EV(電気自動車)の気になる充電!時間や場所、料金は?
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電気の力で走るEV(電気自動車)。環境に優しい、災害などの非常時に蓄電池として活用できるなどの観点から注目を集め、街なかでも見かけることが多くなってきました。購入を考えている方もいるのではないでしょうか。
ガソリン車を走らせるためには、ガソリンスタンドでガソリンを給油する必要があります。では、EVの充電はどこで行い、どれくらいの時間や料金がかかるのでしょうか。
この記事では、EV(電気自動車)の充電について、方法や場所、所要時間など、さまざまな気になる疑問について解説します。
- 更新日
- 2021年5月14日
導入目標に対し、普及が伸び悩むEV(電気自動車)
2008年7月に閣議決定された「低炭素社会づくり行動計画」では、2020年までに新車販売のうち2台に1台の割合で次世代自動車(ハイブリッド自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車、CNG車など)を導入するという目標を掲げました。
さらに、経済産業省が2010年4月に公表した「次世代自動車戦略 2010」では、2030年にEV(電気自動車)とPHV(プラグインハイブリッド自動車)の新車販売台数の占める比率を20~30%に高める政府目標を発表し、環境省は「中長期ロードマップ試案」において、2020年にEV70万台、PHEV40万台、合計で110万台を導入するという目標を掲げています。
しかし、実際は国内での普及は1%に留まっているのが現状です。この数字には、PHV(プラグインハイブリッド車)も含まれているため、EVのみの数字でみると、0.5%程度のシェアとなります。当初の目標にはまだまだ手が届きそうにありません。
出典:第3章 次世代自動車の普及の現状と動向|経済産業省
価格の高さ、充電に対する不安が購入の弊害に
EV普及のためには、さまざまな障壁があるようです。
出典:次世代車に関する消費者意識調査結果(2019年)速報版|デロイト トーマツ
上のグラフからもわかるように、消費者の観点から見たEV購入のための障壁は、価格の高さだけではなく、「燃料補給インフラが十分になり(充電ステーション)」「自宅に充電できる環境がない」「燃料補給に要する時間が長い(充電)」など、年々減少傾向にあるといえど、充電に関する不安や心配を持っている方が多く見られます。
この2つの障壁を解消すべく、国はEV購入時に活用できる補助金やエコカー減税などを発表し、充電スポットも年々増加しています。価格の高さと充電に対する不安や心配の解消が、EV普及の鍵を握っていると言えるでしょう。
EV(電気自動車)購入時に補助金が利用できます
EV(電気自動車)を購入するときは、補助金が利用できます。EV(電気自動車)を購入時に活用できる補助金には国の補助金と自治体の補助金があり、重複して申請できます。
国の補助金には環境省の令和2年度第3次補正事業と経産省の令和2年度第3次補正事業、令和3年度事業の3つがあり、車両や機器・対象者などの要件や補助金額が異なります。自治体の補助金も制度の有無や要件、補助金額などが自治体ごとに異なるので、申請前に確認しておきましょう。
GreenCartを活用して「再エネ100%電力調達」要件をクリア◎国と自治体の補助金を両方とも利用しよう!
環境省の令和2年度第3次補正事業では、再エネ100%電力調達がEV補助金の申請条件のひとつとなっています。ご家庭で使う電力を再エネ比率100%にするためには、自家発電・再エネ電力メニューの購入・グリーン電力証書(再エネ電力証書)の購入の3つの方法があり、組み合わせて利用できます。
GreenCartでは、グリーン電力証書(再エネ電力証書)をwebで購⼊し即時発行が可能です。
「グリーン電力証書」(再エネ電力証書)とは消費する電力量と釣り合う証書を購入することで環境にやさしい価値を持つグリーン電力を使っていると見なす制度なので、必要な電力量分を購入すれば、再エネ100%電力調達の条件を満たせます。購入できるグリーン電⼒の電力量は、1,000kWh以上1kWhから指定できます。
もちろん、個人の方でも購入可能です。EV補助金の申請に役立ててみてはいかがでしょうか?
EVの補助金について、詳しくは以下の記事で説明しています。
【2021年最新版】EV(電気自動車)補助金まとめ・家庭用EVの購入を検討している方必見!
EV(電気自動車)の充電についての基礎知識
2010年から一般向け販売がスタートしたEV。購入を検討されている方もいるかもしれませんが、「どこで充電すればいいの?」「一度の充電の料金はどれくらい?」などの不安もありますよね。
EVの充電についての基本的な知識を解説します。
EV(電気自動車)の充電、方法は?どれくらい時間がかかる?
EVの充電方法には、普通充電と急速充電の2種類があります。名前の通り、充電速度や充電にかかる時間に差があり、充電を行う場所やタイミングによってどちらを利用するか考える必要があります。具体的にどのくらい時間がかかるのでしょうか。
- 普通充電
- 普通充電には、「コンセントタイプ」と「充電ケーブル付き」の2種類があり、200Vと100Vが選べます。充電器の種類や車種、V(ボルト)、航続距離にもよりますが、5~8時間程度で充電が完了します。急速充電器と比較して導入のコストが少ないため、自宅や事務所、会社、宿泊施設など、長時間駐車を想定した施設に設置されていることが多いです。
- 急速充電
- 急速充電は、普通充電よりも強い電流と電圧を流すため、短時間での充電が可能です。こちらも充電器の種類や車種、航続距離にもよりますが、一般的には約30~40分で80%程度まで充電することができます。外出時に継ぎ足しで充電を行ったり、緊急時の充電に向いています。SAやPA、コンビニ、カーディーラーなどに設置されています。
EVの充電方法には2種類あり、所要時間も異なるため、充電後どれくらい走行する予定なのか、どこに充電スポットがあるのかを事前に調べておくことが大切です。充電スポットは、サイトやスマートフォンのアプリなどで調べることもできます。
出先での充電が必要になるEV(電気自動車)、充電場所はどこにある?
