石油ファンヒーターの電気代・消費電力はどれくらい?エアコン・ストーブとも徹底比較!
この記事の目次
寒い季節には暖房器具が欠かせません。この記事では、さまざまな暖房器具の中から石油ファンヒーターについて解説します。
石油ファンヒーターの特徴から、石油ファンヒーターって1カ月でどれくらいの電気代がかかっているの?電気ストーブやエアコンなどのほかの暖房器具と比べると電気代は高いの?など、石油ファンヒーターの特徴と電気代の疑問にお答えします!
更に、電気代を節約する方法やどのような場面で暖房器具を使い分けたらよいのかなど、効率的に石油ファンヒーターを使用する方法を解説します。
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- 更新日
- 2023年12月1日
石油ファンヒーターの特徴
石油ファンヒーターの電気代を解説する前に、石油ファンヒーターがほかの暖房器具に比べて、どんな特徴があるのかみていきましょう。
石油ファンヒーターのメリットとデメリット
石油ファンヒーターは、電気を使って灯油を燃焼させて、輻射熱(ふくしゃねつ)と放射熱で部屋を暖めます。具体的な特徴を、メリットとデメリットに分けて紹介します。
- 設定温度になるよう自動でコントロールするため、効率よく部屋を暖められる。
- 点火してから比較的早く部屋を暖められる。
- 設置場所を自由に移動して、使用したい場所で使える。
- 灯油を燃やすため、空気が汚れやすく定期的に換気する必要がある。また、点火時や消火時に臭いやすい。
- 火を使うため、火傷や火事の原因にならないよう取扱いには注意が必要。
- 燃料の灯油を補充する、長期間使用しないときはタンク内の灯油を抜き取るなど、手入れに手間がかかる。
石油ファンヒーターは速暖性が高く便利な暖房器具ですが、火を使うため取扱いには注意が必要です。チャイルドロックなどの安全装置が付いている製品もあるので、小さな子どもがいて購入を検討している方は安全面にも考慮して選ぶとよいですね。
石油ファンヒーターの電気代をメーカー別に紹介
石油ファンヒーターの電気代が1カ月あたりどれくらいかかるか、計算してみましょう!
電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。(小数点第2位を四捨五入)
石油ファンヒーターの電気代をメーカー別に紹介
石油ファンヒーターの電気代が1カ月あたりどれくらいかかるか、計算してみましょう!
電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。(小数点第2位を四捨五入)
ダイニチの石油ファンヒーターの電気代
木造(戸建)10畳用の石油ファンヒーター「ダイニチ FW-3723SGX」を例として取り上げます。
石油ファンヒーターは点火時や火力によって消費電力(W)が変わってきます。燃焼時の消費電力ごとに電気代を計算すると、以下のようになります。
- 最大(点火時)
- 370W
- 燃焼時(小火力時)
- 62W
- 燃焼時(大火力時)
- 129W
- 燃焼時(小火力時)
- 0.062kWh×8時間×31円/kWh=約15.4円
- 燃焼時(大火力時)
- 0.129kWh×8時間×31円/kWh=約32円
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日石油ファンヒーターを使用すると、電気代は約462円~960円です。
CORONAの省エネタイプの石油ファンヒーターの電気代
消費電力が少ない省エネタイプの石油ファンヒーターも登場しています。木造(戸建)10畳用の石油ファンヒーター「CORONA WZシリーズ FH-WZ3623BY」を例として、省エネタイプの石油ファンヒーターとどれくらい電気代が異なるのか比較してみましょう。
- 弱燃焼時
- 4W
- 強燃焼時
- 9.5W
秒速点火ONの状態では、消費電力は平均約80Wです。
- 弱燃焼時
- 0.004kWh×8時間×31円/kWh=約1円
- 燃焼時
- 0.0095kWh×8時間×31円/kWh=約2.4円
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日省エネタイプの石油ファンヒーターを使用すると、電気代は約30円~72円です。「ダイニチ FW-3723SGX」と比べると消費電力が少ないため、電気代が安く済むんです!
