は、さまざまな事業者がサービスを提供しています。光回線と言えば、NTTの「フレッツ光」を思い浮かべる方が多いと思いますが、サービスはそれだけではありません。
それぞれのサービスごとに独自の特典やキャンペーンが展開されています。また、フレッツ光の回線を借りてサービスを提供している事業者もあれば、独自の回線でサービスを賄っている事業者もあります。それぞれにメリット・デメリットがある中で、自分に合ったサービスを選ぶことが重要です。
例えば次のようなサービスがあります。
- NURO 光
- eo光
- メガ・エッグ光
- コミュファ光
- ピカラ光ねっと
- BBIQ光
- auひかり
- ドコモ光
- SoftBank 光
- ビッグローブ光
- @nifty光(ニフティ光)
- @T COMヒカリ
- AsahiNet 光
- 楽天ひかり
- ほくでん光
- さすガねっと
- おてがる光
- レモンガス光
- ニチガス光
- 東北電力フロンティア光
- GMOとくとくBB光
- エキサイト光
- @スマート 光
- DTI 光
光回線を利用する際は複数サービスを比較すると◎
光回線とは、光ファイバーケーブルを利用したインターネット回線サービスのことで、 大容量かつ安定的にデータ通信ができるのが一番の魅力ということがわかりましたね。前述の通り、多くの事業者が光回線のサービスを提供しているので、しっかり比較して自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
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