バッテリー残量が減ってきたら、自宅に充電器があれば自宅で、もしくは充電スタンドで充電を行います。最近は色々な場所で見かけるようになってきましたが、主にコンビニやスーパー、デパートなどの商業施設やカーディーラー、宿泊施設、道の駅、SA・PAなどに設置されていることが多いようです。充電器の設置場所を示す案内サインを目印に探してみるとよいでしょう。
2018年時点で、充電器の総数は日本全国で29,971基。急速充電器は7,684基、普通充電器は22,287基にのぼります。今後も充電スポットの増加が予想され、「充電スポットが少ない」という課題は解消されつつあるようです。
出典:EV/PHV普及の現状について|国土交通省 経済産業省電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金について|平成29年6月 製造産業局 自動車課
EV(電気自動車)の充電、価格はどれくらい?
EVを充電する際、1回あたりの料金はどのくらいなのでしょうか?
充電器の種類や車種、V(ボルト)、航続距離によって実際の料金は異なります。
NCS充電器「チャージスルゾウ」
カードは3種類あり、使える充電器が異なります。ピンクと緑のチャージスルゾウロゴの入ったステッカーが目印です。月会費を支払うと、決められた都度利用料金で充電器を利用することができます。
こちらは、NCSカードの料金プラン表です。
出典:NCSカードのご案内|NCS 合同会社日本充電サービス
カードによって月会費は異なりますが、都度利用料金は、急速充電の場合は15.0円/分、普通充電の場合は2.5円/分となっています。
日産自動車の充電サービス「ZESP3」
日産自動車には、日産のEV購入者を対象にした充電サービス「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)」があります。
この充電サービスは、加入した方専用のZESP3カードが1枚あれば、日本全国に普及しているNCS(合同会社日充電サービス)の充電スポットを利用することが可能です。
ZESP3には、以下4つのプランがあります。
出典:ZESP3|日産
プランによって利用できる急速充電の回数が異なるので、利用頻度や走行距離から毎月どれくらいの充電が必要なのか、契約前に調べておくとよいでしょう。
三菱自動車工業「三菱自動車 電動車両サポート」
三菱自動車工業の「三菱自動車 電動車両サポート」は、NCSネットワークの充電器が利用できる充電カードと、EV/PHEVの各種サービスをパッケージにしたサポートプログラムです。
個人向けのプランには「ベーシック」と「プレミアム」の2種類があります。
出典:三菱自動車 電動車両サポート|三菱
こちらも、プランによって無料充電が可能な料金や充電器利用料が異なります。
Honda「Honda Charging Service」
料金プランは以下になります。
出典:Honda Charging Service|Honda
EV(電気自動車)の充電方法は?
普通充電口と急速充電口、2つの充電口を持っていることが多く、充電コネクタを適切な充電口に差し込みましょう。ガチャッという音がし、ロックがかかると充電が開始されます。
EV(電気自動車)の充電、注意点はある?
ガソリン車の給油方法と変わりませんが、それでも給油時に気をつけたいことがあります。注意点をひとつずつ見ていきましょう。
急速充電だと満タンにならない!?
急速充電で充電した場合、100%満タンに充電することができません。これは、安全のための設計であり、過充電を防ぐためです。そのため、急速充電の場合は充電量が80%になると充電が終了するような仕組みになっているのです。
80%の充電でも、十分に走行することが可能です。自宅に充電器を持っている方は、帰宅後に普通充電でゆっくり満タンに充電するとよいでしょう。
出典:充電器基礎知識|EV・PHEV用充電器|日東工業株式会社
営業時間には要注意
自宅に充電器がなく、街中に設置された充電スポットで充電を行う場合は、営業時間に注意が必要です。
例えば、スーパー・デパートなどの商業施設やカーディーラーに充電スポットが設置されていますが、早朝や深夜は営業時間外にあたるため、充電ができない可能性も考えられます。
早朝や深夜に外出の予定がある場合は、利用したい充電スポットの営業時間を事前に調べておくことをおすすめします。
長時間放置はマナー違反!充電完了後は、すみやかに移動を
急速充電の場合、30~40分程度時間がかかるため、充電中は車を離れ、他の場所で時間をつぶしている方も多いかもしれません。しかし、充電が完了しているのにも関わらず、長時間放置するのはマナー違反です。
充電が終わったら、次に使う方のためにも、充電スポットからすみやかに移動するようにしましょう。
EV(電気自動車)の充電、問題は解決されつつある?購入前には確認を!
EV(電気自動車)の充電について、解説しました。
EVは、環境にやさしいだけではなく、災害などの緊急時に蓄電池として使える、走行時に振動が少ないなど、メリットもさまざまあり、今後も購入される方、もしくは購入を検討される方が増えていくことが予想されます。
本体そのものの金額だけではなく、充電スポットの少なさが購入への妨げになっていましたが、年々設置数も増加し、解消されつつあります。
購入の際は、自宅に充電器を備えつけるのか?近所に充電スポットはあるのか?などを検討・確認し、購入後もお出かけの際に充電スポットに立ち寄れるか?などを意識しつつ外出するようにしてくださいね。
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