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「ダブル発電」とは?蓄電池などの創エネ機器併用と「太陽光発電のみ」、どちらがお得?

「ダブル発電」とは?蓄電池などの創エネ機器併用と「太陽光発電のみ」、どちらがお得?

ダブル発電」とは、太陽光発電だけではなく、エネファームや蓄電池などの創エネ機器を導入して併用する発電方法のことを指します。

2つの発電方法により電気を生み出すため、一見「おトクなのでは?」と思いますよね。しかし、この「ダブル発電」にしてしまうと、売電価格が低下してしまうのです。

太陽光発電のみの場合と「ダブル発電」の場合、一体どちらがお得なのでしょうか?

この記事では、「ダブル発電」の基本情報やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。

「ダブル発電」って何?

「ダブル発電」とは、エネルギーを生み出す創エネ機器を導入し、10kW未満の太陽光発電とガスなどのエネルギーを併用して発電を行うシステムです。

この創エネ機器には、エネルギーを創り出す「エネファーム」や「エコウィル」などの製品のほかに、エネルギーをためる「蓄電池」や「電気自動車(EV)」も含まれています。

「ダブル発電」は、創エネ機器で作られた電力を優先的に利用し、足りない分を太陽光発電で補います。

太陽光発電が「ダブル発電」になると、売電価格が安くなる

同時に発電できるとなると、おトクになるのでは?と考えてしまいますが、実はそうではありません。

創エネ機器を導入し、「ダブル発電」にすると、「押し上げ効果」によって売電価格が下がってしまうのです。

電源調達区分1kWhあたりの調達価格(2018年)1kWhあたりの調達価格(2019年)1kWhあたりの調達価格(2020年)1kWhあたりの調達価格(2021年)調達期間
太陽光500kW以上(入札制度適用区分)2,000kW以上
入札制度により決定
入札制度により決定--20年間
500kW以上2,000kW未満
18円+税
10kW以上500kW未満18円+税14円+税--
10kW未満出力制御対応機器設置義務なし26円24円--10年間
出力制御対応機器設置義務あり(※)28円26円--
10kW未満(ダブル発電)出力制御対応機器設置義務なし25円24円--
出力制御対応機器設置義務あり(※)27円26円--

「ダブル発電」になってしまう対象は、10kW未満の太陽光発電を設置している場合です。10kW以上の太陽光発電と創エネ機器を併用しても「ダブル発電」にはならず、売電価格も変動しません。

押し上げ効果とは?

押し上げ効果とは、「ダブル発電」による発電量の増加を指します。

ダブル発電の発電イメージ


出典:ダブル発電|京葉ガス

年間購入電力量と発電量のイメージ


出典:ダブル発電システム|伊藤忠エネクス株式会社

太陽光発電のみの発電量に、創エネ機器の発電量が追加されると発電量だけではなく売電量も上がりますよね。つまり、「ダブル発電」の場合、創エネ機器によって供給される電気を自家消費分にあてることができ、結果的に自家消費が減った分は、太陽光発電の売電量を押し上げることになるのです。

固定価格買取制度は、再生可能エネルギーの普及を本来の目的としています。しかし、「ダブル発電」のケースも太陽光発電の場合と同じ価格で買い取るよう変更した場合、ガスから発電するエネファームやエコウィルから作られた電気を間接的に買い取ってしまうことになります。

この押し上げ効果のある電気と太陽光発電で創られた電気を厳密に区別することは、現状では不可能です。そのため、太陽光発電のみの場合よりも売電価格の単価そのものを下げて、「ダブル発電」によって増加した売電量にも対応しているということなのです。

押し上げ効果分は、実質的に創エネ機器による電力であり、平均して20%程度押し上げられていると仮定されていることから、「ダブル発電」の場合の買取価格は20%分安い単価で想定されているのです。

創エネ機器にはどのようなものがあるの?