参照:WZシリーズ「FH-WZ3623BY」|石油ファンヒーター|CORONA
トヨトミの石油ファンヒーターの電気代
ハイブリッドの石油ファンヒーターは、石油暖房と電気暖房を組み合わせた製品です。ここでは木造(戸建)9~11畳用のハイブリッドヒーター「LC-SHB40N」を例に、ほかの省エネタイプの石油ファンヒーターとどれくらい電気代が異なるのか、比較してみましょう。
- 灯油単独運転時
- 12W
- 電気ヒーター単独運転時
- 800W
- ハイブリッド(同時)運転時
- 812W
- 灯油単独運転時
- 0.012kWh×8時間×31円/kWh=約3.0円
- 電気ヒーター単独運転時
- 0.8kWh×8時間×31円/kWh=約198.4円
- ハイブリッド(同時)運転時
- 0.812kWh×8時間×31円/kWh=約201.4円
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日、ハイブリッドヒーターを灯油単独運転で使用すると、電気代は約90円。「ダイニチ FW-3723SGX」と比べると消費電力が少ないため、電気代は安くなります。
なお、同条件でハイブリッドヒーターを電気ヒーター単独運転で使用すると、電気代は約5,952円。さらにハイブリッド(同時)運転で使用すると、電気代は約6,042円となり、「ダイニチ FW-3723SGX」よりも割高になります。
参照:LC-SHB40N|ハイブリッド暖房+人感センサー|トヨトミ
石油ファンヒーターの灯油代
石油ファンヒーターは、電気代だけでなく灯油代もかかります。
10畳用の「ダイニチ FW-3723SGX」の場合(燃料消費量0.072リットル~0.360リットル/時間)で、1リットルあたりの灯油代を計算してみましょう。
- 燃料消費量0.072リットルの場合
- 0.072リットル/時間×8時間×116.9円/リットル=約67.3円
- 燃料消費量0.360リットルの場合
- 0.36リットル/時間×8時間×116.9円/リットル=約336.7円
灯油代は、石油情報センターの「民生用灯油(給油所以外)店頭価格」の全国平均(2023年10月)の単価をもとに、1リットルあたり116.9円(税込)として計算しています(小数点第2位四捨五入)。
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日石油ファンヒーターを使用すると、灯油代は約2,019円~約10,101円です。
経済的なのはどちら?石油ファンヒーターの電気代をエアコンや電気ストーブと比較!
暖房器具といえば石油ファンヒーターのほかにも電気ストーブやエアコンが思い浮かびますね。これらと比較して、石油ファンヒーターの電気代は高いのか安いのかを検証してみましょう。
電気ストーブの電気代
まずは電気ストーブの電気代が、1カ月あたりどれくらいかかるか計算してみましょう。
「CORONA コアヒートスリム」を例に取り上げます。
電気ストーブは温度調節によって消費電力(W)が変わってきます。消費電力の最小値と最大値を参考に電気代を計算すると、以下のようになります。
- 温度調節 1・2
- 約340W~約400W
- 温度調節 3・4
- 約460W~520W
- 温度調節 5・6
- 約570W~630W
- 温度調節 7・8
- 約690W~750W
- 温度調節 9・10
- 約800W~900W
- 温度調節 1・2時の最小消費電力の場合
- 0.34kWh×8時間×31円/kWh=約84.3円
- 温度調節 9・10時の最大消費電力の場合
- 0.90kWh×8時間×31円/kWh=約223.2円
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日電気ストーブを使用すると、電気代は約2,529.6円~6,696円です。
エアコンの電気代
次に、エアコンの電気代が1カ月あたりどれくらいかかるか計算してみましょう。
8畳~10畳向けの「三菱電機 霧ヶ峰ZシリーズMSZ-ZW2822」を、暖房で使用した場合をみてみましょう。にして、再計算しました。
エアコンは電源を入れたときと、温度が落ち着いているときの消費電力の差が大きく異なります。消費電力の最小値と最大値を参考に電気代を計算すると、以下のようになります。
- 105W~1,980W
- 消費電力105W時
- 0.105kWh×8時間×31円/kWh=約26円
- 消費電力1,980W時
- 1.98kWh×8時間×31円/kWh=約491円
1日(8時間)かつ1カ月(30日間)毎日エアコンの暖房を使用すると、電気代は約781.2円~14,731.2円です。
石油ファンヒーター・電気ストーブ・エアコンの電気代比較、結果は……?
石油ファンヒーター・電気ストーブ・エアコンの電気代を、それぞれ算出して比較した結果をまとめると以下のようになりました。
- 石油ファンヒーター
- 約461.3円~959.8円
- 電気ストーブ
- 約2,529.6円~6,696円
- エアコン(暖房)
- 約781.2円~14,731.2円
石油ファンヒーターは電気代のほかに灯油代がかかり、ランニングコストの目安は電気代+灯油代で、1カ月あたり約2,393.2円~約10,619.3です。
また石油ファンヒーターには、次々に最新モデルが登場しています。室温に合わせて最適な気流を作る、消火時の灯油の臭いを消臭する、省エネ運転で消費電力や燃料消費量が少なく済むなど、さまざまな機能の製品が販売されています。消費電力や燃料消費量が少ない石油ファンヒーターを選べば、更に電気代や灯油代を節約できますね。
石油ファンヒーター・エアコン・電気ストーブの使い分け
石油ファンヒーター・エアコン・電気ストーブは電気代が異なり、石油ファンヒーターの電気代が比較的割安なのがわかりましたね。それぞれの暖房器具には、電気代の違いのほかにも特徴があります。
効率よく部屋を暖めるためには、シチュエーションによって暖房器具を使い分ける必要があります。どのような場面で、石油ファンヒーター・電気ストーブ・エアコンを使い分けるとよいかをみていきましょう。
石油ファンヒーターはここで活躍する!
石油ファンヒーターは部屋全体を暖められます。エアコンにあるような待機モードが存在しないので、給油時以外は安定して部屋を暖めてくれます。送風口が足元付近にあって温風が足元を暖めてくれるため、点火してから早めに暖かさを感じやすいのが長所です。
使用時は電気代のほかに灯油代もかかりますが、後述する節約法を使えば燃料消費量を少なくできて灯油代の節約につながります。
石油ファンヒーターは、灯油を燃焼して熱を発生させて電気でファンを回し、自動で温度調整をしながら部屋を暖める暖房器具です。
灯油の補充が面倒でない方や、部屋を早めに暖めたいときにおススメです。
なお灯油の補充時にはタンクから灯油が漏れないよう、取扱いには十分注意しましょう。
電気ストーブはここで活躍する!
電気ストーブは石油ファンヒーターのように燃焼によって二酸化炭素を増やさないので、部屋の空気を汚さず使用できます。ただし室温を維持するだけでも消費する電力量が大きくなってしまうところが難点です。
強力な風を発生させないため部屋全体を暖める効果は少なく、正面以外では暖かさを感じにくいですが、輻射熱により、やや離れた場所でも暖かいのが特徴です。
また電気ストーブは、軽量かつ小型のものが多いので簡単に持ち運んで好きな場所で利用できます。
電気ストーブは、電気をエネルギー源として空間を暖める暖房器具です。
手足などピンポイントを暖めたいとき、洗面所やトイレなどの狭い空間で使用するときにおススメです!
エアコンはここで活躍する!