創エネ機器には、以下の4つの機器があります。

エネファーム

エネファームは、都市ガス・LPガス・灯油などから、燃料となる水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電を行うシステムで、発電時の排熱を給湯に利用しています。このように、電気と熱の双方を創り出すシステムを、コージェネレーションシステムと読んでいます。

エコウィル

コージェネレーションシステムの一種であり、都市ガスやLPガスを燃料とするガスエンジンで発電を行い、そのときに発生した排熱を給湯などに利用しています。

蓄電池

蓄電池とは、名前のとおり電池を蓄える機能を持つ電源です。電気を創り出すことはできず、電気を蓄えることを目的としているため、収入は得られないものです。

蓄電池には「ダブル発電」になるものとならないものの2種類があります。

「ダブル発電」になる蓄電池
昼間の太陽光発電をしている時間帯に、蓄電池に溜めた電気を放電した場合、自家消費を減らす効果があります。つまり、自家発電設備を使ったとき同様の押し上げ効果を得られることになってしまうのです。この場合は、「ダブル発電」になってしまいます。
「ダブル発電」にならない蓄電池
太陽が出ていない夜間にしか放電できないようにした蓄電池が増えています。この場合は、「ダブル発電」には該当しません。
電気自動車(EV)

ガソリンの代わりに電気で動く電気自動車(EV)も、蓄電池と同様、電気を蓄えるために使うことができます。そのため、「ダブル発電」になる場合と、ならない場合が考えられます。

電気自動車はまだまだ高価ですが、徐々に値段が下がりつつあります。電気自動車が普及すると、さらに蓄電池としての役割が期待できるかもしれません。

「ダブル発電」のメリットとデメリットは?

「ダブル発電」には、発電量が増加するというメリットがありますが、デメリットももちろんあります。太陽光発電のみと「ダブル発電」を比較したとき、どちらのほうがよいのでしょうか?

「ダブル発電」のメリット
光熱費を削減することができる
まず、一番のメリットとして、光熱費を大幅に削減できることが挙げられます。太陽光発電のみの場合と比較すると、発電量が大幅に増量するため、電力会社から購入する電力が少なくなります。そのため、光熱費の削減につながるのです。
災害などの停電時に備えとして役立つ
エネファームやエコウィルなどは単独で運転できるので、停電時でも太陽光発電とあわせて住宅内に電気を供給することができます。また、貯湯タンクのお湯を取り出して雑用水として利用することもできます。
さらに、蓄電池はいざというときに備えて電力を蓄えておけば、停電時に照明やテレビなどを利用することが可能です。
天候に左右されず発電できる
太陽光発電のみの場合、太陽の光を受けることのできる日中、天気のよい時間帯しか発電することができません。しかし、エネファームやエコウィルを使用した「ダブル発電」の場合は、日の出ていない夜間や夕方、雨や曇りのときでも天候に左右されず発電することが可能です。
「ダブル発電」のデメリット
売電価格が下がってしまう
太陽光発電のみの場合と比較すると売電価格が安くなってしまうのは、デメリットのひとつと言えるでしょう。

太陽光発電のみを導入している場合と比較すると1kWあたり6~8円ほど引き下げられてしまうので、今までと変わらず売電収入を得るためには発電量を増やさなくてはなりません。

高額な初期費用がかかる
「ダブル発電」は、太陽光発電とエネファームや蓄電池などの創エネ機器を併用するため、設備を導入するための初期費用が高額(エネファームは約170万円、エコウィルは約80万円、蓄電池は約80~150万円)になってしまいます。そこで、補助金等の活用で少しでもコストを下げることが大切なのですが、どうしても初期費用を回収するための時間の方が、太陽光発電のみの場合と比較すると長くなってしまいます。

エコウィルの新規販売は、2017年9月30日をもって終了しています。記載されている値段は本体価格です。実際に設置する場合は、別途工事費がかかります。

出典:エネファーム|京葉ガスエコウィル 商品紹介|大阪ガスクラウド蓄電池システム 製品ラインアップ|SHARP

まとめ

ダブル発電」について、解説しました。

太陽光発電と併用しながら発電するため、発電量そのものは増加します。しかし、高額な機器購入費がかかるうえに売電価格が低下するため、一概に「ダブル発電」の方がおトクだとは言い切れません

20年以上使い続ければ設備投資額を回収でき、おトクになる場合も考えられますが、その前に故障してしまう可能性も十分に考えられます。

しかし、「ダブル発電」はエネルギーの自給自足が実現できる発電方法です。地震などの災害などが起きたときも、自宅に蓄電池や創エネ機器を備えてあれば、いざというときも安心して生活をすることができるでしょう。更にCO2削減の観点からは地球環境にやさしいシステムと言えます。

経済的なメリットだけではなくて、さまざまな視点から太陽光発電のみにするべきか、それとも「ダブル発電」にするべきなのか、検討してみてくださいね。

この記事を書いた人

エネチェンジ編集部

エネチェンジ編集部

エネチェンジ内のメディア「でんきと暮らしの知恵袋」の記事を執筆しています。電気・ガスに関する記事のほか、節約術など生活に役立つ情報も配信しています。

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