エアコンは石油ファンヒーター同様に、部屋全体を暖められます。また、冷暖房が切り替えられるので1年中使えます。自動運転なら設定温度になると、自動で風量などを調整して省エネで運転してくれるので、長時間使用する場合に電気代が節約しやすいのも利点です。
だだしエアコンは部屋の上部に取り付けるため、温風が上に溜まりやすいです。風向を下向きにして足元に温風が届くようにすると、効率よく部屋を暖められます。
エアコンは、室外機と室内機を結ぶパイプで冷媒を循環させています。冷媒を圧縮して気体を液化することで凝縮熱を発生させて、高温になった温風で部屋を暖めます。
部屋全体を暖めるために長時間使用するならエアコンがおススメです!
エアコンの暖房の電気代を節約しながら効率よく使う方法について、更に詳しくは以下の記事で説明しています。
石油ファンヒーターの電気代を節約するには?
石油ファンヒーターは、電気ストーブやエアコンと比べて電気代が割安ということがわかりました。
ただし、石油ファンヒーターは電気代のほかに灯油代もかかります。また寒い季節には頻繁に使用するので、更に電気代が節約できればうれしいですよね。
ちょっとの工夫で、石油ファンヒーターの電気代は節約できるんです!
適した対応畳数のものを選ぶ
石油ファンヒーターには、それぞれ適した部屋の広さがあります。電気代の節約を考えるなら、石油ファンヒーターを短時間動かすだけで部屋が暖まるよう、部屋の大きさに対して余裕のある出力を持った機種を選ぶのが効果的です。
例えば8畳の部屋で使用するつもりなら、木造9~10畳またはコンクリート12畳用の機種がピッタリ。もう少し広いリビングで使用するのなら、木造12~15畳またはコンクリート17~20畳用の機種を選ぶのが良いでしょう。
窓際に置く
石油ファンヒーターの置き場所を窓際に変えるだけで断熱効果を高め、電気代を節約できます。
石油ファンヒーターを窓の反対側に置くと、温風は天井→窓側→床と一巡して再び戻って来る流れができます。温風が窓側を通るとき、窓からの冷たい外気に冷やされて床の温度が急激に低下してしまうと、頭上は暖かいけど足元が冷える「コールドドラフト」という状況になります。「コールドドラフト」になると、部屋全体が暖まりにくくなり暖房効率が下がるだけでなく、足元と頭上の温度差が大きくなって不快に感じてしまいます。
一方石油ファンヒーターを窓際に置いて使用すると、温風が上昇気流をつくり、窓からの冷たい外気を上へと押しやるので、部屋全体の暖かい環境が維持できます。病院などの公共施設では、室温を暖かく保つために窓側に暖房器具を設置しているんですよ。ただし火災の原因にならないよう、カーテンからは距離をおいて置くようにしてくださいね。
外出前・就寝前は早めに電源を切る
暖房器具の電源を切った後も、部屋の温度はしばらく暖かい状態で持続します。室温はすぐには下がらないので、就寝時や外出時に電源を切ってしまえば電気代が節約できます。
フィルターをこまめに掃除する
暖房器具のフィルターがチリやほこりで目詰まりすると、送風機能が低下してしまい部屋中に暖かい空気が循環しにくくなり、暖房効率が下がってしまいます。フィルターはこまめに掃除するよう心がけましょう。
厚手のカーテンをつける
暖房により暖められた空気は天井や床、壁などから外に逃げていってしまいます。中でも窓ガラスは一番放熱が激しい場所です。窓に吊るすカーテンを厚手のものにするなどの方法で断熱しましょう!
まとめ
石油ファンヒーターの電気代を算出して、まとめました。更に電気代を節約しながら、石油ファンヒーターで効率よく部屋を暖める方法も紹介しました。電気ストーブやエアコンと比べ、石油ファンヒーターの電気代は割安なんです。
ただし石油ファンヒーターは使用時に、電気代のほかに灯油代がかかります。目的や状況に応じて暖房器具を使い分けるなどの工夫をすれば、石油ファンヒーターなどの暖房器具にかかる光熱費を抑えられますよ!
さまざまな暖房器具の特徴や電気代について、更に詳しくは以下の記事で紹介しています。
この記事を書いた人